漫画みたいな話。(後編)

〜前回の話〜

漫画みたいな話。(前編)
漫画みたいな話。(中編)
漫画みたいな話。(考察編)

〜時間が無い人のための前回までのあらすじ〜

2010年5月27日、僕らは怪奇現象が起きると噂されたとあるお店へと足を運んだ。
その話を店の人に問いただすと、最初は知らぬ存ぜぬを通すのだが、僕らは巧みな話術(しつこい質問責め)を駆使し遂に店主は口を開いた。

その話はとうてい信じられないような話ばかりで、前世から何者かが毎日手紙をよこすといった話だった。

「そう遠くない将来、日本は大変な事が起きる。」
店主はそう言って僕らに奇怪な手紙や贈り物の数々を見せてくれた。
そして、遂に僕らは怪奇現象を目の当たりにする。
何も無いはずの場所から突然硬貨が降ってきたのだった。

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あらすじここまで。
この説明しがたい謎の現象や、その後の状況を確かめるために丁度一年の時を経て僕らは再びこの店へと足を運んだ。
相変わらずとても長い記事なので時間あるときに読んで欲しい。

また、今回は以前の話にも増して世界観が飛躍している一方、攻略難度が著しく低下しており、我々全員の気持ちが乗りきっていないまま、あらゆる情報が与えられため、理解が追いつかなかった事もあって、読み手をいっそう混乱させる内容になっているが、どうかご了承願いたい。

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------2011年05月31日(火)の記事------

5月29日、時刻は18時半頃。
僕らは集まった。

店内では数人の外国人がおしゃべりをしたりダーツをしたりしている。

僕らは食事をしながら他のお客さんが帰るのを待った。
しばらくすると、客は僕らだけになり声をかけるタイミングをどうしようかとそわそわしながら相談してると、男性店員(以下オルス)がそんな僕らの空気を読んだのか口を開いた。

オルス
「あれ?こんなところにコインが…。もしかしてまた来ちゃったかな?」

なんかすごいあからさまなことを言っている。

サル
「これ、誘ってるだろ!よし、今でしょ!今!!」

ゆう
「す、すみません!」

オルス
「はい?なんでしょう?」

ゆう
「水を貰ってもいいですか?」

オルスが水を持ってきたときにさらに声を掛ける。

ゆう
「僕らのこと覚えていませんか?」

オルス
「え?どうだったかな?お客さんは沢山来てるので…」

ゆう
「ちょうど、一年前。去年の5月27日にも僕らは来たんですが」

けんじ
「座ってた席もまさにここと丁度同じだったね。」

オルス
「いやあ、ちょっと…」

ゆう
「大地震が来ましたね。」

ピクリとした。

サル
「去年、色々話を聞かせてもらったんですけど…。」

オルス
「いや、これまでにも色々な人と話をしてきましたから」

なんだかはぐらかしている感みえみえなところがなかなかいやらしい。

ゆう
「去年話をしたとき、日本で大変な事が起きると言っていたけど、今回の災害のことじゃないんですか?」

オルス
「そうだね。地震、原発、そして火山も噴火したね。でもこれは始まりに過ぎないんだよ」

釣れた。

けんじ
「また、なにか起きるんですか?」

オルス
「今度は、7月29日…。あるいは旧暦の7月7日(西暦にして8月6日)…」

ゆう
「具体的には…?」

オルス
「おそらくは…水害。また津波が来るかもしれないね。」

他にも琵琶湖が割れるんじゃないかとかも言っていたが、意味が分からないので省く。

オルス
「いやあ、しかしうまい事やったよね。津波や地震じゃあ、誰だって天災だとしか思わないもんね。」

けんじ
「人の仕業って言うんですか?」

オルス
「人よりもっと上の存在だろうね。きっと地球っていう水槽を手でかき混ぜたんだ」

サル
「前にも言ってた別次元の人ですか?一体なんのために?」

オルス
「アセンションだよ。」

意味が分からず、みんなでウィキペディアを一斉に開いた。

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以下Wikipediaより

■アセンションとは人間もしくは世界そのものが現在の三次元からより高次元の存在へと進化することとされる。アセンションの存在を支持する人々は、アセンションは2012年前後に起こるのではないかと推測しており、現在の地球の環境問題や混沌とした社会現象、人間の善悪に対する意識レベルの低下をその変化への前触れであると見なしている

