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反省だけなら猿でもできる 日テレの調査報告に思うこと【まとめ】

③からの続きです。

漫画家の芦原妃名子さんが自ら命を絶つに至ってしまった、ドラマ「セクシー田中さん」事件。その日テレの調査報告書の気になった部分を抜粋し思うところを3回にわけて記事にしてきました。

一通り終えて感じたことがあります。
それは「大事なことはたいてい最初と最後に書いてある」ということです。

まず「日本テレビ放送網株式会社 総務局広報部」が出したプレスリリースの文章。
ここには、

ドラマの制作に携わる関係者や視聴者の皆様を不安な気持ちにさせてしまったことについて、お詫び申し上げます。

プレスリリース

とあるだけで、肝心の芦原さんへのお詫びは報告書を通してもまったく存在しません。
いくらお詫びしてもしきれない、謝ってすむ問題ではないですが、それでも誠心誠意謝罪の言葉を述べるべきなのではないでしょうか。
何をどう言い繕おうとも、日本テレビの責任は疑いようがないのですから。

にもかかわらずそれをしないという事は、信じられないことに自分たちには落ち度がなかったと思っている(またはアピールしている)のでしょう。
事実、調査報告書の中身はだらだらと同じことを何回も繰り返し「自分たち(日テレ&脚本家)は悪くない」という言い訳に終始しているものでした。
③でも取り上げましたが、まさにそれを総括しているのが最後の部分です。

●今回のことを受けて
これで怖がっちゃいけない。安全にドラマを作る方法なんてない。それはみんな意見が違うし考え方 が違う。その中で人間の生き方みたいなものを提示していかなければいけない。意見の食い違いもケ ンカもいろんなことがあって、プロデューサーが代表して、こういうドラマを世に問うんだと原作 者、脚本家をまとめやっていかなきゃいけない。それを怖がっていたら面白いモノが出来なくなって しまう。そういう危険は今後もはらんでいるだろうけれども、だからこそ話し合ってコミュニケーシ ョンをとってやっていくしかない。
放送局としてはまず第一に社員を守ることが仕事。社員を守るために早く結論を出すとか、その原作 に係るトラブルの際に早く赤信号みたいなものをキャッチし、社員ができるだけクリエイティブに物 を作る環境を整えるのが会社の仕事。
・若手プロデューサーの起用については、(トラブルになりやすいというのは)正直言ってあるとは思う が、それを恐れていたら駄目。失敗しないと学ばないからこそ、失敗してもフォローが出来る体制を作 っていく方が大事。

PDF報告書 別紙3 元プロデューサー 9P

最初に読んだ時、いったい何が書かれているのだろうと言葉を失いました。
関係した人物なんてほんの一握りな上、一番古い記憶と言っても一年ちょっと前のことなのに、3ヶ月もかかった調査の総括が「これ」?
人の命を何だと思っているのか。

原作を貸していただく立場なのに原作者を「難しい人」呼ばわりし、そのくせさも脚本家がパワハラを受けて最終的には降板させられたと言わんばかりの印象操作の数々。

社内特別調査チームと聞いた時からまったく期待はしていませんでしたが、まさかここまで醜悪で、傲慢で、恥知らずな調査報告書を公表するとはさすがに思いませんでした。

日本テレビで働いている人たちに是非とも今回の事件に対してどう考えているのか聞いてみたいものです。

自分たちとは無関係の事件では被害者の家族にも平然と突撃するのに、いざ自分たちのこととなるとダンマリを決め込み、報道しない自由を発動する。
これで報道機関とは笑わせてくれます。

日テレとしてはこれでこの件は幕引きとするつもりなのでしょう。
誰一人として責任を取らず「今後気をつけようね」で終了。
どこまで腐っているのか。

いったいどんな顔をして『24時間テレビ』で「愛は地球を救う」と言うのでしょうね。
まともな人間なら出演もしないでしょうしスポンサーにもならないでしょう。良識が問われます。これからの発表が楽しみですね。
チャリティ番組だからという言い訳は通じません。寄付は他にいくらでも方法はあるのですから。
願わくはCMはすべてACジャパンになりますように。

昔、漫画『幽遊白書』で「 黒の章」という人間の陰の部分を収めた犯罪録が物語のキーアイテムとして登場したのを思い出しました。
間違いなく今回の事件も収録されることでしょう。

最後に、今回の脚本家と、ドラマの責任者であるにもかかわらず未だにお悔やみの言葉一つ出さないチーフプロデューサー、ならびにプロデューサーの関わる作品は今後一切観ないことをここに誓います。



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