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メタバース経済と日本経済の未来

この記事はnote投稿企画:「仮想現実での生き方」を考えように参加してます


はじめに

私がメタバース(その当時はその言葉は普及していませんでした)
いや、VRChatを知ったのは2018年でした

のらきゃっとちゃんがきっかけでした
そこからねこますさんを知り、VRChatという文化に触れました

動く城のフィオさんの企画を見て夢を膨らませ、バーチャルマーケットという素晴らしい経済活動に感動しました

もちろんねむちゃんもブロックチェーン勃興初期から知ってます
『ブロックチェーン・レボリューション』は良い本なのでみんなも読もう!

日本経済の現状

https://www.dlri.co.jp/report/macro/302265.html

上の図は日本銀行が発行している日銀短観の国内の需要と供給のバランスを表した図だ
日本経済がデフレで供給過剰に陥っているからこのような図になっている
ご覧の通り、30年前からずっとマイナスに沈んでいる
もちろんこれはデフレ不況に陥っている日本だけの特異な現象だ
先進国はプラスでインフレ状態を維持している
マイナスに沈んでいることは供給能力が過剰であることを示していて、
昨今、巷では人手不足や少子高齢化社会が叫ばれるが、実態は直観とは反しデータは日本の人手が余っているという真実を映し出している

日本経済の明るい兆し

ここからは日本経済の現状と明るい兆しを書いていきたいと思う
さきほどの図でも分かる通り、日本経済は段々とではあるが
プラス方向に0を抜け出してデフレ不況を脱却し正常化しようとしている
これは日本銀行の10年以上にわたる異次元量的緩和政策の成果である
ようやく日本は30年にわたるデフレ不況から脱しつつあるというわけだ
日経平均株価が最高値更新したのは記憶に新しい

デフレを脱却し、ついに真の人手不足、供給不足がやってきたときこそメタバースの出番だ
なぜならば、メタバースは距離を超越してサービスを提供することができる
地方の衰退が叫ばれる昨今、メタバース技術を使い首都圏と同じ給与で同じ労働ができるというのは地方を復活させることにもつながる

https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/content/001371946.pdf

メタバース経済

日本経済の全体図、経済学でいうところのマクロ経済を見てきた次は
本題のミクロ経済であるメタバース経済である
私はメタバース経済こそが日本経済復活のカギと確信している
そこで「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」のレポートを引用しつつ
現時点のメタバース経済を見ていこう

収入額

レポートを参考に収入なしを除外して筆者作成

まずは収入額を見ていこう
どうしても収入なしが含まれてしまうとグラフとして見づらくなってしますので除外してあらためて構成比のグラフを作成してみた

10万円未満の層


こうみると全体的に一万円未満より10万円未満と一歩ステップアップした収入額の層が多いことに気づく
特にバーチャルキャストと北アメリカで顕著だ
バーチャルキャストが収益化に向いていることと北アメリカでは景気が好調であることが背景にあると考えられる

100万円未満の層


次に100万円未満の層を見ていこう
元のレポートの注釈にあったように物理女性は物理男性の倍ほどを稼いでいる
またこの100万円未満の層というのは103万円の壁(社会保険保険加入のため一時的に収入が下がること)があるため、現実世界で現役引退後の女性がパートアルバイトで働く年収でもある
つまりメタバース経済はすでに主婦層の子育ての合間の副業として成立するほど経済発展しているのである
この傾向はヨーロッパで顕著だ
これはヨーロッパのインフレ率が10%を超えたことも影響しているとみられる

https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2023/08/report_230821_01.pdf

100万円以上の層

最後に100万円以上の層を見ていこう
ここでは打って変わって物理女性より物理男性のほうが稼いでいる
といってもほぼ性差はないとも言える
これは100万円以上となると本格的にビジネスとなるため、本業として行う必要が出てきてそうなると性差はなくなるのではないかと考えられる
統計を見ると男性は女性よりフルタイムのサラリーマンとして働いている率が高い
これが副業としてメタバースをやりやすい時間的余裕を女性に生み出しているのだろう
前述の通り、メタバースには性差はないと考えられるため現在低い女性の正規雇用の割合を増やすことができる可能性があると考える
実際、現在3割近くもいる10万以上の女性はすでに商売がある程度軌道に乗っていると考えられるので、そのままスケールアップしていけばフリーランスとして正規雇用の男性に劣らない収入を稼ぐことができる未来は開けていると言える

https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/wg-nwec/siryo/pdf/wg01-4.pdf

収入種類別

つぎに収入種類別を見ていこう

収入種類別

メタバースにおける第二次産業と第三次産業

レポートでも強調されているように
3Dモデル制作とVRイベントが収入の二大要因となっている
これはいわばメタバースにおける第二次産業(3Dモデル制作)と
第三次産業(VRイベント)だ
第二次産業である製造業の3Dモデル制作と第三次産業であるサービス業のVRイベントといった空間コンピューティングを使った産業が隆盛し、対照的に従来型の2D の平面イラストや平面動画の収入の割合が相対的に低いことはアップルが提唱している3D の空間コンピュータの理想がすでにメタバース世界では実現されているとみることができる
ちなみに音楽も低くなってしまっているのは聞き方の問題だろう
音楽産業の一部であるライブはVRイベントに含まれるのでそう回答した方が多いと推察する
現実世界の音楽産業でもライブが一大収入源となっており、それはメタバースでも変わらないだろう

