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「いいからやれ! オレ!」 シナリオマン1 満月パワー
シナリオマン1 満月パワー
久しぶりにシナリオを書いた。何年ぶりだろう。10年ぶり? 20年ぶり?
いや、待て待て。
そもそもちゃんと最後まで書いて応募したことあったっけ?
シナリオライターになるのが夢で、シナリオスクールに通ったこともあったけど、結局最後まで書ききれず、応募したことさえなかったな。
あきらめたような、忘れてしまったような、だけど未だに完全には手放していない夢のかけら。
そんなアラフィフおやじです。
きっかけは「note」のこの企画。
事前に作られた10分のストーリーの続きを、みんなで自由に考えて、みんなで作品を作ろう。
なんとも、面白い企画じゃないの。
動画を見たら面白くって、筧 美和子さんが可愛くて。
これはもう、是非参加したいと思った。
「note」は存在は知っていたけど、初投稿してみたのは、つい一週間前。
まだ使い方も慣れてなくて、画像の入れ方とか、リンクの貼り方とか、ルールとか、よく分からない。
仕事も忙しい。
だけど、これ、やってみたい。
だったら、もう、うだうだ言わず、
「いいから書け! オレ!」
でもね、アイディアが浮かばないのな。
この三人はだれ?
この家の住人はどこに行った?
続き、なんにも思い浮かばない…
10代、20代のとんがった感性、どこいったよーい?
アラフィフおやじの脳は、もう枯渇してしまったのか???
「いいから書け! オレ!」
って、いやいや、アイディア思い浮かばなければ、何にも書けないって…
そう思ったその瞬間に、スマホに不思議なメールが届いた。
「今夜は牡羊座の満月です」
3連休最終日、10月14日の夜。
配信拒否したような、普段なら一瞬でスルーするスピリチュアル系のメルマガだった。
「牡羊座の満月には、スタート、再スタートの力があり、今ある場所から次の場所へ飛躍するパワーがあります」
その後、何か怪しいスピリチュアルグッズを売るような文面が続くのだが、
「今夜は牡羊座の満月です」
そのメールタイトルだけで、ポッとシナリオのアイディアが思い浮かんだ。
本当に満月のパワーなのだろうか。
書き始めると、更にアイディアが降ってくる、降ってくる、降ってくる、降ってくる。
2019年10月の3連休
10月12日(土) 過去最大級の台風19号が日本中に大きな被害をもたらした。(被災された方々には心よりお見舞い申し上げます)
10月13日(日) ラグビー日本代表がスコットランドに28-21で勝利。ロシア、アイルランド、サモアを含め4戦全勝で、史上初のベスト8、決勝トーナメントへと進んだ。
10月14日(月) 「牡羊座の満月」のパワーを得、オレがシナリオを書きはじめた。この再スタートにより、次の場所へ大きく飛躍することになる。
シナリオ募集の告知をみてから締切期限まで一週間もなかったが、今回のシナリオは5日で書いた。書けた。
10月14日(月)の夜にアイディアが思い浮かび、翌日から通勤電車で朝30分、帰り30分の計1時間、スマホでセコセコと少しずつ形にしていく。続きは家のパソコンでやりたいところだが、中2の息子がこんなときに限ってやたらパソコンを使っているため、使えない。さすがに会社の勤務中には書けないが、10月18日(金)締切日の昼休み、社員食堂で一人ランチを食べながら、なんとかスマホで形をまとめ、とにかくアップした。
昔、小説を応募したときは、ワープロで何十枚も出力して、表紙をつけて、郵送で送ったりしたものだが、本当、時代は変わったなあ。
会社で、昼休みに、スマホで、投稿完結。
楽しかった。
仕事はとても忙しく、終電近くまで残業になってしまったけど。
楽しい。
やっぱり、オレ、書くの好きだあ。
影響を受けたくなかったので、他の方の作品は敢えて一切読まなかったが、投稿後、いくつか読ませていただいた。
あー、こうやってリンク貼るのかあ。
いきなり本文始めずに、こういう前書きいれたほうがいいなあ。
あー、この人、上手ー。
など、いろいろと参考になったけど、
僭越ながら、やはり、
自分の作品が一番面白い、と思った。
だれが何と言おうと。
