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持て余す午後
待ち時間についついスマホを触ってしまう。
届ける荷物を待ちながらボーッとしてると気がつけばスマホを触っていた。なにをするわけでもなく画面をスクロールしている。
待っている場所が電波が入らないのでただの光板と化しているそれをただ無表情で触っているだけ。
なにしてんだか。
そう思っていてもつい触っていてしまう。
仕舞いにはこの日記を書いている始末だ。それはいい、いいことじゃないか。
人間は暇に弱い生き物だ。日々あくせく働いているのも暇を得るためだというのに。その実、暇を手に入れた瞬間、その暇を持て余してしまう。暇を求めているのに暇の使い方が分からないのだ。暇になったらアレをしよう、コレをしようと思うことはあるだろう。けど、思った瞬間にソレは思考の彼方へ流れていってしまう。ソレが出たときにしっかりと掬い上げなければ一瞬で何処かへ行ってしまう。
あぁ、無常、無常。
持て余して無自覚にスマホを触っているぐらいならスマホを置いてみるのもいいだろう。頭を空っぽにしてただ目の前の光景に目をやるだけでもいいじゃないか。そうしているうちにまた、ポッと小さな明かりが頭の中に灯るだろう。
それをそっと手にとり、物思いにふけるのも素敵な時間の使い方じゃないか。
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