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いつかはこのようなことが起きると危惧していたことが実際に起こってしまいました

「漫画家・芦原妃名子さんが死亡」というニュース。
ここ数日、話題になっていた漫画家さんだったので衝撃的でした。

自ら命を絶ったと思われる要因は、ご自身の漫画『セクシー田中さん』の実写ドラマに関する一連の流れだと考えられます。

事の発端はドラマ版の脚本を担当した脚本家の投稿です。

『セクシー田中さん』今夜最終話放送です。
最後は脚本も書きたいという原作者たっての要望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しましたが、残念ながら急きょ協力という形で携わることとなりました。

https://www.instagram.com/p/C1ODOV0P9Xr/?utm_source=ig_embed&ig_rid=3ebfe36f-cb5c-4b12-ab1a-43694c6f81f6

『セクシー田中さん』最終回についてコメントやDMをたくさんいただきました。まず繰り返しになりますが、私が脚本を書いたのは1〜8話で、最終的に9・10話を書いたのは原作者です。誤解なきようお願いします。⁡
ひとりひとりにお返事できず恐縮ですが、今回の出来事はドラマ制作の在り方、脚本家の存在意義について深く考えさせられるものでした。この苦い経験を次へ生かし、これからもがんばっていかねばと自分に言い聞かせています。⁡
どうか、今後同じことが二度と繰り返されませんように。

https://www.instagram.com/p/C1YWojXv3wA/?utm_source=ig_embed&ig_rid=329c6f29-2f69-4af3-9a87-521e031fea70

脚本家の発言だけ聞くと、原作者のわがままで自分の仕事を侵害されたように思えます。
しかもわざわざ「誤解なきようお願いします。」と⁡悪意を感じられる一文を添えて。

これに対し原作者である芦原さんが経緯を説明されました。

ドラマ化にあたって事前に、数話のプロットや脚本をチェックしたという芦原氏。その結果に加え、同作は連載途中で未完の作品であったことから《ドラマ化するなら「必ず漫画に忠実に」。漫画に忠実でない場合はしっかりと加筆修正をさせていただく》《漫画が完結していない以上、ドラマなりの結末を設定しなければならないドラマオリジナルの終盤も、まだまだ未完の漫画のこれからに影響を及ぼさない様「原作者があらすじからセリフまで」用意する。原作者が用意したものは原則変更しないでいただきたいので、ドラマオリジナル部分については、原作者が用意したものを、そのまま脚本化していただける方を想定していただく必要や、場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある》を条件に、ドラマ化に合意したという。

https://jisin.jp/entertainment/entertainment-news/2287558/

上記の条件をもとに合意したのにも関わらず、毎回上がってくるプロットや脚本は原作を大きく改変されたものだったそうです。

さらに原作が連載中なので最終話付近(8~10話)はドラマオリジナル展開になるため、芦原さんがあらすじやセリフを用意するもことごとく無視。
漫画の執筆と同時進行ということもあり、押し問答を繰り返す時間もなく最終的にはご自身で9・10話の脚本を書かざるを得なくなりました。

疑問なのは一体誰が原作改変を指示したのかです。
脚本家のスタンドプレーだったのか監督からの要望だったのか。
人ひとりが亡くなっている以上、説明責任はあると思います。

芦原妃名子さんの訃報に接し、哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。2023年10月期の日曜ドラマ『セクシー田中さん』につきまして日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。本作品の制作にご尽力いただいた芦原さんには感謝しております。

日本テレビが発表したコメント

渦中の日本テレビが発表したコメントです。
何なんでしょうね、この白々しさは。
本当に感謝していたら綿密に事実確認をした上での発表になったはず。
このスピード感からすると監督や脚本家への聞き取り調査は行われていないんじゃないでしょうか。

自身が生み出した我が子同然の作品を勝手に改変される原作者の心痛はいかばかりか。
今に始まったことではありませんが、原作者がないがしろにされる風潮はいつまで続くのでしょう。

芦原妃名子先生のご冥福をお祈りいたします。

最後に、脚本家の言葉をお借りして締めとさせていただきます。

どうか、今後同じことが二度と繰り返されませんように。


【追記】
現在(1月29日時点)では見られないブログの全文をあげてくれているポストです。


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