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【ITトレンド日記】World Tech:アレクサが起こした「盗聴騒ぎ」について、アマゾンの言い訳は?

ねえ、アレクサ、家族の会話を勝手に送信しろって誰が言った?!(怒)

ここ数年で一般家庭にも一気にAIを普及させた功労者、スマートスピーカー。2018年1月から3月までの全世界での出荷台数920万台、前年同月比は278%と、驚異的な伸びを記録。米シリコンバレーのIT企業大手が、こぞって製品を投入しリビングルームを我が物にしようと、しのぎを削っています。中でもGoogleとAmazonは熾烈な競争を繰り広げ、互いの商品やサービスを取り扱わないといった事態に発展しています。

中でも両巨頭うちの1社であるAmazonが2017年11月から日本でも発売を開始した「Alexa」は、スマートスピーカーのシェアトップの44%を獲得して市場を席巻中。そんな中で最近起こったのが「アレクサ盗聴事件」です。ITニュースサイトのRECODEが、この件についてのAmazon側の釈明を報じています。

Echo woke up due to a word in background conversation sounding like “Alexa.” Then, the subsequent conversation was heard as a “send message” request. At which point, Alexa said out loud “To whom?” At which point, the background conversation was interpreted as a name in the customers contact list. Alexa then asked out loud, “[contact name], right?” Alexa then interpreted background conversation as “right”. As unlikely as this string of events is, we are evaluating options to make this case even less likely.”
(エコーは、設置されている部屋の背後で聞こえた「アレクサ」という感じに聞こえた音声に反応して起動した。続いての会話で「メッセージ送信」という声を認識したので、アレクサは「宛先は誰ですか?」と返答した。その時点で、連絡リストにあった特定の名前を抽出して確認のために「〇〇さんですか?」と聞き返したところ、「そうだ」との返事があった。本当にこうした一連の会話が行われたとは考えにくいので、アマゾンではこうした事例は極めて稀だと判断した。)

この「被害」に遭遇したのは、米オレゴン州ポートランドに住む女性。仕事の同僚から「ご家族の会話の録音音声データが、こちらに送信されてきた」と連絡があり、大変ショックを受けたと、地元のニューステレビ局で語ったとのことでした。

アマゾン側の話では、個人のプライバシーを非常に重要だと考えているためこの件について調査したが、非常にレアなケースであることがわかったので、二度とこういったことが起きないように対策を講じるとのこと。

昨年には、「安全」なはずの自動運転車が人をはねて死亡させるという事故が発生しました。ことの重大さに違いはあるものの、こうしたことはこれから頻繁に起こってくるのではないでしょうか。現在はちょうど「AI」という新しい技術への過渡期なので、ある意味では仕方ないのかもしれません。

それにしても、Amazon Echoのような録音や送信機能のある機器を設置しているのは購入者本人なので、このような事件が起こったからといってそれを「盗聴(eavesdropping)」呼ばわりするのは、ちょっとAlexaがかわいそうな気がします。

さて、こうした状況を当の「本人(?)」であるAlexaに仮に質問してみたら、果たしてAlexaは何と答えるでしょうか?

人間:「ねえアレクサ、こんなことがあったんだけど、どう思う?」
アレクサ:「悪気はありませんでした」


関西在住のWebライター/文筆家のタマゴです。私の書く文章があなたの人生を豊かにすることができていれば、ぜひサポートをお願いいたします。