【書評Unlimited】あなたを悩ますお金との幸せな関係を作るには？

2020年1月28日 11:30

本日の１冊

一瞬で人生を変えるお金の秘密　happy money
これからの人生をお金と楽しく心安らかに過ごす方法
Ken Honda・著　本田健・訳
フォレスト出版　

あなたがお金のあるなしにこだわる理由

みなさんは、買い物をしたり光熱費を支払ったりする時に、「もっとお金がありさえすればこんなに生活に苦労しなくて済むのに」と悩んでいませんか？

消費税増税やキャッシュレスサービスの普及など、最近は何かとお金がらみのニュースが話題になっています。現金派とキャッシュレス派でもいろいろ言い分があるようですが、キャッシュレスにしろ現金にしろ、お金持ちでも貧乏人でも、毎日の生活にはお金は欠かせないもの。

あなた自身のお金に対する気持ちがプラスの感情で満たされているか、それともマイナスの感情でいっぱいなのかで、幸せの度合いは大きく変わってくるのです。

この本の著者である本田健さんは、これまで「お金」「大富豪」「幸せなお金持ち」といったキーワードで、お金と人との関係を見直すための著書をたくさん書いてきた「お金の専門家」。

本田さんが英語で原本を執筆し日本訳として出版したこの本を読むと、お金に対する過去のネガティブな思い込みを修復し、明るい気持ちでポジティブなお金の使い方ができるようになります。

あなたの中ですっかりこんがらがった「お金へのマイナス感情」をスッキリと整理し、ポジティブで気持ちで人生を送れるようになれる手助けをしてくれる本。それが、今回紹介する「happy money」です。

では、なぜこの本を読めばお金に対する感情がプラスに変化するのでしょうか。それは、お金に対する間違った思い込みや、精神にダメージを与えた心の傷がどのように作られたのか、わかりやすく解説して解決法を示してくれているからです。

多かれ少なかれ、誰でもお金に対する思い込みや過去に受けた傷を心の中に抱えています。そうした思い込みに縛られて、いつまでたってもお金との関係を修復できないことが、今の私たちの不幸の原因になっているのです。

僕も実際にこの本を読んでみて、お金とは何なのか、なぜお金が欲しいのかといった根源的な仕組みを知って、自分がなぜお金に関して嫌な感情を手放せないのかを知ることができ、より明るい方向に考え方を変えることができたからです。

この著書では、この本の４つポイントについて解説されています。
・自分にとっての「お金」の意味
・あなたとお金との関係
・過去の経験に基づくお金に対する感情
・お金の流れとエネルギー

まず、お金という存在が自分にとってどんなものなのかをはっきりと認識し、お金との関係を見つめなおした後で、過去に受けたお金に関する心の傷や思い出したくない記憶を整理し、ハッピーなお金の流れに身を置くことが大切だと、本田さんは主張しています。

この４つのポイントを通じて、みなさんの抱えているお金のイメージを修復し、ポジティブなお金の流れに身を置くことが幸せにつながることが理解できます。

そして、記事を読み終えれば、今後はお金の不安に心が乱されることなく、お金とのいい関係を保ちながら人生を歩んでいくことができるでしょう。

自分にとってのお金の意味

みなさんは、「あなたにとってお金とは何か？」と質問された時、なんと答えますか？

本田健さんによると、お金との関係に悩んでいる人はたいてい、過去にお金のことで傷ついた経験がある人です。逆に、お金との関係がうまくいっている人は、そうした苦い経験をすることなくこれまで生きてくることができた人なのです。

お金に困っている人は、ついついお金の量が自分の悩みを解決してくれると思いがちです。しかし、そうしたお金のストレスを元からなくすためには、自分自身の中にある「なぜお金を欲しいと思うのか」という心の働きを客観的に観察することが重要だとのこと。

お金に対する感情を解き放つ

みなさんは、過去にお金のことで手ひどく失敗したり人前で恥をかいたりした経験はありますか？

お金との関係に悩んでいる人はたいてい、過去にお金のことで傷ついた経験がある人です。逆に、お金との関係がうまくいっている人は、そうした苦い経験をすることなくこれまで生きてくることができた人なのです。

なぜ、お金に対する感情をみつめることが大事なのか

それでは、なぜ自分の中にある心の傷を見つめなおすことが大事なのでしょうか。それは、そうした心の傷に引きずられて、せっかく感じた幸せがかき消されてしまうからです。

心の傷を見つめなおしてそれを癒し、前向きでポジティブな考え方に置き換えることで、私たちはお金との新し関係を築き、明るい人生を歩み始めることができるというわけです。