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さあ、ここからいよいよついていけなくなる。

オルスの話をまとめよう。

ニビルという太陽系10番目の惑星があり、それは約3,600年周期で太陽系と垂直方向の楕円軌道で太陽系の中心部へ向かっているという。

つまり、2012年に太陽系の惑星が一列に並ぶ瞬間が訪れ、そのことにより、地球は異変をもたらし、災害などにより数少ない人間だけが生き残るらしい。そして残された人々が進化していくとかなんとか。
もっと簡潔に言えば3600年に一度文明は滅ぶんだって話。

今、オカルト好きの人たちの間で最高に怯えるHOTでCOOLな終末論の解説をされたわけだ。

さらに話はマヤ文明にまで遡り、シュメール人は宇宙人とのハーフらしいという話が出てきてもうだんだんわけが分からなくなる。
(一年前に僕が「前世は宇宙人って言われた事ある」って話したときには白々しい顔して哀れんでたくせに、いつの間にか宇宙人の肯定側に回り込んでいるのが許せない。)

それはそうと、いかん、これはついていけない。
流れを変えなくては

ゆう
「ところで、まだ手紙は届くんですか?」

すると、オルスは一枚の手紙を持ってきた。

画像1

みんなの下がりきっていたテンションがここでしばし上昇する。
オルスによると、英語と象形文字とシュメール語となにかが書かれてると言っていた。
誰か解読できないだろうかとのこと。
このとき何か僕は以前とは違う違和感を感じていた。
全文カタカナでなくなったとかそういうことではない。

それからまた別の手紙を見せられたときに違和感は確信へと変わる。

画像2

な!!なんと!!!

一年前より字が綺麗になっている!!

前回は左手で書いたようなヨレヨレの不気味な書体であったが、一年もの修練の成果があってか、格段に美しくなっているのだ。

オルス
「ところで、このI131の意味が分かるかな?」

それと同じ数字が書かれた鍵が振ってきたと言ってそれも見せてもらう。

画像3

最初はオルスも分からなかったのだが、あるときヨウ素131のことだと分かったらしい。
つまり原発の放射能漏れについてのなにかしらのメッセージらしいが、中途半端に化学とオカルトを混ぜ込んできたため情報が混乱し、僕は話半分で聞いていたのであんまり分からない。この一年で彼らはオカルトやスピリチュアルな本ばかりを読んできたのだろうか。あるいは幸福の科学に入信でもしてしまったのか。そう思わざるを得ないようなやたら設定がややこしいSF小説を読まされてるような気持ちになっていた。

そんな折、オルスがこんな話をした。

オルス
「実はもうひとつ鍵が降ってきたんだけどね、それが不思議なんだ。見た目はさっきの鍵よりもどこにでもある普通の鍵だが、なにか意味のある鍵だと思って財布に入れたが、突然財布を閉じたときに鍵だけ落ちてきた。財布にはジップが付いていて、たしかにそのチャックも閉めたはずなのにだ。また財布にしまい込み、今度は財布をカバンの中に入れた。しばらくするとまた目の前に降ってきた。これが4度続いたんだ。」

