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ミツバチとふれあえるキャンプ場を目指して(前編)

はじめまして。ふれあいの里の小野です。
10月から食堂に勤務しているNEW FACEです。通称「なっちゃん」です。

入社したばかりですが、今回のNOTE記事を担当させていただけたので、
私のことを紹介したいと思います。

まず、私、「小野」という人間の基本情報について。

26歳、女性、納豆や水戸黄門で有名な”茨城県”出身です。

養蜂家です。
まだミツバチは飼っていないので、正確には、養蜂家になる予定です。

大学を卒業後、養蜂を学びたくて、単身、愛媛県佐田岬半島に移住。
養蜂園で働きながら、4年間ミツバチの勉強をしていました。
そして、今年10月、”ただならぬご縁”があって、「石鎚ふれあいの里(当キャンプ場)」で働き始めました。

そんな私のミッションは「ミツバチとふれあえるキャンプ場作り」。

今回の記事では、そのミッションについて、語っていきます。

ですが、その前に、

 いきなり「養蜂家です」とか「養蜂をします」言われても、ピンとくる方も多くないと思いますので、
 まずは、「養蜂」「ミツバチ」「蜂蜜」、その素晴らしさについて皆さんにお伝えしていきます。


養蜂とは?養蜂家って何するの?

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 上の写真は、私の養蜂の師匠です。巣箱のフタを開けて、ミツバチの体調と子育ての進み具合をチェックしているところです。

 養蜂とは、ざっくり言うと「ミツバチのお世話をして、蜂蜜などの生産物を採ること」です。
 それを生業としている人を「養蜂家」と呼びます。
 養蜂家の中には、蜂蜜を採ること以外にも、農家さんに花粉交配用のミツバチを売ったり、貸し出したりして、農作物の受粉をお手伝いする方もいます。こちらも、人々の食卓を支える大事なお仕事です。

 養蜂家は、ミツバチが働いてくれないと、収入が得られません。

 なので、私の養蜂の師匠曰く、

「”養蜂家”ってな、”蜂を養う”と書いて”養蜂”やろ。けどな、ほんとは”蜂に養われる”と読んで”養蜂”なんで。」

 いくら人間が頑張ろうと、ミツバチが蜂蜜を集めて、イチゴやメロンの花を受粉して回ってくれないと、養蜂家は稼げません。

また、師匠曰く、

「ハチが働いてくれるおかげで、俺たち養蜂家は食っていけるんや。ミツバチに養われちょるのは俺らの方で。やけん(だから)、”世話してやってる”なんて思われんで。ミツバチを”お世話させてもらってる”くらいの気持ちでやらんといかん。」。

 養蜂家の仕事は「ミツバチが働きやすい環境を整えてあげること」です。
 ミツバチがストレスなく、機嫌よく働き、たくさん蜂蜜を集めてくれるようお手伝いをします。

とにかく、ミツバチファースト。ミツバチ最優先で仕事をします。

それが、「美味しい蜂蜜がたくさん採れる」といった成果につながります。

下の写真は、しぼりたての”生はちみつ”です。

金色の滝…!あたりには華やかな香りが漂います。

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ミツバチすごいよ!かわいいよ!

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養蜂に欠かせないのは、なんと言っても「ミツバチ」です。

皆さん、ミツバチってすごいんですよ。「たかが虫」と侮るなかれですよ。
すごいところがありすぎて、ここでは紹介しきれないので、特に、注目すべきポイントを3つご紹介します。

すごいところ①「植物の受粉を助ける」
皆さん「ミツバチ1匹が一日に何個の花を訪れているか」分かりますか?

20個くらい? 意外と、100個とか頑張ればいけるんじゃないの…?

