【エッセイ】「かとさぐといち」と「路地ドア」をググる
小学生の時に編み出した関東地方の都道府県の覚え方について書く。
神奈川県からはじめて、ぐるっと地理順に並べると、
かながわ
↓
とうきょう
↓
さいたま
↓
ぐんま
↓
とちぎ
↓
いばらき
↓
ちば
で、かとさぐといち。
群馬と栃木ってどっちがどっちだっけ?などと悩まなくても済む画期的な暗記方法で、しかも完全オリジナルである。
密かにこんな方法を編み出す自分はすごいと思っていたが、「かとさぐといち」をググってみたら全く同じことを書いている人が、既にいた。
私程度が考えることは、既に誰かが考えている。
自分の小ささを思い知らされるのがインターネットだった。
もう一つ、私が密かに「きっと自分しか愛好家はいないだろう」と思っていたものに、建物と建物の間に設置された規格外に小さいドアがあった。
なんと呼ぶのかわからないので検索したことがなかったのだが、最近ひょんなことからググってみたところ、「路地ドア」と言うことをつきとめた。「路地ドア」でtwitterを検索すると既にハッシュタグが作られていた。
#路地ドア
ハッシュタグどころか、路地ドアの写真をまとめてつぶやくボットまでいた。
世間は広く、私は井の中の蛙であり、私が考えることは十中八九誰かが既に考えている。
でも、自分の思いつきを他の人が既に思いついていても別に良いし、自分が好きなものを既に誰かが調べているなら「見ーせーてー」と、仲間に入れてもらってもいいのだ。
「井の中の蛙大海を知らず」ということわざには「井の中の蛙は大海を知ったら恥ずかしがって井の中に帰れ」というニュアンスを含んでいるように感じるが、そんなことせずに「やっべ、海って超広くね?」とテンションアゲアゲになったらいいと思う。
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