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意外と知らないメディア型SEOとポータル型SEOの違い

こんにちは、アイオイクスの石戸です。

SEOは検索から自社のサイトにアクセスを集めるための施策ですが、その集め方には大きく分けて2種類の方法があります。

メディア型SEO(オウンドメディア・ブログ)
ポータル型SEO(ECサイト・ツアーサイト)

いずれもSEOには変わりありませんが、それぞれを比較すると意外に知らなかった違いが見えてきます。

一口にSEOといっても様々な目的や手段があるので、ぜひご自身の知識と照らし合わせてみてください。

メディア型SEO・ポータル型SEOとは

まずはそれぞれの特徴をざっくり見ていきましょう。

メディア型SEO

メディア型SEOとは、主にオウンドメディアやブログなどのメディアで実施するSEOのことです。

読み物としての記事やコラム作成を施策の中心とし、1つのキーワードに求められる情報を深く狭くまとめることで、ユーザーの「深く知りたい」というニーズを満たします。

SEOコンテンツと呼ばれるような記事は、主にメディア型SEOを実施する際に作られます。

Webサイトのページ数は数十から数百が一般的です。ページ数が多いサイトでは数千にもなることがありますが、珍しいパターンといえます。

メディア型SEOで狙うキーワードは多種多様で、主なものとしては「とは」「メリット・デメリット」「おすすめ」「比較」などが挙げられます。

ポータル型SEO

ポータル型SEOとは、主にECサイトやツアーサイト、求人サイトといった多くの情報を取り扱うサイトで実施するSEOのことです。

Amazonや楽天市場、トラベルコのようなサイトを思い浮かべてもらえればわかりやすいでしょう。

Webサイトの全体設計や設計に沿った実装、あるいは個別ページのテンプレート調整など、システム的な施策を中心とするのが特徴的です。

Webサイトのページ数は少なくとも千何百、多い場合は数万・数十万単位にもなるため、Googleのロボット(Bot)が適切にサイトを認識できるようにすることが重要となります。1ページの内容を濃くするというよりは、Webサイトの情報を整理するというイメージです。

ポータル型SEOで狙うキーワードは比較的幅が狭く、例としては「地域×〇〇」のように掛け合わせによる規則性を持ったものが挙げられます。

メディア型SEOとポータル型SEOの違い

ここからは以下の表に従って、要素別にメディア型SEOとポータル型SEOの違いを比較していきます。

※ここからは長くなるため、メディア型SEOを「メディア型」、ポータル型SEOを「ポータル型」と表記します。

サイトの規模・ページ数

メディア型では、個別の記事を一つ一つ作っていくことになるため、ページ数は数十から多くとも数百程度であり、サイトの規模はそこまで大きくありません。
(数百程度管理していると、気分的には大規模なサイトという印象はあります)

一方でポータル型では、商品の詳細ページやツアーの予約ページ、住宅の物件情報ページなどをシステムでページが大量に生成されるため、ページ数は数千~数百万規模になります。

ページ数が数万程度になると、十分大規模なサイトと言ってよいでしょう。

情報の扱い方

メディア型では、1つのキーワードに対して、ユーザーが「情報を深く知りたい」というニーズを持っているため、1つ1つのページのテキスト量は多く、内容は濃くなっていきます(個別具体的)。

一方のポータル型では、ユーザーは広く浅く情報を求めており、「複数の情報を比較したい」というニーズを持っています。サイト全体が網羅的な構成となり、情報量は多いのですが、商品やツアーの内容を扱う個別ページのテキスト量はそこまで多くなりません。

SEOに求められる成果

ポータル型では売上や商品の販売数、ツアーの予約数といった売上に直結する成果が求められるのに対し、メディア型ではお問い合わせ数やリード数(ホワイトペーパーのダウンロードなど)といった少し売上から離れた成果が求められるのが一般的です。

ポータルサイトでは、商品などの比較検討をしている顕在層にリーチするのが中心である一方、メディアサイトではラフに情報収集をしている潜在層にリーチするためです。

もちろん時と場合によりますが、メディアサイトでのSEOからの直接的な売上を求めても、うまくいかないケースが大半となります。まずは間接的な成果指標を追うことになるでしょう。