…いえいえ、ミツバチの働きは、そんなもんじゃないです。

正解は、「3000」コ!です!
(ミツバチが集めてくる小さじ一杯のハチミツ | 伊豆の養蜂家 みつばちのーと (mitsubachi-note.jp)より)

想像できますか?
あの小さな体で、一日に3000個もの花を訪れ、花蜜や花粉を集めているのです。

なんて働き者で、なんて仕事熱心なのでしょう! 
「働きバチ」の名は、伊達じゃない!

もう、本当に健気!いじらしい!!

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上の写真は、私の「ミツバチフォルダー」の中でも、特にお気に入りの写真です。
前脚を使って、器用に触角を”くしくし”お手入れしているところです。

もう、ネコみたいで、可愛すぎませんか?

後脚に大きな「花粉だんご」を付けているのがお分かりいただけるでしょうか。
花から花粉を収穫する任務をこなし、巣に帰る途中の休憩中だったのでしょう。

そして、その任務の中で、植物たちの受粉を助けています。
ミツバチが蜜を集めようと花にもぐりこんだ際、”もふもふ”の身体に植物の花粉がくっ付き、他の花へ移った時に、受粉されるのです。

写真は、みかんの花に訪れたミツバチです。せっせとせわしなく蜜をなめて、花粉を集めて、すぐに次の花へと飛んでいきます。

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すごいところ②「ミツバチは”森を作る”虫」
一日に3000個もの花を訪れるミツバチ。
この小さな虫が、森の中でどんな役割を担っているか、ぜひ、想像してみてほしいです。

木が花を咲かせて、ミツバチが受粉をして、木が実をつけて。落ちた実が新芽を出して、育ち、木になる。そして、また花を咲かせて…。
という、森の”命のサイクル”に、この小さな虫たちがどれだけの貢献をしているか。

森があるおかげで、酸素が吸えるし。
森で作られた栄養が、海に行くことで、美味しいお魚や海草などの魚介類を食べられるし。
森が水を蓄えてくれるおかげで、年中飲み水に困らないし、水害や土砂災害も防いでくれている訳ですから…。

「我々人間は、森に、ひいては、ミツバチに生かされていると言っても、過言ではない。」
と、個人的には思っています。

「ミツバチは森を作る虫」という言葉は、大阪でニホンミツバチの保全活動をされている方から聞いて、ピシャーン!と私の中に雷が落ちたような、衝撃をくれた言葉です。

下の写真は、「ネズミモチ」という森の花に訪れているミツバチの写真です。
春に花を咲かせて、秋には紫色の実を付けます。

ちなみに「ネズミモチ」という名前の由来は、この実が、ネズミのフンににているからだそうです。

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すごいところ③「人類の食卓を支えている」

私が、「我々人間は、ミツバチに生かされていると言っても過言ではない」と思っている根拠がもう1つあります。

かの有名な科学者『アインシュタインの予言』と言われる言葉があります。
その内容は、
「もし、蜂が地球上からいなくなれば、人間は4年以上は生きられない。蜂がいなくなると、受粉ができなくなり、そして植物がいなくなり、
そして人間がいなくなる」

(ありがとうミツバチ: アインシュタインの予言 (https://arigatoumitsubachi.blogspot.com/2012/09/blog-post_9.html)より)

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ミツバチを始めとする授粉媒体昆虫なしでは、イチゴ、アーモンド、サクランボ、ブルーベリー、リンゴなど、多くの果物が実を付けられず、食べられません。
野菜に関しても、受粉をして実を付け、種を次世代へつなぐことができなければ、生産が途絶えてしまいます。

受粉を担う虫たちのいなくなった世界で食べられるのは、風で花粉を媒介する植物やイモ類だけ。
たとえば、トウモロコシ、小麦、お米、ジャガイモ、サツマイモなど…。

さびしい食卓ですよね。

そして、もちろん、美味しい蜂蜜も食べられない!
「美味しい蜂蜜依存症」の私にとっては、それだけでも致命的です。

もし、そんな世界になったら、食料をめぐる争いが絶えず、人類は次々と滅びていくんだろうな…と想像しちゃいます。

ミツバチって、私たち人類の豊かな暮らしに欠かせないのです。
ここまで知れば、「人間はミツバチに生かされている」という事実(言い切った!)に、納得される方も増えてくるのではないでしょうか。