ポジティブなエネルギーが人生を変える

本の冒頭では、不躾に本田さんの財布の中身をチェックした女性が登場します。その女性はお金にも表情があり、本田さんの財布のすべてのお札が「明るいエネルギー」と持っていると指摘したのです。

このように、お金にはエネルギーが宿っており、それが喜びに満ちていれば幸福に、恐怖にさいなまれていれば不幸になります。お金は持ち主の人生を表す鏡のような役割を持っているのです。

ハッピーなエネルギーを持っているお金をたくさん持つほどその人は幸福になり、逆にアンハッピーなエネルギーに満ちたお金が多いなら不幸になるというわけです。

お金を客観視し、負の感情と分離する

僕の経験からお話しすると、キャッシュレスサービスが日本で普及し始めた２年ほど前から、僕は支払いを徐々に現金からキャッシュレス決済に替えていきました。

それまでの僕は、文字通りお金に負のイメージを抱いていました。「せめて人並みの収入があれば」といつも考えており、様々な支払いを渋々行って感謝の気持ちなどはかけらもなかったのです。その結果、いつまでたっても自分の経済状態は好転しませんでした。

しかし、幸運なことにIT関連の仕事に就いていた関係で、キャッシュレスのテクノロジーに非常に興味を持ち、買い物や支払の際には現金のかわりにデビットカードやQRコード決済へと変えていきました。

それとともに、余った小銭などはコンビニの募金箱にいつも入れるようにしたり、電車の駅に落ちていた忘れ物を積極的に駅員さんに届けたりしました。

その結果、日々の生活に余裕が生まれ、お金に対して抱いていた特別な感情を手放し、お金を「数字」や「道具」として客観的に見ることができるようになったのです。

それでは、実際に「happy money」の中から気にある言葉をピックアップしてみましょう。

本日のキーフレーズ

人が罪悪感や怒り、悲しみなどを感じながら支払ったお金は「泣いている」のだそうです。一方、愛情や感謝の気持ち、幸せな気分で支払ったお金は、「にっこり笑い」「声を立てて笑う」こともあるそうです。そういうお金は、支払った人のポジティブなエネルギーを帯びているからということです。

「そうか、私にお金を払った人たちは、そのお金に感謝の気持ちや喜びの感情――つまりたくさんの幸せなエネルギー――を送ってくれたんだ」

人々がお金を欲しがる６つの理由
１．基本的な生活を維持するため
２．力を手に入れるため
３．他の人たちを見返すため
４．自由を見つけるため
５．愛情や注目を集めるため
６．愛情や感謝の気持ちを伝えるため

お金で幸せや買えない。しかし、お金があれば、間違いなく、人生におけるある種の問題を取り除いてはくれる

「ありがとう」の言葉にはすごい力があります。あなたがお金との関係を変えていけるよう、力を貸してくれるでしょう。お金との関係を変えていけばいくほど、ストレスは減っていきます。

お金は至るところに――特に人々の間に――流れている「エネルギー」だと考えてください。

「お金は神様ではなく、中立的なエネルギーにすぎないんだ。磁力にはポジティブとネガティブなものの２種類があり、どちらも同じ力を持っている。そして、パートナーシップと同様、善人にも悪人にも、同じように引きつける魅力があるのだよ」

お金の「幸せな流れ」を作るためにできる１０のこと
１．お金を寄付する
２．友人にお金をあげる
３．友人に贈り物をする
４．プラスαを提供する
５．請求された額より多く支払う
６．クライアントや上司に贈り物やカードを贈る
７．お金を受け取ったら、素直に喜ぶ
８．お金を使うときには、相手の幸せを祈る
９．好きな人、お店から買う
１０．すべてに感謝する

さて、ここまでお金と私たちの関係について説明してきましたが、みなさんは過去のご自身の生き方と比較して、何か異なった点はあったでしょうか。

今回の記事の内容をもう一度まとめておきます。
・お金とは自分にとって何なのかを問い直す
・お金のIQ（お金の技術）とお金のEQ（お金の知性）の両方を身につける
・幸せになりたいなら、お金の「量」より「質」を重視する
・感謝の心を忘れないことで、お金のエネルギーを引き寄せる

もし、みなさんがお金のエネルギーを引き寄せるための行動をまだ起こしていなかったのなら、ぜひ今すぐ行動を始めてみましょう。「happy money」は、人生を変えたいと思っているみなさんの肩をおしてくれる１冊です。