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『ぼたん鍋』の名前の由来は花札?
「何で猪鍋のことを『ぼたん鍋』って言うんだろう?」
そんな会話が繰り広げられた晩飯時。
そこでキュピーンと閃きます。
「鹿鍋のことを『もみじ鍋』って言うよね。これは花札からきてるに違いない。ならば『ぼたん鍋』も花札からきてるのでは? 花札には牡丹も描かれてるし、猪鹿蝶だし。」
![](https://assets.st-note.com/img/1707727899729-27C7VIITzg.png)
なるほどそうかもしれないと共感を得られましたが、自分で言っときながらなんとなく引っかかるものがあったので食後に即Google先生起動。
あ、違った。
![](https://assets.st-note.com/img/1707727986904-NWeCnv6nkH.jpg)
猪とともに描かれていたのは”萩”でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1707728294790-h05bjU9Xe1.png)
牡丹は蝶ですよね。
公衆の面前で恥をかくところでした。
あぶないあぶない。
そして振出しに戻ります。
「何で猪鍋のことを『ぼたん鍋』って言うんだろう?」
調べたところ、大きく二つの説がありました。
まず一つ目、ことわざの「獅子に牡丹(ししにぼたん)」から。
「獅子に牡丹」とは、
堂々たる獅子の姿に、華麗な牡丹の花を配した図柄。取り合わせのよいもののたとえ。
なのですが、意味からではなく、
馬の桜肉に対して、イノシシを牡丹という。近世に流行した取り合わせの「獅子に牡丹」の「しし」を「猪(しし)」にとりなして、「牡丹」を猪肉の異名とした。
二つ目は、肉の形状から。
馬肉の「桜鍋」、シカ肉の「紅葉鍋」同様、植物に例えられた名称だが、肉が紫紅色でボタンの花に似ていることから、この名がついたらしい。
「ぼたん」という名の由来は、いのししの肉を煮こむと脂身がちぢれて、牡丹の花のようになるという説、また、いのししの肉を大皿に並べると、鮮やかな肉のいろどりが、牡丹の花のようだからという説がある。
ついでに『ぼたん鍋』の発祥は、
1908年(明治41年)ごろ、多紀郡篠山町に陸軍歩兵第70連隊が駐屯し、訓練時に捕獲したイノシシの肉をみそ汁に入れて食べたことや、料理旅館に持ち込んで、みそ仕立ての鍋物にしたことだといわれる。
意外と最近なんですね。
といっても、100年以上の歴史を誇りますが。
ちなみに『もみじ鍋』の名前の由来は花札説の他に、”百人一首から”説というのもありました。
猿丸太夫が詠んだ「奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋はかなしき」(『古今集』)に由来して「紅葉」と呼ばれたようで、禁忌の獣肉を植物に譬える江戸庶民の粋さが感じられる。
というわけで結論。
『ぼたん鍋』の名前の由来は花札からじゃなかった。
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