3ヶ月ぶりにシャバに出たら想像以上に衰えていた話
暑い。
たしか家にこもる前は、冬だったはずだ。雪が降ったこともあったから間違いない。その証拠に、久しぶりにリュックを引っ張り出してきたら、サイドポケットに厚手の手袋が入っていた。
それがどうだろう、この蒸し蒸しとした湿気と刺すような日差し。知らぬ間に季節はすっかり夏になっていた。
在宅が始まったのが2月末。それ以降ほとんど会社には出勤していなかった。正確に言えば、緊急事態宣言が出る前に2回ほど外出はしたものの、それも極めて短時間だったし、それですらもう2ヶ月半も前のことだ。
実に3ヶ月以上も家にいることになるなんて、想像もしなかった。ただ、基本私は在宅勤務推奨派だ。無駄な移動時間がゼロになったし、家族との時間も増えた。環境も良くなってるらしい。ウイルス以外は、ほとんどいいことしかない。
そんな中、きょう本当に久しぶりに仕事で外出することになり、思った以上に感じることが多かったので、ここに記しておく。
出かける準備って大変…
これまで出かけると言っても近所でしかなかったので、ほとんど手ぶらでよかった。身だしなみもテキトーでよい。
それが仕事ともなると、さすがに短パンにサンダルじゃまずいし、何より持ち物の準備だけで意外と手間がかかる。
毎日こんなに準備に時間かけていたのかとしばし愕然としてしまった。当たり前のようにやっていたけど、けっこう貴重な時間を割いていたのだなと。化粧しないだけまだマシかもしれないが…。
忘れ物しまくる
それだけ準備したにもかかわらず、毎日出勤していた頃のルーティンを完全に忘れてしまっている。あまりにも久しぶりすぎて、マスク忘れただの社員証忘れただので3回くらい玄関を出たり入ったりしてしまった。
それだけならまだよかったのだが、目的地近くの駅まで着いて、はたと気づく。打ち合わせに必要な肝心の資料がない…。
きのう紙袋にまとめて準備していたのをキレイに家に忘れてきてしまった。
ダメだ。
忘れ物はかなり少ない方だったはずなのだが、どうやら色々なものが鈍ってしまっているらしい。完全に自分のせいでしかないのだが、家にいれば忘れ物なんてもの自体が存在しない。
すっかり油断していたが、これはちょっと盲点だった。
カバンって重い…
毎日こんな物を背負って歩いていたなんて頭おかしいんじゃないかと思うほどに、カバンが重い。ノートPCも昔に比べれば軽くなったよなぁなんて思っていたが、いや重い。
たしかにカメラも入っているし、普段からちょっとリュック重い方だなと思ってはいたが、これはもはや亀仙流の修行かと思うほどに、とにかく重い。
PCやカメラだけではなく、財布、本、電源類、その他小物などなど、意外と色々な物を持ち歩いていたんだなぁと実感する。そりゃあ移動するだけで運動になっていたわけだ。
何だかフワフワしている
そもそもまず、普通に街を歩く感覚からして忘れてしまっている。歩くのってこんな感じでよかったんだっけ。電車乗ってるときってどんな顔してればいいんだっけ。会社のイスってこんな座り心地だったっけ。
何だか終始ソワソワして落ち着かない。例えるなら、ちょうど何日か入院して、久しぶりに外に出て歩くときの感覚に似ている。
これはもういきなりは元に戻れないんだろうなという感覚。ある程度のリハビリテーションが必要なのかもしれない。
マスクうざい
私は花粉症とインフルエンザ対策で、冬場から春にかけては元々マスクを常用していたのだが、夏場のマスクはとにかく蒸れる。汗かきな上にヒゲ生やしてるのが良くないのだろうか。もはや苦行に近いレベルの身体的負荷だ。
しかも、全員マスクでの会話はお世辞にも聞きやすいとは言えない。リモートの方がむしろ聞き取りやすいんじゃないだろうか。自分は特に声が通りづらいので、相手にとってはもっと聞き取りづらいはずだ申し訳ない。
結論。
出かける前から思っていたことだが、出かけてますます思う。やっぱりもうリモートで仕事できる人は、基本リモートでいいんじゃないだろうか。
移動の時間はなんだかんだ言って無駄が多い。打ち合わせも、本当に必要なときだけ会えばいい。3密にビクビクしながら電車に乗る必要もない。
移動というものにかかるエネルギーを何か別の仕事に転化した方が、誰にとっても良いのではないだろうか。各人の体力やストレス負荷だけではない。環境負荷だって大きく減らせることは、火を見るより明らかだ。
まさにエネルギー保存の法則。
物理的なエネルギーだけではない。コストだっていっしょだ。仕事中の移動にかかるコストや、オフィスなどの不動産や賃料を削減し、その分を在宅の光熱費や通信費に充当すればいい。企業にとっては、それでも十分お釣りがくるだろう。さしずめ「在宅手当て」と言ったところか。
もちろん会社ごとに勤務時間の問題や、評価の問題などもあるだろうし、どうしても出社しなければできない仕事もたくさんある。とはいえ、出社と在宅がハイブリッドになるとするならば、「労働を時間で管理する」という概念自体が、もはや成立しない時代なのかもしれない。
「やっぱり打ち合わせは膝を突き合わせなきゃ」という人も多い。その気持ちもわからなくはないが、それは「レコードってやっぱりいいよね」という感覚に近い、ある種の「ノスタルジー的な何か」なのかもしれない。個人的には、テクノロジーに頼れる所はドンドン頼ってしまえばいいんじゃないかと思っている。もちろん、会った方がいいこともたくさんあるのだけど。
…ま、そんな話はさておき。
なんやかんや用事を済ませて家に帰ってきて、はたと気づく。前からカバンに入っていて、きょう会社に置いてこようと思った重めの冊子が、変わらぬ姿でいらっしゃる。
もうイヤw!
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そういえば、発売してからもうすぐでちょうど一年になります。よかったらぜひ。↓
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