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『MBA 生産性を上げる100の基本』(嶋田毅)ブックレビュー

いよいよ上司のIさんに4月に頂きました本のレビュー4発目ですよ。5冊のうち、残りの1冊はレビューはしない予定なのでこれでラストですな。Iさんからは「面接前に1冊1時間、ざざぁーって読むだけでいいから!」と言われたけど、思いの外1冊目の孫正義の本が面白かったせいでじっくり、丁寧に読みすぎましたよ、私(笑)
さて、この本はストーリー立てて説明していくって形式というより、どちらかというとMBAで学ぶ項目をジャンル分けして1つずつ説明しているものなんだけど、『基本的な事柄を身につけ、実行している人間が、高いパフォーマンスを上げている』(P2)の言葉のとおり、書いてある一つ一つは非常にロジカルでベーシック。いきなり全部は無理でも、まずは全体理解をして、できるところから着実に実践していこうかなって思わせてくれる本でした。いってみましょう。

第1章:マインドセット

誰かに指示を出す側に立ったら、その目的を正しく伝えることで効率や質の高いパフォーマンスになる(P19)
重要度・緊急度の点から段取りを描け。目についたところから取り組むのをやめよ(P23)
「巨人の肩に乗る(byニュートン)」(=他人のノウハウや知見をどんどん教わり、利用する)ことで、スピーディーに仕事をして、浮いた時間を独自性を付加するために使え(P27)

『巨人の肩に乗る』は僕の尊敬する昔の上司、O部長に言われた『TTP(=徹底的にパクる)』と本質は一緒だなぁ。O部長、、、ニュートンだわ。 

第2章:情報収集・データ分析

情報収集の際は「事実と意見を峻別せよ」(P39)
バランスよく情報収集し、確からしさを考えることが外れの確率を下げ、別のシナリオが現実化した時の柔軟な対応に繋がる。ライトパーソン(適切な情報を持っている人)は他の有用な情報を持っている人とも繋がっている可能性が高いので、その意味でも非常に大きな武器となる(P45)
情報整理した後、意味合い(ビジネス上の示唆)を考えよ(=クリスタライズ)(P50)
新しい事実の発見のポイントは①予見のないピュアな視点で顧客の声を聴くに新しい切り口で眺める(P55)
問題解決の「What-Where(どこに問題がある?)-Why(なぜその問題が生じている?)-How(それならばどうやって対策するべき?)」を使い、全体像を一望せよ(P60)
Whatで核心を押さえるには、あるべき本来の姿を正しく描くこと。(P71)

問題解決の手順については、今のK部長に少し前に言われた「現状把握が一番大事なんだよ」って言葉に凄く共通していると感じた。僕らってすぐ解決策考えたがるけど、本来あるべき姿を明確にするからこそ、問題の本質(What)がわかり、そこで初めて解決策が見えてくるんだよなぁ。これ、当たり前の話なんだけど、当たり前の話じゃないんだよ。

第3章:意思決定

パーキンソンの凡俗法則:難しく重要度の高いことは(わかっている人が少ないため)すんなり決まり、簡単で重要でない事こそ(みんながわかるから意見が活発になり)長く議論されてしまう(P77)
適切な時間配分をあらかじめ設定し、事前に物事の重要性を共有しておくべし。また、当日はファシリテーターを置け(P77)
会議は自分の存在を誇示する場ではないが、会議に良いインパクトをもたらすのなら少数意見でも発言すべし(P79)
グループシンク(同調圧力で判断能力が損なわれる)や沈黙のらせん(議論の流れが自分の意見と違う方向に行くと、反論ではなく沈黙行動をとりがちになる)を防ぐためには、ファシリテーターを置く・第三者視点を配置する・グループで分けて一旦意見をまとめさせる、などの対策が有効(P81)
自分の信念を偽らず、感情ではなくファクトと合理性で判断すべし。時間を置くことも有効(P83)
Apple to Appleで比較できることは意外に少なく、比較での判断が難しい場合は「結局はなにを重く見るか」で決まる。多くの人に納得してもらうために、日頃から情報収集し、バランス感覚を磨け(P94)

『パーキンソンの凡俗法則』、わかるわぁぁぁぁ!!てか、僕がよくやっちゃうのよ、めちゃ反省!笑
昔Iさんに「会議に『出席する』(その場にいるだけ)と『参加する』(能動的に聞き意見を言う)のは違う」って言われたことがあって、それ以来凄く意識しているんだけど、いかんせん僕は頭が弱いので空回りしてくだらない意見や場違いな質問ばっかりしちゃうのよね。

