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八丈島という環境が議論の質を高めていく―アルプの場合

企業のオフサイトミーティングなどに利用されるIsland and office 八丈島では、実際どのような時間が流れているのでしょうか。今回は、2022年6月に宿泊を体験したアルプ株式会社の代表伊藤さんに、体験した時間を振り返っていただきました。

伊藤 浩樹(アルプ株式会社 代表取締役)
1986年生まれ。東京大学卒業後、2008年にモルガン・スタンレーに入社。2009年ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社し、金融機関・メディア系企業の戦略コンサルティングに従事。2013年にピクシブに入社。ピクシブでは新規事業開発、開発組織のマネジメントを経て、2017年に代表取締役社長兼CEOに就任。2018年8月にアルプ株式会社を創業。

非日常な空間は議論の効率性を高める

―なぜ「Island and office 八丈島」でオフサイトを実施したのですか?

総勢50名弱と会社の規模が拡大し、大規模な資金調達を直近実施したこともあり、今後の事業方針について各事業部の主要メンバーで認識を揃えるべくロングミーティングを行う必要性を感じていました。ちょうどそこにIsland and officeを知る機会が重なったことと、アルプの株主であるDNX Venturesの投資先支援の一環として利用の機会をいただいたことが、このオフサイト実施のきっかけです。

ロングミーティング実施にあたって重視したのは、場所を変えることです。社内の会議室で日常の延長線上でやりきるのではなく、環境を大きく変え、通常業務から切り離した非日常な場を設けることが大切だと考えました。
 
しかし、いざそういう場を作るとなると、当然ですが準備の手間がかかります。Wi-Fiなどの設備があり、5〜10名で貸し切れる宿泊施設となると条件が絞られます。また、非日常を感じられる場所はアクセスが不便な場所も多いですよね。適切なオフサイトの場所選びは、意外と難しいものです。

Island and officeは、素晴らしいロケーションというだけでなく、それに付随する準備の手間を大きく削減できます。やることと言えば、八丈島行きの飛行機を予約するだけ。アクティビティや食事といったコンテンツも準備されていて、かつミーティングに必要な設備が整った宿泊施設を貸し切れる。そういった利用メリットに加え、今回はDNX Venturesにご支援いただけたので、この機会に使わない手はないな、と思いました。

―八丈島でのオフサイトを体感して、いかがでしたか。

チームビルディングと議論とを両立して、いい共通体験を創れましたね。それに意義がありました。

八丈島というロケーションにおいて、そもそも長々と部屋にこもって議論だけをしたいとはなりません(笑)これは足を運んでもらえればわかると思います。眼前にすばらしい自然が広がっていて、温泉があって、多様で新鮮な機会に溢れています。普段と完全に異なる環境で、絶えずチームで共通の体験を持てる。それは登山でも、滝行/沢登りでもそうです。一つ一つの特別感が強く、単なる日常的な消費に終わりません。そこから、テンションが上がって会話もどんどん活性化していきます。さらには、こじんまり考えないようにしよう、大胆に振り切って考えようというスタンスも生まれやすいと感じました。

一方で、ただただアクティビティがよかったという話ではもちろんありません。しっかり定めたアジェンダについては話しきりました。タイムリミットを決めて内容を凝縮し、残りの時間を別のことに活用しても良いわけです。Island and office八丈島では、それがとてもやりやすいと感じました。冗長に議論しても仕方ない環境なので、結果的には効率よくかなりまとまった議論もできましたね。私たちの場合、スケジュールはかなりつめていたので、「絶対に17時に終わらせよう」と言って話し始め、結果16時半には終わるなど、かなり時間を意識した運営ができました。

 総じて、Island and office八丈島という、我々にとっては非日常な環境に身を置き、オフサイトに大変適した環境の中で議論すること、そうした共通言語・共通体験を持てたことは、単に議論を超えた重要な意味を感じます。
 
