ブックレビューを書くのは1か月ぶりぐらい。読書に飽きていたわけではない。1冊の本に苦戦していただけだ(笑)
400ページのこの本は、読み終えるのも2回目でメモを取りながら進めるのも大変だった。でもこれで、なんか自信ついたな。
いろんなビジネス書を通じ、この『ビジョナリーカンパニー2』の名前は知っていた。でもいつも、『2』なのよね。『1』はあまり聞いたことがなくて。買うときは、“とはいえまずは『1』からだよな?”なんて思っていたけど、『2』を先んじて買ってよかった。あぶなくこのボリュームを2回味わうところでした。
さて、『1』も『2』も中身は『偉大な企業』の中身について触れているわけだが、なぜ世の中が、そして著者自身が「まず『2』から読むべし」と薦めるか。それは『1』は創業当初から偉大だった企業の解読書である一方、『2』はまだ偉大になりきれていない(=『良好』)企業がいかにして『偉大』に飛躍できるかを解説しているから。曰く、『良好は偉大の敵』(無難な企業は偉大にはなれない)(P3)。偉大を目指す場合、大切なのは①規律ある人材(第2~3章) ②規律ある考え(第4~5章) ③規律ある行動(第6~7章)であり、それを継続すること(第8~9章)。(P18)
いってみましょう、400ページの世界へ。開いてみましょう、偉大な企業への扉を。
第2章 野心は会社のために――第五水準のリーダーシップ
→偉大な会社は世の中にとってわかりやすい『カリスマ』的な指導者ではなく、謙虚さ+不屈の精神を持っている者だと。『窓と鏡』の話、とても好き。
第3章 誰をバスに乗せるか――最初に人を選び、その後に目標を選ぶ
→いや、耳の痛い話(笑)適切な人材を選べばモチベーション管理なんてものがそもそも要らないから結果的にスマートに偉大な企業への道を歩めると。しかもその企業にとって『不適切』な人材であっても、ほかの企業にとっては適切である場合があるから、そういう自社に不適切な人は雇わないほうがwin-winなんだって。
第4章 最後には必ず勝つ――厳しい現実を直視する
→単純に現実逃避の楽観視をするのではなく、あくまで現実を直視したうえで、希望をもつことが重要なわけね。
第5章 単純明快な戦略――針鼠の概念
→3つの円のうち、①については注意が必要だよね。世界一になりたい部分ではなく、世界一になれる部分を探さなきゃと。
第6章 人ではなく、システムを管理する――規律の文化
→ここでもまずは人、そのあとに仕組みづくり。という内容が整理されている。
第7章 新技術にふりまわされない――促進剤としての技術
→アホみたいに、考えずに技術に飛びつくことをやめろと。技術そのものを否定しているわけではなく、あくまで戦略論ありきだよってことね。
第8章 劇的な転換はゆっくり進む――弾み車と悪循環
→いいねぇ~「魔法の瞬間はない」って言葉。正しさの積み重ねが大切ってわけだ。
第9章 ビジョナリーカンパニーへの道
→最後いいねぇ。最後の最後で『偉大な企業』をなぜ目指すべきなのかが書かれていた。納得感があった。
各章のすべての項目が重要で、かつその順序も大切と書いてあった。中でも第2章の『第五水準の指導者』の『窓と鏡』の話が好きだな。あと、第3章の『誰をバスに乗せるか』。これは深いよ。わかってはいるけど、なかなかできない。
というわけで、私、石ころ空気も偉大な企業を目指す!