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ダ ム

人生 ついに 復讐の一念
白い刃の雨あられが 決めた
まともまんまのくいはずしが
みぞおちをゆすって腹はきまった

おう にじむ涙のせせらぎも
寄つては一つの小川となり
ふところ手した水車を廻す その音は
杵に聞け 臼に聞け

ああ とことん とことん と
空白をつく杵のひもじさ
しくしく更ける胸の谷間に
百合が咲こうと 咲くまいと だ

どうしてくれる この貧と窮!
ジャンケンポンは負けつづけに
石橋叩いては遅れる ならばだ
雑魚のいのちは抹殺 と見た!

さあ 人生は 復讐というべし
無念遺恨の水々を堰きとめ
あふれる瀧を火花に廻せよ
火花に 真赤な 火花に! 灯りに!

     詩誌『駱駝』34号(1954年8月)

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