一般的なキーワードの型・検索でヒットするページ

メディア型では、狙う市場によって多種多様なキーワードを扱うことになります。

主に「〇〇 とは」「〇〇 メリット デメリット」「〇〇 おすすめ」のような、ユーザーが概要をさっと知りたい、あるいは深く掘り下げたいというニーズを持っているキーワードが中心です。
※〇〇には、概念や商品名が入る(マーケティング・青汁・カニ・扇風機)

そのようなキーワードに対し、概念や商品の特徴を深く掘り下げた1つの記事を作成し、その記事によって検索順位を獲得します。

※参考
日本では長文記事に代表されるテキストコンテンツが主流ですが、海外ではテキスト以外の画像や動画コンテンツも広く普及しています。

一方のポータル型では、主に商品サービスの一般名称や地域掛け合わせのキーワードを狙います。

一般名称 ・・・ 転職エージェント・SEOコンサルティング・扇風機
地域掛け合わせのキーワード ・・・ 「恵比寿 居酒屋」「横浜 賃貸」

特に地域掛け合わせのキーワードは国や都道府県、市区町村と細分化できるため、非常に多くのキーワードが存在します。

そのため、ページはシステムでの自動生成が中心となり、1つ1つのページを手打ちで作ることは非常に稀です。カテゴリーページや商品詳細ページが自動生成の対象となります。

(例えば、「渋谷 居酒屋」で調べると、食べログのランキングページがヒットする)

ユーザーの主なニーズ

上のキーワードの型によるものですが、一般的にメディア型では「情報をラフに集めたい」「一つの情報を掘り下げたい」というニーズを拾うことになります。

あくまでも情報収集がメインの目的であり、すぐに購買行動を起こすことは稀であるため、お問い合わせや資料のダウンロードなど、ライトなコンバージョンポイントを設けることが多いです。

一方で、ポータル型では、「今まさに比較検討したい」、あるいは「具体的な行動を起こしたい」というニーズを拾います。

そのため、Webサイトでは検索で訪れたページから、「カートの追加」「予約申し込み」などの具体的な購買行動に移れる導線を設けることになります。

ポータル型SEOで狙える市場は、競争が非常に激しい

ここまでメディア型・ポータル型SEOの比較を行ってきましたが、ポータル型SEOは実施するためのハードルが非常に高いです。

数多くのキーワードをほぼ同時に狙いに行く気概や施策が必要であり、非常に多額の費用がかかります。

また、顕在層向けのキーワードはほぼすべて市場が成熟しており、ゼロから参入するのは非常に難しくなっています。

例えば、アパレル・服関係のキーワードを狙おうとしても、楽天・Amazon・価格コム・ZOZOTOWNが検索結果の上位を埋めているケースがほとんどであり、参入ハードルは非常に高いです。

では、ニッチな商品ジャンルや、ニッチなエリアのキーワードをポータル型SEOで狙うのはどうでしょうか?

残念ながら、その場合でも既に楽天やAmazonが上位を取っているか、市場が小さくて費用対効果が見合わないことがほとんどです。
(狙う意味があるなら、もちろん狙います)

SEOに取り組んだことのない場合は、まずはメディア型SEOから

ポータル型SEOで狙えるキーワードはほぼすべてで競争が激化していますが、世の中では日々多くのキーワードが誕生し、検索されるようになっています。

例えば、仮想通貨やメタバースなど、新しい概念のキーワードは10年前にはなかったか、ほぼ検索されていなかったことでしょう。

もし、自社の属する業界で新しいトレンドが生まれつつあるなら、そのトレンドに関連するキーワードの検索結果を「記事コンテンツ」で抑えに行くことができます。

もしくは、「あまり市場では注目されていないが、自社の事業に深く関連しているキーワード」であれば、比較的少ないリソースで上位が狙えます。

これまでSEOに取り組んでこなかったのであれば、メディア型SEOで隙間を狙う戦略が有効です。

まとめ

お客様にご説明すると、興味を持っていただけるメディア型SEOとポータル型SEOの特徴や違いを解説しました。

SEOの情報を見て、「これは自社で試せるのか?」と疑問に思った際は、この記事に書かれている内容をもとに判断いただければと思います。

また、アイオイクスではSEOを軸としてデジタルマーケティングの支援サービスを提供しております。成果を出していきたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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