青いあとさき

狭い路地から向かってる場所に
今まさに日が注ごうとしてた
或いは透き通った空気が
注ぎ込まれようとしていた
細かい模様を縫って歩く
人気のないこんな時間に
待ち侘びたものばかりが
とても速く遠く後ろへ

夏の思い出なんて要らないよ
私は今ここで感じてる鼓動だけ惜しい

朝の静けさなんて嫌いだよ
いつでも喧騒に揉まれてる世界に居たい

涙も夢も現実の息も
喜びも悲しみもドアの音も
くれたものなら全部大事に
していることを笑わないでね

明日、何にも覚えていなくても
私が今ここでこうした世界が続け

伸びた前髪を切り揃えていく
鋏にいつだって込もった気持ちだけ残る

空を伸びていく大きな色を
涙で滲ませて吸い込む人よ
地を高く積んで作った国を
体の向こうまで纏い立つ人よ
瞳よ 唇よ
どうかもう少しここに居て

朝の来るまでだけでもどうにか
意味のない言葉で貴方と繋がっていたい

数も形も超えてしまいたい
どうにか私が生きている意味を作って

明日、何にも覚えてなくても
貴方が遠くで息をしてることだけでいい

夏の思い出なんて要らないよ
私は今ここで生きている貴方が愛しい

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