クルマのDXの話|デラックスの方ね!|懐かしのDXを調べてみた
みなさんDXご存じですか?今DXが結構話題ですよね。
DXといえば「デジタルトランスフォーメーション」を連想されるのではないでしょうか。とても新しい言葉でデジタルデータにより革命を起こすような先進的なイメージがありますね!
さて、今日はクルマのDXについてです。しかし、今日はその「デジタルトランスフォーメーション」のことではありません。
昔からあるもう一つのDX。「デラックス」のことです!!
今でこそ、DXはデジタルトランスフォーメーションですが、昔はDXといえばデラックスのことなのでした。
今日はこのDXについて、書いてみたいと思います。
デラックスとは高級・豪華という意味なんだけどクルマでは不思議な存在
デラックスの意味は高級感あふれる言葉です。最近のクルマにはあまりつかないけれど、昔のクルマにはよく「〇〇デラックス」とか、クルマの型番で「〇〇DX」とよくついていました。クルマのグレードを表したりしていたのです。
さぞや高級グレードかと思いきや、クルマではそうでもないのです。少し不思議な現象があります。
現代にも残るDXカーを見てみよう
DXと付くクルマは数こそ少ないですが、いくつかまだ生き残ってみます。実際に見ると不思議な現象をみることができるかもしれません。
日産とトヨタに1車種づつ見つけたのでちょっと見てみます。
DXグレードのある日産車:キャラバン
日産では、バンやワゴンでDXエディションがあります。上記がそうです。ラグジュアリー(らしいです。)さてキャラバンについてほかのグレードをみてみましょう。
はい、こちらがEXグレードのEXバンです。
さらにもう一つグレードもあります。GXグレードです。
さて3つのうちどれが一番高級でしょうか。なんとなくあれれ??DXが一番貧相?なんて思ってませんか?
もしかしたら、たまたまかもしれません。実はTOYOTA車もDXのグレードが残っているクルマがあるので見てみましょう。
DXグレードのあるトヨタ車:ハイエース
トヨタも偶然かわざとか、バンで有名なハイエースでDXのグレードがあります。それぞれみてみましょう。以下がDXグレードのトヨタハイエースです。
そして、他にもグレードがありました。スーパーGLです。
ハイエースはどちらの方が高級感があるように見えますか?
えっと、なんかやっぱりハイエースもDXの方が貧相にみえますかね?
DX「デラックス」は一番低いグレードにつけられている|ではなぜ??
みなさんの感じた通りです。
日産キャラバンの場合、高級順に並べるとGX>EX>DXの順です。
そしてトヨタハイエースの場合は、スーパーGL > DXとなっています。
つまり、一番低いグレードがDXなのです。高級・豪華なのに最低グレードってなんで?と思いませんか?
