【10分師匠】「狂狷の徒たれ」〜白川静〜
どうも、伊志嶺海です。
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さて、今回の師匠は白川静さん。
白川さんは立命館大学で教授をされていた方で、主に漢文の研究をされていました。今回も孔子の「論語」をテーマに非常に学び深いお話を読ませて頂きました。
白川さんのお話を読んで、話す力と聞く力、自信と謙虚さ、気さくと丁寧など、対照的なものについてどちらかに偏るのでは無く、その両方を兼ね備えることこそ大事だと感じました。まさに今回のタイトルである「狂狷の徒たれ」ということです。
今日のお話の結論としては以下です。
人間は中庸であることが1番いいが、人はどんな事柄に対しても必ず好き嫌いや合う合わないがありますよね。なので完全に中立という人は存在しません。
では次に良しとされるのはどんな人かというと、狂(成長)と狷(頑固)の両方を持った人といいます。
狂は成長であり、新しいものを進んで受け入れていくというスタンスで、狷は頑固さであり、自分の信念や大切にしている価値観を貫くということです。
狂を鍛えていくためには1つの枠におさまらず、新しいものにどんどん触れていく事が大事だと語っています。孔子は「自分は芸に遊ぶ」と言ったそうですが、この芸は学問のことで古代中国で士分以上の人が必要とされていた6つの教養、礼(道徳教育)、楽(音楽)、射(弓術)、御(馬車を操る技術)、書(文学)、数(算数)を満遍なく高めていたとのこと。
昔から1つの知識や技能だけでなく、幅広く学んで成長していくことが重要だったわけですね。このようなマルチスキルを持った人材は、令和となった今でもまさに重宝されると思います。
そして狷については、一億円を積まれても自分が嫌だと思うことや性に合わないことは断じて断ることができる自分軸を持っているかが大事です。しかし今は、お金を見せると私含め大抵の人が尻尾振ってしまいますよね。それではいかんということです。
この狂狷を育てていくためには、漢文を読むことが非常にいいそうです。最近は西洋の文学が人気ですが、西洋文学は若者の文学が多いとのこと。対して漢文は、人生を渡り歩いてきた老成人が、積み重ねた色々な体験や、数々の成功と失敗を繰り返し、失意のうちに詩文を書いているのだと。
失意のときこそが、人生において本当に大事なものが見えてくると仰っています。だからそのような内容がまとめられている漢文は、大人になるために非常にいいと。
しかし昨今では古文漢文不要説といって、国語から無くそうという声もありますよね。白川さんにしてみれば、むしろ大人になる高校生にこそ漢文を読ませるべきだということです。
私は学生時代も特に漢文に興味を持つことはなかったのですが、大人になった今、そして今回白川さんのお話を読んでみて、漢文を読んでみようかなと思いました。
あsの渋沢栄一先生も「論語と算盤」といって漢文を非常に重んじておりますし、今後の人生において大切なことが凝縮されているのではないかと感じました。
また、1つのスキルだけに拘らずいろんなものに挑戦をし、孔子のようにマルチな才能を伸ばしていけるようにこれからも研鑽していきたいと思います。勉強や学ぶではなく、芸に遊びたいですね。
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