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地方公務員のメンタルヘルス対策

 今年3月に、総務省から「総合的なメンタルヘルス対策に関する研究会報告書」が公表されています。
 この報告書から、私なりに重要だと思う部分を挙げてみます。


メンタルヘルス対策の取り組みの方向性

 まず、メンタルヘルス対策として、大きく次の取組が必要だとされています。

  1. トップのリーダーシップ

  2.  段階に応じた4つのケアと連携

  3. ハラスメントの防止

  4. 働き方改革との連動

  5. 関係部局間の連携による総合的な対策

段階に応じた4つのケアと連携

 メンタルヘルス対策には、4つのケアが十分機能することが重要だとされています。

その4つのケアとは…
①「セルフケア」・・・各職員個人が取り組む 
②「ラインケア」・・・管理職が取り組む
③「職場内保健スタッフ等によるケア」
   ・・・職場の産業医や保健スタッフが取り組む
④「職場外資源等によるケア」・・・職場外の専門医等が取り組む

その上で、
①「予防及び早期発見・対応」
②「休務中の配慮」
③「円滑な復帰と再発防止」
の各段階において、4つのケアの各主体に応じた取組を進め、相互に連携することが必要だとされています。

メンタルヘルス不調者の予防及び早期発見・対応

 メンタルヘルス不調者の発生防止には、予防と早期発見・対応が第一段階で重要、
予防及び早期発見・対応のためには、管理職(職場の上司)がメンタルヘルス不調への対応方法を理解し適切な役割を果たすことが重要だとされています。

 そして、課題としては、次のようなことが挙げられています。
• 気軽に上司等に相談できる職場環境が作れていないのではないか
• 予防には、まずは職員一人ひとりが自身の状況を把握し、セルフケアに取り組むことが必要であるが、セルフケアに対する職員の理解が不十分ではないか

職員個人が取り組む対策(セルフケア)

 まず、職員一人ひとりが、メンタルヘルス不調は特別なことではなく誰にでも起こりうることであると認識することが重要だとされています。

 そして、次のようなセルフケアの意識づけが、職員個人が取り組む対策として挙げられています。
• メンタルヘルス不調の早期発見にはストレスチェックの結果等により職員個人が自らの異変を認識し、まずセルフケアを行うことが重要
• メンタルヘルス不調を感じた場合は、躊躇せず、早めに相談しやすい窓口に相談すること
• メンタルヘルス不調の初期段階においては、自らがその兆候を認識し、適度な運動や質の良い睡眠をとるなどストレスの解消につながる行動をすることが重要

早めの相談の勧奨と周囲の配慮

 メンタルヘルス不調者の早期発見のためには、躊躇せず相談で きる雰囲気を醸成することが必要として、次のような対策が挙げられています。

• 管理職に限らず、同僚の職員がいつもと違う様子に気づくようお互いに目を配るなど、各所属全体でメンタルヘルス不調者の早期発見・対応に努め、日常的に職員同士が助け合うこと
• 上司、周囲の声かけが必要であり、職員に少しでも変調が見られたら、重症化する前に早めに専門窓口に相談することや休養することを促すこと

管理職の役割

 職員のメンタルヘルス不調を防止するためには、ラインケアにおいて管理職の役割が極めて重要として、次のような対策が挙げられています。

• 管理職は、日常において部下の仕事ぶりや行動に目を配り、メンタルヘルス不調者の早期発見に努めること。
• 管理職が定期的に部下職員と面談するなど、日常から積極的にコミュニケーションをとり、部下の状況を把握するよう努めること。
• 部下職員の体調や悩みを面談で把握するためには、部下職員の不調の気づきや面談のスキルを習得することが必要

まとめ

 報告書の中で、私が特に重要だと思った部分を抜粋してみました。
 まずは、メンタルヘルス不調防止のためには、まずはセルフケアが大事だけど、職員同士の助け合いやも大事だし、ラインケアのなかでの管理職の役割はかなり重要になるのだと理解しています。
 あくまで、私の理解なので、気になる方は、一度報告書に目を通してみてください。

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