その鍵を見せてもらう。

画像4

実に現代的な、いたって普通の鍵である。

ハレル
「その鍵、また財布に入れたらどうなるんですかね?」

オルス
「どうなるんだろうね?もうさすがになにも起きないんじゃないかな。」

そして財布の中に入れ、ジップを閉める。

それから続いて、また別の手紙を見せて貰ったのだが、これまでとは違った雰囲気の手紙だった。

画像5

「己れがオルスか」…?
これは、つまり初対面。
新キャラの登場である。

いよいよこれはもう頭がパンク寸前。

ちなみにこの手紙に書かれているテトラスキルとは、世界の終末が訪れても生き残ることが出来る4つの能力を持つ者のことらしく、精神を鍛えれば誰でもテトラスキルを身につけられるそうだ。

その4つの能力とは、
ひとつめ『愛』
ふたつめに『知恵』
みっつめは『力』
そして、肝心のよっつめ…

オルス
「えっと、、、ごめん。忘れた。」

オルスがもう一人の店員(以下、王妃)に聞くが

王妃
「あーー、なんだっけ。すいません、私も思い出せません」

終末は目前な気がした。




画像6

続いてなかなかサイコな長文の手紙を見せられたがもうスルーして次へいこう。

ちょうど、ここらへんからまあなかなか僕らのテンションも右肩下がりに下降していき、けんじくんにいたっては「眠いから車で寝てくる」と言って店から脱落。

見えざる者はそんな空気を読んだのか、遂にあの現象が起きたのだ。

チャリン!!

サルの目の前に突然10円玉が振って来た。

そしてあき菜さんの横っ腹にも硬貨が飛んできた。

再びみんなのテンション急上昇。

しばしの雑談の後、ハレルくんが思い出したように口を開いた。

ハレル
「あ、そういえばさっき財布にしまった鍵ってどうなっ」

…ットン。

サル
「うわああああ!!!!」

サルくんの膝の上に突然その鍵が落ちてきたのだ。

メグちゃんもその鍵が天井の方からキラキラと落ちてくるのを見たと言う。
みんながざわつく。

なんというタイミングだろうか。
確かに僕らは財布の中に鍵を閉まったのを見たはずだったし、もし財布に誰か手をつけていたのなら、この6人の目を盗んで取り出すなんてかなりの神業のようなものだ。

ちくしょう、どうなってるんだ。

それから、また硬貨は降ってくるわ、さらに新たな手紙は地面に落ちてるわで、店内は大パニック!えらいカオスな空気になっていた。

オルス
「もう、これ以上は何も言えなくなった。悪いけど今日はここまでということで。。」

手紙を読んだオルスが言った。

サル
「な、なにが書いてるんすか?」

みんなで手紙を覗き込む。

画像7

あららら

オルス
「絶対に口外しないようにね。」

その言葉を思い出しながら僕は今まさにその出来事を書き綴っている。

そして、話の冒頭で未曾有の大災害が起きるといわれた7月29日。
お店の許可を得たのでイベント決行しちゃうよ!

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**『世界の終末祭vol.1~ぼくらの最後の晩餐会~』 **

出演:金城小町
場所:クチョエコンラ
時間:未定
料金:店内メニューから一品以上。 








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追記

世界の終わりが近づく頃、イベントについての打ち合わせのため、レストランへ向かった。

しかし、終末を前にしてレストランは無くなっていた。

災害を恐れてオルスと王妃はどこか僕らの知らない地へ去っていったのだろうか。
もしくはアセンションに成功して高次元の存在へとなって僕らには認知できなくなってしまったのかもしれない。
あるいは、彼らが人知れず世界の終わりを食い止めた可能性だってある。

なんにせよ、彼らへの多くの謎を残し、なに一つ検証できないままこの記録は終わりとなる。





------再追記 (2019年9月3日)------

 
数日前に、突然「クチョエコンラ」というタイトルのメールが届いた。

なんと、それはオルス本人からのメールだった。
現在、彼はうるま市で「丑三つそば」という沖縄そば屋さんをやっているとのことだった。

また、東スポにも取材されていたことも分かった。

彼からのメールには2020年の夏至に注目していて欲しいとの連絡が添えられていた。
果たして、なにが起きると言うのだろうか…。

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