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「論語」がわかれば日本がわかる

こんにちは、絶賛ダイエット停滞期真っ只中のいしやんです。
今日は、真面目に本の紹介をしていきます。
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私が以前、友人におすすめの本を聞かれた際に、渋沢栄一の「論語と算盤」を紹介したことがあります。
「論語と算盤」は今から100年以上前の大正時代に発刊されて以来、現在も広く読まれていますが、「現代人にとっては読みにくい文体」や「現在に焦点が当たっていない」などの点から、正直読みにくいです。
そこで、私が今回おすすめするのは、そんな「論語と算盤」の現代語訳を書かれています、守谷淳氏の2019年に出版された
「『論語』がわかれば日本がわかる」(ちくま新書)
という本です。

『論語』がわかれば日本がわかる

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私は理系の出身なので、詳しい歴史には縁がありません。なので、「論語と算盤」を読んだ際にも、渋沢栄一の価値観や教えはわかっても、歴史的背景がわからず、どれだけ優れた偉業を成し遂げたのか、半分もわかっていないかもしれません。
しかし、私のような若者や、どんな背景を持っている方でも、日本に住んでいる方なら
「今、日本が抱える潜在的な諸問題」についてはご自身で感じる部分は多いと思います。
そんな諸問題を「論語」をバイブルとして来た日本社会の過去と今を実際に著者がインタビューをしたり、時代背景から分かりやすく説明しているのがこの本です。
後半では、著者が現代語訳もされた、「論語と算盤」や渋沢栄一という男についても触れています。

例えば、論語的日本社会の問題点として、筆者は次のように上げています。

日本人らしさ」を作る価値観
ここで改めて、今まで出てきた価値観をもう一回振り返ってみましょう。
(1)年齢や年次による上下や序列のある関係や組織を当たり前だと思う
(2)生まれつきの能力に差はない、努力やそれを支える精神力で差はつく
(3)性善説で人や物事を考える
(4)秩序やルールは自分たちで作るものというより、上から与えられるもの
(5)社長らしさ、課長らしさ、学生らしさ、先生らしさ、裁判官らしさなど、与えられた役割に即した「らしさ」や「分(役割分担と責任)」を果たすのが何よりいいこと
(6)ホンネとタテマエを使い分けるのを当たり前と思う
(7)理想の組織を「家族」との類推で考えやすい
(8)組織や集団内で、下の立場の「義務」や「努力」が強調されやすい
(9)教育の基本は「人格教育」

さらに、ここにもう一つ加えられるものがあります。
(10)男尊女卑
[原文まま]

これら10個の「日本人らしい」価値観は、論語的考えから来ていて、今では日本人の無意識な価値観とも言えるでしょう。個人的には、日本人が固執しすぎている価値観だと思っています。しかし、濃淡の違いはあれど、こうした共通認識が根底にあることで秩序が守られている側面もあるので難しいですね。

これを教えるのが、日本教育の場であり、この価値観を持てない人は「変わり者」と揶揄されます。

さて、「教育の持つ力」の強さを考えるために、少し脱線します。
(ここからは専門外なので、間違ったことを書くかもしれませんが・・・)
例えば、「領土問題」が挙げられます。私が小学生の頃は、歴史の教科書に「北方領土は日本の領土ですが、ロシアも領土と主張しています」という旨が記載されていました。実際のところ、真実は分かりません。
しかし、小学生に向けて「日本のもの」と刷り込まれている教育とも取れるような記載だと思います。このような教育は日本だけではありません。
韓国における「慰安婦問題」などもそうかもしれません。
簡単な話、価値観を刷り込ませて、人格教育することで、ある種、「正確な情報を遮断させる」ことが目的で、そうした人間を作り出すことができるのが「教育」の持つ力だと思います。

また、こうした教育を経ることで、ある程度共通認識を持った集団を形成させることが容易になります。それが、「日本人らしい価値観」を持った会社や組織が蔓延っている理由です

教育というものは、急に切り替わることができません。社会にはどの年齢の人もいるので、年齢の違う人によって教育が大きく異なると組織崩壊を招く恐れがあるからです。疑問を持つ若者が多くなりながらも、この矛盾を早急に解決できないため、順応できない人間を多く生み出しているのではないでしょうか。

こと、「学校教育」だけでなく、我々の家庭内での「教育」でも親の影響を多く受けると思いますし、いろんな側面から考えても、「教育」とは何か、考えさせられる本でした。


「若者や次の世代が受け継ぐもの」は、私たち大人たちの写鏡となること。
そして、日常的に私たちの些細な姿も、見られていること。

大人としてこれまで形成されて来た社会に順応しながら、子供たちの道標になることはとても困難な気もしますが、それが出来る大人に私はなりたい。

いしやん


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