VRで生きていきたいかという意欲

次はVRで生きていきたいかという意欲の面を見ていこう

VRで生きていきたいかという意欲

この調査を見るとバーチャルキャストが収入が一番多いが、反対にVRで生きていくという意欲の面が他のプラットフォームと比べて顕著に低いことがうかがえる

バーチャルキャストの収入が多い要因

バーチャルキャストが収入が多い要因はニコニコ動画という10年以上運営されているエコシステムの整ったプラットフォームが母体であることが影響していると思われる
ニコニコ動画が運営母体のため、既存のニコニコユーザー(販売者)が視聴者層(顧客)を引き継ぐことができるのが大きい
既存の顧客を引き継ぐことで商売の立ち上げがすんなりできるからだ
逆に他のプラットフォームはこれといった既存の母体があるわけではないのでX(Twitter)などのSNSを使って一から再度、顧客を誘導しないといけないので手間がかかり立ち上げが遅くなってしまう

バーチャルキャストの意欲が低い理由

次に反対になぜバーチャルキャストではVRつまり3D空間で生きていくという意欲が低いのかを考察していきたい
これも前述のニコニコ動画が運営母体ということが影響している
ニコニコ動画は平面メディアであるため、VRヘビーユーザーと比べ、ライト層が利用している
そのため、空間メディアで生きていくという主体的な目的を持つユーザーより3D空間で動いてエンタメを提供してくれる配信者(つまりVtuber)が多い
バーチャルキャストは配信者が使う空間メディアから平面メディアへの変換ツールと理解するとよいと思われる
現実世界でいうところのビデオカメラだ
現実世界でビデオカメラの中に住もうと思う者が居ないのと同じようにバーチャルキャストの中で生活しようと考えるユーザーは少ないと思われる

意欲の性差

次に性差について見ていこう
物理男性より物理女性の方がVRで生きていく意欲が10%ほど高い
これは収入額の面で言及したように、女性の方が時間的余裕(可処分時間)が多くVR空間にインする時間もそれに伴って収入も伸びているので、男性に比べ先に女性の方がVRに適応しているのだと考える
これは時間の問題で、社会がメタバース経済に移行するにつれ、このような性差はなくなると考えている

意欲の地域差

最後に地域差について見てみる
日本だけが他地域に比べ、有意に10%ほど意欲が低い
これはなぜか?
日本経済の現状の項目で言及したように日本だけが特異にデフレ不況という特殊な状況におちいっているというマクロ経済的要因と考えられる
つまりデフレを脱却し、経済が他地域と同じようにインフレ経済に正常化することでこの意欲の地域差というものは解消すると考える

物理経済への波及

物理経済への波及

プラットフォームや性差による物理経済への波及効果の違いはあまりなさそうだ
特に目立つのが日本と他地域との地域差だ
欧米と比べ、日本を含むアジアは物理経済への波及が出ている
これはバーチャルマーケットの影響が大きいと考える
バーチャルマーケットは物理経済の有名企業と協賛してメタバースに出展したり、パラリアルを謳って物理世界の都市と連携するようなイベントを開いている
また最近ではVketRealを開催し、メタバースユーザーを現実の街に召喚するという意欲的な試みを行っている
つまり物理経済への波及効果が日本で高いのはバーチャルマーケットの企業努力によるところが大きい

支出額

支出額

男女平等社会への手助け

男性の方が支出額が多いという性差があるが、これは収入額の項目で言及した男女間の正社員雇用比率の影響による可処分所得(給料)の違いが影響している
興味深いのは収入額では女性の方が多いことである
つまり女性が生産して男性が消費する
現在ではそういった富の移転が起こっているのである
現実世界では逆であることを考えるとメタバース世界は男女間の富の不均衡という状態を解消し、男女平等社会への手助けになっていると考えられる

最後に

これまで「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」のレポートを見てきたが
女性においてはすでにメタバース経済と現実世界でのパートアルバイトの給与が変わらなくなりつつあることや収入の男女平等への道筋など興味深い点がいくつも浮かび上がった
またカバー写真にさせてもらった井上 智洋 駒澤大学経済学部准教授(著)の
『メタバースと経済の未来』はねむちゃんも「メタバースから経済を見て、未来を探る思考の旅を始めましょう」と推薦している名著なので読もう!

今回の調査で追加された経済の項目が引き続き次回2024年でも調査が行われれば地域差といった空間的な分析だけでなく、時間的な分析も出来るようになる
また今回はプラットフォーム別、性別、地域別の分類だったので、それに従って分析したが、次回以降の調査ではバーチャルならではの人型アバターか、ケモノ型アバターか、機械型アバターか、それともモンスター型アバターかで収入や支出額の分類分けがされていると
さらにメタバースならではの質の高い独自性のある調査になると思う
もちろん人型アバターも女性型アバターか男性型アバターでどう収入が違うのか比較出来るととっても興味深い分析が出来ると思う
だってこんなに多様な社会なのだから

この調査を応援しています!

VketCloudに挑戦中

また現在、私はVketCloudの第四回勉強会に参加しており、メタバースワールドを作成中です

そこでは私が現実世界の静岡県浜松市で営業している舞坂宿のお茶屋さんじょうらくをiPhoneで3DスキャンしてUnityを使ってVketCloudに取り込もうと考えています

その勉強、試行錯誤の様子をこのnoteで実況中継していきたいと考えていますので、興味ある方はぜひフォローをお願いします!




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