「スキ」の評価が5つしかなくても。
実はそのうちの1つは自分だから、実質4つだとしても。
今回の投稿が、まったくかすりもせず、採用されなかったとしても。
自分の作品が一番面白い。
自分でそう思えなくて、どうするっちゅうねん。
シナリオ学校に通った大学3年生のとき、自分の作品をぼろくそに批判されたことがあった。
シナリオ学校には先生が3人くらいいて、毎回持ち回りで生徒のシナリオの考察、評価をし、他の生徒達が更に意見を加えていく。
シナリオ学校には、オレのような大学生もいたが、専業主婦や、定年後のおっさんや、蕎麦屋の娘や、お寺の跡取りや、いろんな世代のいろんな人達がいてとても面白かった。
オレのシナリオ評価の日は、真面目で古いタイプのA先生だった。A先生が「よく分からない」的な発言をすると、それに続いて、そこにいるほぼ皆が、オレの作品に否定的な見解を述べた。「目的が分からない」とか、「なぜここでこういう行動なのか」とか、「多分実体験に基づいている」とか…。
他人に読まれることさえ慣れていないのに、批判されることに慣れているわけがない。
プライドは高いのに、繊細で打たれ弱いオレは、みんなから絶賛されると思っていたのに、矢継ぎ早に批判され、ボコボコにされ、かなり傷ついた。本当は言い返したいのに、反論の言葉もでてこなかった。思いがけず、はじめて喧嘩をして、わけもわからず、一方的にやられた感じだ。
何一つ伝わっていないことにショックを受け、「オマエラの感性が鈍いんだ」と毒づく自信もなく、ただ傷ついた。
他人からの評価は大切だ。
人の意見に耳を傾けることも大切だ。
他人に分かるようにきちんと魅力を伝えることも大切だ。
感情的にならずに、理論的に説明説得することも大切だ。
だけど、くだらないと思った。
そんなもの圧倒的に、ねじ伏せたい。
説明不要、文章の力だけで、唸らせたい。
翌週は、自由なタイプのO先生だった。
オレのシナリオが先週ボコボコにされたことなど知らず、
「先週どうだった? あのプロット、すげー面白かったじゃん」
O先生は開口一番、そう言った。
批判的だった他の生徒たちが、
「でもA先生はよく分からないって批判的で、可哀想なくらいでした」と言う。
…あなたも批判してたよね。
「ああ、A先生にはこの面白さわかんないでしょ」
O先生はこともなげに言った。
「あれ、すげー面白かったよ」
その言葉に救われた。
でも、先生じゃないんだよね。
自分だ。
世界の中心は、いつも自分だ。
A先生の言葉に傷つき、O先生の言葉に救われた。
だけど、大切なのは、自分がどう思うか。
NHKの「いだてん」は、大河ドラマ史上最低の視聴率らしい。どうしてだろう。オレは、すごく面白いと思うんだけど。
みんながみんな面白いって思えるものは、それはもちろん素晴らしいけれど、そんなもの目指さなくていい。
自分が面白いと思えるものをつくりたい。
「つまらない」と言われれば、今でもチクリとする。
さすがにガラスの10代ほどではないだろうが、アラフィフでも、未だにいちいち傷つく。
いちいち傷つけばいい。
傷つきやすくていい。
簡単に傷つくほどの感性は、大切にしていい。
誹謗中傷、どこ吹く風で、痛みに慣れ、強い自分でいられればいいけれど、
クリエイターを目指すのであれば、傷ついたって、なんぼのもんだろ。
大切なのは自分軸。
自分の感性。
そこは忘れない。
さて、この企画、「知らない人んち(仮題)」。
一体、どんな作品が出来上がるのだろう。
無茶苦茶難しくて、楽しそうだ。
この先のストーリーは、まったく予想がつかないものになっていくだろうし、伏線を回収することがどれだけできるのか。
とても実験的な試みだから、批判、非難もあるだろうけど、「自分達が一番面白い」と思える作品をきっと作ってくれることでしょう。
自分のシナリオが微塵も影響していなくても、拍手できる番組になれば素敵だな。
ラグビーワールドカップ、日本対南アフリカ戦くらい楽しみだ。
でも自分のシナリオ、少しでも使って欲しいな。
なんなら入浴シーンだけでも…
おっと。
満月パワーによって再スタートしたのなら、そんな淡い妄想するよりも、次だ次。
「いいから書け! オレ!」
今回書いたシナリオはこちらです。
ほんの少しでも笑顔になっていただけたら幸いです。