第4章:伝える

PREP:Point(結論)-Reason(根拠)-Example(事例)-Point(結論の再掲)での伝え方がビジネスにおいては有効。一方、結論そのものが相手にとって望ましいものでない場合は、まずは状況共有をして最後に伝えにくい結論を伝えるべき(P115)

PREPの話し方、僕はとても心地いいんだけど、結論が望ましくない場合は確かにいきなり結論持ってくると感じ悪くなるわな。使い分けよう。 

第5章:PDCAを回す

スケジュールには「遊び」を残せ→詰めすぎると①考える時間が減り、クリエイティブな発想が無くなる ②トラブル発生時に対応できない(P128)
『経営は実行』という元GE副会長の著書にもある通り、PDCAの中でもストレッチした計画とそれに向けた徹底したフォローアップが重要(P145) 

『スケジュールに遊び』のところ、これびっくりするぐらい、Iさんがやっているのよ、これ。スケジュールのところに『考える時間』とか書いてあって確保しているの。そういうことか!

第6章:やり抜く

フォローアップは2種類。①1on1ミーティング(丁寧な議論や個人的注意に向く) ②多数会議(頻度や参加者の特定、事前の情報共有やアジェンダの作成、議事録でのタスク明確化が大切)(P151)
他者にエネルギーを与えるには、①笑顔を絶やさない ②他者の活躍を助ける ③言動一致 ④機会を見出せる ⑤謙虚で感謝する気持ちを持つ(P161) 

他者へのエネルギーの与え方を読んでいて、『ビジョナリーカンパニー2』の『窓と鏡』の話を思い出した。また読みたいなぁ。


 第7章:仕組み化

ルーチン化は効率アップだけでなく、ミスが減る・(マニュアルに盛り込めば)他者にも共有できるというメリット(P176)
ボトルネック(仕事全体のスピードは、一連のプロセスで最も遅い箇所の制約を受ける)解消のため、その人間でないとできない仕事以外はどんどん割り振ること(P179)

第8章:人に任せる

部下を信じる『エンパワメント』は、権限を委譲する(仕事を任せる)だけでなく、最大限のパフォーマンスができるよう応援し、コーチング(問いかけにより相手自身に考えてもらう育成)による指導を行うこと(P201)
目標はなるべく相手の口から出るように工夫せよ(P204)
信頼の残高が多ければ人を動かせる。①約束を守る ②逃げず結果を残す ③関心を持ち対話する ④困っている人を助ける(P213)
まずは与えること。それにより人は動いてくれる。「借りがあるから返す」のではなく「貸しがあるから返してもらいやすくなる」を意識(P221)

この章、大好きですよ。『エンパワメント』になるように、仕事は丸投げするのではなくそのあとのフォローが大切よね。
そして『まずは与える』って、これ丸々『利他の心』やないか!稲盛さんの『生き方』も読みたくなってきた笑


第9章:アイデアを生み、ビジネスを作る

クリエイティブな発想を引き出す水平思考の要素は①前提を疑う ②視点を変える ③組み合わせる(P233)
顧客の期待を裏切れ。グーグルの行動規範には『素晴らしいでは足りない』とある(P257)

 第10章:学び続ける

優秀な人を観察し、発言やメールの使い方、時間の使い方、考え方や判断基準を洞察せよ(P276)
「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」(byドイツ政治家・ビスマルク)→歴史+経験で学びをさらに深めよ(P284)
良書を読む、仲間と哲学や歴史について議論する、美しいものに触れ感情を言語化することが供用になる(P287)

優秀な人とかその時気になった人をとにかく観察したり、本当の姿を見極めたりとかってことは結構無意識にしている気がする。だから、少し前に上司だったHさん(現H部長)も今の上司のIさんも、最初は単に『すげぇ人』って感じだったけど、その陰ながらの努力をし続ける姿勢だったり会社や仕事に対する考え方だったりっていう本質に触れるきっかけに繋がり、強く興味を持って尊敬するに至った。今後もそれはし続けたい。

 はい、というわけでいい本でしたよ、この本も。読みながら、いろんなほかの本のことや過去の上司とのやり取りとかも思い出したりして刺激的だった。中でも『パーキンソンの凡俗法則』は、、、反省しきりですよ、はい。今後は会議を有益にするための本とか、あとアイディアの発想法の本とかを読んでいきたいなぁ。まだまだ勉強じゃ。

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