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BtoBの「今すぐ客」は、そこまで今すぐでもないのではという仮説

石戸(@idist_410)といいます。普段は、アイオイクスという会社で、マーケター兼コンサルタントを担当しています。

SEOや広告の施策を行う上で、「今すぐ客にアプローチしてコンバージョンを取ろう」と言われることがあります。

ただ、コンバージョンから案件化までのリードタイムが長いBtoB商材において、「本当の意味での今すぐ客はいないのではないか?」と思います。

そこで今回は、BtoB商材におけるコンバージョンポイントについて、そんな視点から書いてみます。

BtoBの今すぐ客と、そのうち客

BtoB商材において、ターゲットとなるのは「自社の課題を解決したい」と考えているユーザーです。

どれくらいの課題意識を持っているかは企業や担当者によってそれぞれだと思いますが、大きく以下の2種類に分けられます。

①今すぐ客:課題意識が強く、今すぐ問題解決に取り掛かりたいと考えている
②そのうち客:課題意識はないことはないが、まだ取り掛かるべきでないと考えている

一般に、マーケティングを行う上では、「受注に繋がりやすい①の今すぐ客を狙え」というのがセオリーとされています。

ただ、この「今すぐ客」ですが、BtoB商材においては、言うほど今すぐ客ではないような気もします。

なぜなら、BtoB商材において、実際に「お問い合わせ→商談→案件化」のフローが終わるまでには、相応のリードタイムがかかるからです。

BtoB商材はリードタイムが長い

BtoB商材は、稟議や決裁といったフローを挟むこともあり、リードタイム(検討期間)が長いのが特徴です。

案件化までのリードタイムは、短くて一か月以内、長い場合は半年以上にも及びます。

参考までに、SEOコンサルティングの場合だと、1か月から2か月ほどはかかる印象です。コンサルティングサービスは大体どこも同じような形だと思います。Web制作もそうかもしれないですね。

「自社の課題を解決しなければ」という課題意識はあっても、BtoB商材は単価が高く、事前に得られる情報が少ない傾向があるため、企業としても慎重に検討する必要があります。

となると、単に「お問い合わせ=受注確度が高い」とはいえず、事前に得られる情報が少ないことから生じる「致し方ないお問い合わせ」であるかもしれません。

その場合、資料請求やホワイトペーパーのダウンロード、メルマガ登録など、事前の情報収集に役立つものをコンバージョンポイントとして設定した方が、受注確度が上がる可能性があります。

もし、「今すぐ客を狙え」というスタンスのもと、コンバージョンポイントをお問い合わせにして広告を打っても、コンバージョン数に対する案件化率は低くなるでしょう。

お問い合わせをコンバージョンポイントにすることで、逆に見込み顧客を取りこぼしている可能性すらあるのです。

BtoB商材ならコンバージョンポイントをライトなものにしておくのがおすすめ

BtoB商材は、検討期間が長く、本当の意味での今すぐ客はかなり少ないと思います。

そのため、コンバージョンポイントをライトなものにし、情報収集をしていただきつつ、アプローチパスを持っておくのがおすすめです。具体的には以下です。

・資料請求
・ホワイトペーパー
・メルマガ

特にメルマガはアプローチパスとして強力ですし、意識しなくても情報収集ができるので、双方にとってメリットがあります。

そして、実際に検討フェイズに入った際は、「トップページにアクセス→お問い合わせ」で真っ先にコンバージョンとなるので、むしろお問い合わせは目立たなくてもいいと思います。グローバルナビとページ下部にあれば十分ではないでしょうか?

実はかくいう弊社(アイオイクス)も、これまでサービスサイトではコンバージョンポイントを「お問い合わせ」としていました。

ただ、コンサルティングサービスは単価も高いですし、内容も不明瞭な要素が多いので、事前の情報収集を慎重に行う必要があります。

私自身もセールスとしてお話しさせていただく機会は多いのですが、商談の際に「説明することが多すぎるな...」と感じていました。

それはお問い合わせをいただいた企業の方も同じ感想を抱いているはずで、双方にとって良いことではないので、今は資料請求をコンバージョンポイントにしています。

適切なタイミングで、適切なコンバージョンポイントを設定する

BtoB商材は「今すぐ客」といいつつ、リードタイムが長いケースが多いので、思ったより今すぐではないのでは?というところから始まったnoteでした。

ポイントとしては、「急に問い合わせをしてもらう」のではなく、「自社や、自社のサービスをよく知ってもらった上で問い合わせをもらう」という点です。

マーケティング担当者としては、焦る気持ちもあると思いますが、適切なタイミングでお問い合わせをもらった方が結果として全体のコストは下がるはずです。

顧客の意思決定フローまで加味してマーケティング設計を行うことが、効率の良い運用のコツなのかもしれません。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

自社マーケティング担当として、BtoBマーケティングについてはあれこれ考えるのですが、これまでのやり方、常識を疑うというのは大事ですね。

何か良いデータや仮説が得られたらnote等で共有しますので、ぜひTwitterをフォローいただけると嬉しいです!




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