実はコレ理由があるのです。
それはクルマの歴史を紐解くとヒントが出てくるので見てみましょう。
トヨタの歴史で振り返るDXの誕生
実は、トヨタのカーラインナップに見るDXの誕生に秘密がありそうです。トヨタのクルマの歴史を軽く見て、DXがどこかで登場してきます。
1955年、トヨタ初のセダンタイプのクルマ「クラウン」を発売
1955年あたりに初代クラウンが発売されました。トヨタ自動車としては初の乗用タイプの車がクラウンだったのです。当時のクルマはお金持ちの道楽と考えられていました。今でいうプレジャーボートのような存在でしょうか。現代以上に高級品であり、お金持ちしか持つことができないものでした。
だからこそ、みんなラグジュアリーなクルマにあこがれていました。
ただ、当時の価格で101万円くらいしたそうです。当時の大卒初任給が9000円くらいですから、現代を20万としてみれば、2000万円相当のクルマと言うことができるでしょう。今のベンツSクラス並みという、相当ぜいたくなクルマだったようです。
1957年、初代コロナ発売|庶民にも手が届くように
しかし、いくら憧れとは言え、クラウンは庶民には高すぎて手がでだせません。そこで登場したのが初代クラウン発売の2年後の1957年、世に出てきたのがコロナです。大衆車として世にでました。(まだカローラはいません)
当時は販売価格が65万円くらいだったそうです。大分庶民に手が届くような価格帯に落ちてきました。とはいえ、当時の大卒新任が1万円くらいですから、現代が20万円と仮定すると1200万円くらいのクルマに相当するのでしょうね。
これでもまだまだ高級車ですね。でも頑張れば買えるかもしれないクルマになって至ったのです。
余談ですが、のちにコロナとクラウンの中間のクルマが発売されます。
その名もコロナマークⅡです。
少し前まで、クラウンに次ぐクルマとしてマークⅡという車があったと思いますが、マークⅡのもとは、コロナだったのですね。
1961年、真の大衆車パブリカ登場
そして、本当に庶民が手が届くクルマとして登場したのがパブリカです。1961年のことでした。当時の価格は約39万円です。大卒初任給が1万5千円時代なので現代に換算するとクルマの値段は520万円くらいでしょうか。ちょっと高い気がしますが、一般庶民でもがんばれば本当に手が届く価格になりました。
パブリカの語源ですが、PABLIC(パブリック)+ CAR(カー)からできた造語のようです。(てっきり野菜のパプリカを意識していると思いましたが違いました。)
ただこのパブリカには難点がありました。いくら大衆車とはいえ、内装やその他装備がチープすぎたのです。庶民の手が届くとは言え、あまりにも内装がチープだったので売れ行きはイマイチだったようです。クルマとはやはり富裕層をイメージさせるものであり、憧れの存在なのです。安いことは一般庶民には良いことですが、最低限の高級感は必要だったようです。
安っぽいのにも限度がということでしょうか|パブリカの内装
1963年、パブリカデラックスが登場👈はい!ようやくキター!!
あまりにも安っぽすぎることから、パブリカをもっと高級にしたもの「パブリカ・デラックス」が登場しました。リクライニングシート、ラジオ、ヒーターなどを装備し、クロームメッキ、モール、大型バンパーなど、今考えれば普通のものですが、それらを付けて発売しました。その結果ようやく売れ行きは上向きになったようです。
確かに初代パブリカと比べると、高級感が全然違います。
このように、一番最下級グレードを豪華にしたという位置づけでデラックスグレードがはじまったのでした。
まとめ:クルマのDX(デラックス)グレードは最下級グレードをより豪華に見せるためにつけのが始まり
トヨタ大衆車のパブリカが最低クラスのクルマであったが、それを豪華にした(クラスは超えない程度に)をしたのが始まりのようでした。
なので、今でも一番低いグレードにつけられているようですね。
飛行機で言えば、エコノミークラスの中でも、ちょっと広いエコノミー座席のようなものでしょうかね。
「マツコ・デラックス」さんも、最初はマツコでしたが、ちょっとだけ豪華にしたいということで、デラックスを付けたのだとか。クルマのデラックスを意識したのかはちょっとわかりません。
他にも子供ころ不思議に思ってたのです。当時の男子の人気のおもちゃは「超合金ロボット」などあり、ぼくは好きでした。決まってDX(デラックス)シリーズというのがあったものの、デラックスという割に、高級ではなかった(むしろ安い部類)でしたのでいつも変だなと思ってました。
今やっと、理由がわかったような気がします。
#3行日記 : クルマの記事も楽しいね
せっかくクルママイスター検定の2級まで合格したので、アウトプットもしてみなきゃと思い、記事を書いてみました。クルマのことを書くのは楽しいですね。今後も何か発見したら書いていきたいと思います。
本日も最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
この記事が参加している募集
最後まで読んでいただきありがとうございます🙇♂️ 記事が気に入られましたらサポートをよろしくお願いします。 いただいたサポートはnoteクリエーターとしての活動費に使わせていただきます!