すごいところ④ 「蜂蜜を作り出せる」

最初に「注目すべきポイント3つ紹介します」と言ったのですが、どうしても③までに収まり切れませんでした…。
それだけ、ミツバチと養蜂、蜂蜜の世界が、奥深く、素晴らしいということですね。

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さあ、なんと言っても、ミツバチのすごいところ、「蜂蜜を作り出せる」ことですよね。

上の写真は、ミツバチたちが巣に蜜を溜めているところです。
画面右側の六角形の巣房(穴)の中が、キラキラと光っているのがお分かりいただけるでしょうか。

これが、花から集めてきたばかりの花蜜で、「蜂蜜の素(もと)」となるものです。

実は、花から集めてきたばかりの花の蜜は、まだ蜂蜜ではありません。
蜂蜜は、ミツバチが花から集めてきた花蜜を、熟成させ、「糖度を高めて保存の効く状態にしたもの」を言います。

花の蜜は、最初、水分が多く「シャバシャバ」のジュースのような状態です。
それをミツバチたちが、羽で煽いだり、舌でグルグルかき回したりして、少しずつ水分を飛ばしていき、「とろり」とした蜂蜜に仕上げていくのです。

下の写真が、収穫できる状態になった蜂蜜の巣枠(すわく)です。
蜂蜜が”ぱんぱん”に詰まっていて、ずっしりとした重さになっています。

穴が白っぽいものでフタをされていますが、コレは「蜜蓋(みつぶた)」と呼びます。
蜂蜜が完熟になったサインです。ミツバチが「蜂蜜の糖度が高まり保存できる状態になった」と判断すると、蜜蝋(みつろう)でフタをします。
この蜜蓋の範囲を見て、収穫の時期を見極めます。

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ミツバチ、すごいですよね。
そのまま置いていたら、すぐ傷んでしまう花の蜜を、水分を飛ばすことによって「蜂蜜」という”保存食”へと加工しているのです。

そして、この蜂蜜もすごいんです。蜂蜜のすごさについても、ここで語ると長くなってしまうので、あえて触れませんが…。

蜂蜜のすごさについては、今後の記事ででも紹介出来たら、と思います。


最後に

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夢中になって、蜂蜜、養蜂、ミツバチの素晴らしさを紹介していたら、あまりに分量が多くなってしまいまして、私のミッション「ミツバチとふれあえるキャンプ場作り」まで、とても説明しきれなくなってしまいました。

なので、ミッションについては、次回以降の記事で紹介したいと思います。

今回の記事では、皆さんに「ミツバチの素晴らしさ」と、そのミツバチと共生する技術である「養蜂の奥深さ」を少しでも感じていただけたら、私としては満足です。

ちなみに、上の写真は、ミツバチの巣箱の入り口の写真です。

この、巣箱の入り口の様子も個人的にお気に入りなんです。

ミツバチたちがそれぞれ、外に飛び立とうとするところだったり、外の仕事から帰って来て巣に戻っていこうとしていたり、門番バチが帰ってきた働きバチの”身体チェック”をしていたり…。

この”もふもふ”の子たちが、”もこもこ”動き回っている様子を見ていると、癒されるんですよねぇ…。

と、ミツバチの魅力はとても語り切れませんが、今回はここまでに致します。

長く拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。

それでは、また次の記事でお会いしましょう!


〈参考文献・参考Webサイト〉
・ミツバチが集めてくる小さじ一杯のハチミツ | 伊豆の養蜂家 みつばちのーと (mitsubachi-note.jp) 2021/11/22閲覧

・ありがとうミツバチ: アインシュタインの予言 (https://arigatoumitsubachi.blogspot.com/2012/09/blog-post_9.html)2021/11/22閲覧

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