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宇宙飛行士と文系と理系。日本の教育の分かれ道について考えてみる。

少し前の話ですが、NHKの番組で「選ばれるのは誰だ?密着!宇宙飛行士選抜試験」という番組を見ました。実は、直接の知り合いではないのですが、この番組で取り上げたJAXAの宇宙飛行士選抜試験に参加している人がいるので興味を持って見たのです。

残念ながら、その人は番組で取り上げられることはなかったのですが、4000人以上の一般応募者が宇宙飛行士に憧れて数々の難関試験に挑んでいく姿はとても面白かったです。試験の一つ一つも、座学だけではなく、運動能力、コミュニケーション能力など宇宙空間での作業やチームワークに求められるものを検証するためによく考えられた試験だと思いました。

この番組で取り上げられた人の中には文系出身の人もいました。宇宙飛行士というと、ついつい理系出身なのかな、と思いがちですが、JAXAの門戸は広いということなのでしょう。実際、13年ぶりに応募要項から理系大卒の条件がなくなったようです。過去にはTBS出身の秋山豊寛さんがソビエトから文系宇宙飛行士として宇宙に行きましたね。

この文系、理系という考え方。実は日本独特の人生の選択肢のようです。現在通っている大学院の授業内で文系理系についての議論がありました。日本では高校入学をして、大学進学を決める前に文系の道に進むか、理系の道に進むか、大きな選択を迫られます。もっとも、高校生にとっては数学が苦手だから、物理が苦手だから、文系を選択する。逆に歴史や古文が苦手だから理系を選択する、といった目の前の得手不得手で選択してしまうことが多いかもしれません。

しかし、このタイミングでの文系・理系の選択が後々大きな決断となってしまうことを、教えてくれた教師はいなかったように思います。日本社会では文系から理系に転向すること、またその逆についても軌道修正には相当な努力が必要に思います。

一方、海外に目を向けると日本のような文理選択のタイミングはあっても、相互の行き来についてはかなり自由であり、大学に入ってからも転向することはいくらでもできるようです。(不確かな情報かもしれませんが)
また職業選択においても、文理の差別は低いようで、日本のようにそもそも就職の要件として書かれることはないそうです。

日本の高校、大学を出て、日本企業に就職をすることを前提とする人なら、高校の文理選択について、もっと先のキャリアを見据えたアドバイスを教師や親など周りの大人がアドバイスできる環境が必要ですね。

もちろん、そんな日本に留まっていないで世界に羽ばたく若い人たちがもっともっと増える方が良いに決まってますが。JAXAの宇宙飛行士選抜試験にもっと多くの文系出身の飛行士が選ばれたら、それも明るい兆しになると思いました。

それではまた。

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