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落語由来の言葉たち

落語とは、

噺の最後に「オチ」がつくのが特徴。歌舞伎など、ほかの伝統芸能と違い、落語は身振りと手振りのみで噺を進め、一人何役をも演じます。衣装や舞台装置などを極力使わず、演者の技巧と聴き手の想像力で噺の世界が広がっていく、とてもシンプルで身近な芸能です。

http://www.geikyo.com/beginner/what.html

古くは室町時代末期から安土桃山時代にまで遡ることができる言われています。

現在に至るまで長い間大衆を楽しませてきた落語。
日常会話に影響を与えないなんてことがあるでしょうか。いやない。
というわけで『落語由来の言葉たち』の始まりです。


開口一番(かいこういちばん)

口を開いてものを言いだすとすぐに。口を開くやいなや。

デジタル大辞泉

由来は、

落語由来の言葉で、寄席で最初に落語を披露する前座のことを「開口一番」と呼んでいました。
真打が登場するまで場を盛り上げる重要な役割で、落語家は「噺家(はなしか)」とも呼ばれ「喋って人の気持ちに響かせること」が仕事であったことから「話し出してすぐに」という意味で使われる様になりました。

https://chigai-hikaku.com/?p=40643#toc4


せこい

けちくさい。ずるい。料簡がみみっちい。

デジタル大辞泉

由来は、

せこいは「せこ+い」ではなく「せ+こい」で、「窮屈である」「狭い」を意味する「せし(狭し)」の肥大型形容詞と考えられる。
「こい」は「狭い」を「狭っこい」などと言うのと同じである。
古くは、役者や寄席芸人の間で「悪い」「下手である」、盗人仲間の隠語で「困難である」「苦しい」の意味でも、「せこい」は使われていた。
また、方言では「息苦しい」「つらい」「許しがたい」「忙しい」「間隔が狭い」など、さまざまな意味で使われているが、いずれも「度量が小さい」「余裕がない」など「狭い」の意味に通じる。

https://gogen-yurai.jp/sekoi/


色物(いろもの)

その業界や物事において、主要な位置にないもののこと。

デジタル大辞泉

由来は、

寄席で行なう演芸のうち、色どりとして上演されるもの。古くは、講談、義太夫などに対して、落語、人情話、漫才、曲芸、音曲、声色などをいったが、現在では落語、人情話は除かれている。色どり。

精選版 日本国語大辞典


トリ

いくつかある演目のうち最後を締めくくる人。また、その演目。

https://gogen-yurai.jp/tori-last/

由来は、

寄席の興行収入は、寄席の経営者側と芸人のギャラに分けられる。
そのギャラは、最後に出る主任格の真打が全て受け取り、芸人達に分けていた。
演者の最後を取る(真を打つ)ことや、ギャラを取るところから、最後に出演する人を「トリ」と呼ぶようになった。

https://gogen-yurai.jp/tori-last/


真打/真打ち(しんうち)

もっとも実力や人気のある人。

デジタル大辞泉

由来は、

真打ちの語源は諸説ありますが、昔の寄席の高座には、照明用に蝋燭が立っていて、寄席が終わると最後の出演者が蝋燭の芯を打つ(切って消すこと)ことをしたために「芯打ち」といわれ、縁起を担いで、字を「芯」から「真」に換え、「真打ち」となったといわれるのが一般的です。

http://www.geikyo.com/beginner


今回は以上です。
「開口一番」から始まり、「トリ」を「真打」がつとめる。
おさまりの良い内容になったのではないでしょうか。
お後がよろしいようで。

……え? 次の準備ができてない?
全然お後がよろしくないじゃないか!

そうなんです。
「お後がよろしいようで」は締めの言葉として使いがちですがそれは間違いで、「次の出演者の用意ができたようで」というのが本来の正しい使い方なのです。
もしも安易に「お後がよろしいようで」と書こうものなら間髪入れず次の文章を始めなければなりません。恐ろしい……。

でも語感がいいのでついつい使いたくなっちゃいますよね。
罪作りな言葉です。



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