また、参加人数も適切でした。私たちは各事業部の主要メンバーのメンバー計9名で参加しましたが、議論をするうえで全員がしっかりコミットできて、移動する車も2台で収まったので、非常に良い選択だったと思います。

自然と触れ合い、設備に感動した

―皆さんのスケジュールを見て、1日目に追加された登山の予定が印象的でした。

翌日は雨が降る予報で、現地の方々が「(山を楽しむなら)今日しかない」と話していたので、八丈島への到着直後「じゃあ今日、山に登ろう」と決めてしまいました。最初からスケジュールが大幅変更です。

登山は、ちょっと体力的に大変な部分もあり、全員にとってハッピーなアクティビティにはならなかったのですが(笑)、私個人としては久々に山や自分自身と向き合う時間を作れて達成感がありました。やはり頭と身体を整えることのできる自然との触れ合いの時間は必要ですね。
 
いろいろなアクティビティを通して、「普段やっていないことをやる」ということの大切さも改めて感じましたね。
 
―2日目の沢登りも自然と触れ合う、普段やっていないアクティビティでしたね。

さいわい小雨だったので、予定通り実施できました。みんなで滝に打たれながら沢を登るのですが、それほど難易度の高いものではないので、コンパクトに自然と触れ合えて良い体験でしたね。こちらは体力的にも負荷が少なく、カジュアルに楽しみやすかった印象です。

 
―焚き火やBBQなど、夜の時間はいかがでしたか。

機材や設備が充実していて、非常にストレスフリーだったことが印象的です。Island and officeには個人キャンプではなかなか使えないような豪華なセットが準備されているので、アウトドア領域でのリッチな体験を楽しめるのもひとつの魅力かもしれません。参加したメンバーみんな感動してましたよ。「全部スノーピークのアイテムだ!」って。

参考:Island and office、スノーピークビジネスソリューションズと業務提携 〜会員企業向けに、チームビルディング研修やキャンプ体験を提供〜

道具は揃っている一方で、ホテルのように待っていれば全部出てくるわけじゃない。火を起こしたりお肉を焼いたりと、みんなで手を動かしながら体験をつくっていく必要がありました。快適だけど豪華でも完璧でもない所が、ベンチャー企業のオフサイトに適した場だな、と思いました。

八丈島でそろえた気持ちを土台に来期へ

 ―1泊2日のオフサイトを経て、どのような実りを感じますか。

事業推進の前提となる「土台」の認識を参加メンバー間でそろえられたことですね。詳細な話はオフィスでも詰めていけるので、方向性や大方針ここで確認し合えて良かったです。

アルプが来期注力したいこととして、組織化が挙げられます。チームとしての役割分担や覚悟を全員が持ち、まとめていく意識をそろえていくことが今後のアルプの成長の鍵を握ります。今回のオフサイトは、参加したメンバーにとっても、組織化に向けた意気込みをそろえる良い機会にできました。
 
―最後に、今後Island and officeを利用するベンチャー企業に対し、メッセージをお願いします。
 
その企業のカルチャーにもよると思いますが、私は「このチームでまた来たいね」と思える時間をつくることが、オフサイトにおいて大切だと考えています。ですから、議論する内容を絞り、本来話すべきことだけに集中して向き合って、残りの時間はここでしか体験できないことに使うのがおすすめです。本質的な議論とアクティビティなどを通じたチームビルディングを一気に両立できるのがIsland and officeの価値です。トレードオフじゃなく、トレードオンできる環境がそこにあります。 

ちなみに、滞在時間は長ければ長いほど充実したものになります。私たちは1泊2日でしたが、今後利用する方には『2泊のほうがいいよ』と伝えたいですね。より余裕を持って議論も環境も楽しめると思います。もしも1泊にするとしても、早朝到着して翌日の晩に出発するような、滞在時間の長い旅程を組むと良いと思います。

(執筆:宿木屋、聞き手:宿木雪樹)



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