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ISHIYA私観ジャパニーズ・ハードコア30年史外伝〜「失った右手が掴んだもの」マサミ伝第2章〜#3 映画出演とTHE TRASHデビュー

「#3 映画出演とTHE TRASHデビュー」

 それまでハードコアパンク界隈では、知らぬ者がいなかったマサミとトラッシュ連だったが、ようやくTHE TRASHとしてバンドデビューすることとなった。
 83年デビューとなるので、結成から2年が経ちようやくステージに上がることとなるのだが、普段からディスコやライブハウスのほかにも、自宅などに集まり飲んでいたりする遊び仲間で結成されたバンドだったために、楽器を演奏できる人間が皆無に等しかった。
 唯一コードを抑えられる人間がギターのジムだったのだが、デビュー時にはすでに2人目のギタリストであるジュンに変わっている。
 しかしジムがギターの頃のまだデビュー前であるが、バンドとしては形になっていたのだろう。1983年に作られた諸沢利彦監督作品の映画「無防備教室」に、THE TRASHとして出演をしていた。

 この作品は8mm映画の15分という短編映画で、出演にTHE TRASH・浅野ヒロノブ・足立貴枝・萱場忍・坂口一直・額田礼子・堀江愛・安田浩美・他となっているのだが、マサミやヒロシが出演した映画とはいったいどんな映画だったのだろうか?
 そこで監督である諸沢利彦氏に、当時のTHE TRASHや映画について話を聞いてみた。

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30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!