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ライターとして20年後も食べていくためには——「道場」を持とう

筆一本で生きるために

ライティングに対する需要は、最近まで右肩上がりだったように思います。その背景には、ウェブメディア、とりわけ企業が発信するオウンドメディアが一気に増加したことが挙げられます。そうしたトレンドを反映するかのようにライターのプレゼンスも上がってきました。

しかし、少し前からオウンドメディア・ブームは下火に。周りのライターさんたちに話を聞いていると、そんな今だからこそ、筆一本で「食べていける」ためのスキルを身につけておきたい、と考えている方は多いようです。みなさん、将来どのようにキャリアを積み上げていくべきか真剣に模索されています。

そうしたなか、気づかされたことがあります。ライターのみなさんが共通して抱えている課題は大きく分けて3つ。今回は、そのそれぞれを簡単に紹介していきたいと思います。

ライターが抱える3つの課題

第一に、主戦場とする媒体以外のライティング作法がわからない、という課題です。例えば、ウェブライターの中に「紙は苦手」という人は多いですし、逆に紙がメインのライターから「ウェブの世界はちんぷんかんぷん」という声はよく聞かれます。しかし、個人的には、これは「食わず嫌い」に近いと考えています。「オールドメディアとニューメディア」という二項対立で語られる時代は、いまや昔。ライティングに関して、「紙」と「ウェブ」を分けることにほとんど意味がなくなってきました。すなわち、アウトプットが違っても、必要とされる基本的な技術は同じだからです。もちろん、データ分析力など、ウェブならではのスキルセットもありますが、これはそれほど難しい話ではありません。

次に、企画の良し悪しを議論する機会がない、という課題。これはウェブをメイン活動するライターにとって、特に深刻だと言えます。例えば雑誌などの紙媒体では、多くの場合、編集会議で皆が膝を付き合わせて企画を練り、取材・執筆の如何が決まりますが、ウェブでそうしたプロセスを踏むケースは稀なようです。ウェブライターさんが寂しげによく呟かれるのが、「ウェブ媒体に企画を出しても採用か不採用の通知だけで、企画に対するフィードバックがない」ということ。提案企画の何が悪かったのか、どうすれば良くなるのか、編集会議で企画を煮詰めるカルチャー自体がそもそもないのかもしれません。

最後に、新しい情報をキャッチアップしづらい、という課題。これはとりわけフリーランスの「あるある」だと言えます。一人で仕事をしていると、だれとも話さずに一日が終わったということも少なくありません。また、レギュラー仕事はありがたいものの、クライアントが固定化されるとアンテナが鈍くなり、必然的にトレンドからは疎くなってしまうということも。歳を重ねるごとに「知らないから教えて」と聞きにくくなる、というような切実な意見もありました。ライターである限り、やはり世の中のニュースやトレンドには敏感でいたいものです。

必要なのは「講座」ではない、「道場」だ

第10回  (2)

そうしたことに危機感を感じてか、ライターさんが積極的に横のつながりを作っていく機運がそこここで見られるようになってきました。自主的に相談会を開いたり、ゲストを招いて勉強会を催したり。これまでにも、座って学ぶだけの「講座」はたくさんありましたが、それだけでは上記のような問題は解決しません。求められているのは、ライター同士がともに学び、活発に意見が交換し合えるような場所と機会なんですね。それは、例えるなら、そこに通うもの同士がともに汗を流して切磋琢磨できる「道場」のような空間と言えるでしょう。

手前味噌になりますが、こうした背景のもと、2019年の4月に発足したのが「プロライター大阪道場」です。初心者からプロまで、ここにはさまざまな背景を持ったライターの人たちが集まります。ウェブで活躍する売れっ子ライターからノンフィクション作家まで、得意媒体も分野も違う7人の師範代(講師)がそれぞれのノウハウを惜しみなく提供。頻繁に出される課題は、講師だけでなく道場生全員がそれぞれ目を通すことができるので、多様な切り口やアプローチ法が学べます。このほか、道場生同士の交流も活発。道場生限定のフェイスブックグループでは企画の相談から営業術まで、日々さまざまなトピックが上げられています。

例えばスタジオ・ミュージシャンのように

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プロライター大阪道場には、ひとつのミッションがあります。

「道場を、生き残れる力を身につける場所にする」

すなわち、道場生に20年後も筆一本で活躍できるようになってもらうことが目標。音楽業界に例えるなら、アイドルを目指すのではなく、職人のような腕を求められるスタジオ・ミュージシャンを目指すということです。そのためには、骨太なライティングができるよう、基礎的なスキルをしっかりと身につけなければならない。また、クライアントの要求にサッと応えられる柔軟性を身につけなければならない。確かな腕があれば自らフロントに立って演奏する(書く)機会も出てくるでしょう。

アイドルを目指すのも大変ですが、一流のスタジオ・ミュージシャンになるのも簡単ではありません。しかし、道場のような場所を持つことで、その可能性は大きくなるはず。ぜひ、「道場」のような場所を探してください。あるいは、それがなければ作ってみてください。それがもし「プロライター大阪道場」であれば、私たちにとっては望外の喜びです。

◼️プロライター大阪道場 第二期の詳細と応募方法 

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ロンドンと東京が拠点のコンテンツエージェンシー TAMLO代表/海外企業の日本進出、日本企業の海外事業推進をデジタルマーケティングで支援しています/英語の編集/ニッポン放送、All Aboutを経て渡英/プロライター大阪道場主宰