「トリキョリまつり」レポートvol.3 遊びの実験ーオンライン魔女と素材の使い方を考えようー【前半】
第2回の「トリキョリまつり」のmtgは、いろんな素材に触れて手を動かしながら遊びのアイデアを膨らませていく会です。
それにしても、タイトルにある『オンライン魔女』という、聞き慣れない単語ですね。
コロナ禍になってzoomなどの会議用アプリが一般的になりました。
対面で会うことができなくても、たくさんの素敵な大人に出会ってほしいという考えから、第2回目はイシザワの知人である素敵な「魔女」2人にお手伝いいただきました。
ひとりは、高校生を対象に芸術の奥深さや魅力を伝える魔女「あさみさん」。メモを取るのがクセです。もう1人は、大きな湖の近くでワークショップを考えるお仕事をしている魔女「鴨田かもめ」さん。みんなが考えた物語を集めるのが大好きな魔女です。
この不思議な2人とzoomが繋がった状態で活動がスタートしました。
はじめに、メンバーの7名に遊びを考える際の根っこになる部分について確認とお願いをしました。
「コロナウィルスが拡大したことで、人と人とが距離を取る必要が出てきてしまったよね。みんなの考えた遊びを体験しながら、人と人とがコミュニケーションを取ることを楽しんでほしいと思っています。だから、遊びの内容としては、相手を打ち負かすような勝負の遊びではない方がいいかな。」
勝負は遊びにとっての大切な要素なのですが、他者を打ち負かすこと以外にもたくさんの「勝負」の形があります。これは、事前に魔女たちと話し合って大切にしたいと考えたポイントです。
イシザワと魔女からの話が終わったら、さっそくたくさんの素材の中から気になる素材を探していきます。
なが〜い棒状のものを見つけたら、ポーズをとりたくなります!
これは、大人子ども性別関係なしだと思っています。
することが決まってなくても、素材の形や色、そして体の動きが組み合わせることで「何か」になっていく感じが試作の楽しさですね。
素材を物色していくうちに、気になる素材に焦点があっていきます。
この2人は、透明なホースとリボンがとても気に入ったようです。
「この組み合わせ、カワイイ!!」 と連呼。
「ホースに水を流せないかな〜」というアイデアに、「会場は室内だから水を流すのは難しいけど、もう少し太いサイズのホースだとビー玉が通るよ。」とイシザワがささやきました。2人はすぐさま実験!
しかし、太いホースは透明度が低くなってしまうこと、何よりも「カワイクナイ」というジャッジで不採用でした。透明ホースとリボン、この組み合わせを活かしたいという、素材へのこだわりが遊びの起点になっていきます。
素材と形の方向性が決まりつつある2人に、あさみさんがメモをチラチラ見せてくれました。
「はじっこ なにか つけてみる」
長いホースの形状を生かして何かぶら下げてみては?という提案でした。
(メモの文字が鏡文字なのは、あさみさんが意図して書いている。)
「あ〜!なるほど〜〜。それじゃ、何かぶらさげてみる??」
また、アイデアが膨らんでいきます。
このように、素材と出会い遊びを考えていくメンバーもいれば、前回考えたアイデアを着実に形にすべく、もくもくと手を動かすメンバーもいました。
「つり」の遊びを実践するためにダンボールを加工中。最初はハサミを使っていましたが、このあと段ボールカッターも使って作業を進めていきました。
生き物の裏面には「あたり」や「ハズレ」が書いてあって、釣ってみてのお楽しみだそう。釣竿も作らなくちゃということで、ちょうどいい角材を見つけたメンバー。しかし、角材の長さがちょっと長すぎました。
「これを切りたいのだけどどうしたらいい?」
とあさみさんに質問。
「え、でも切っちゃったら、距離取れなくない??」
「あ〜〜〜!!そっか!!!」
隣にいたイシザワも一緒に「そういえばそうだった!」とびっくり。釣りの遊びを作ることに集中しすぎて「距離を取ること」が抜けてしまっていました。危ない危ない。
今回は「キョリを取ることを楽しむ」という目的があるので、遊びは「なんでもOK」ではありません。いろんな条件を揃える必要があるため、とても頭を使います。こうして気づいたことを教えあいながら、進めていくことが大切ですね。
その後、あさみさんからアドバイスをもらって、なが〜〜い釣竿を制作。小さい子も持ちやすいようにと持ち手部分を書いてくれました。
オンライン魔女とのやりとり、前半はここまで!
次々と沸いてくるメンバーの発想と、それを受け止める魔女とのやりとりが魅力的で一度にレポートしきれませんでした。
後半でも魅力的な遊びが生まれる様子をご紹介します。
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