遺伝子、顔つきで読み解く歴史 第1章Y染色体ハプログループで知る東アジア史
東アジアの歴史がとても気になっています。なぜなら日本史を知るにはとても重要だからです。そして遺伝子で東アジアの歴史を知るのも面白いと思いますよ。
今と違った周代の漢民族のY染色体ハプログループ
周は(紀元前1046年頃 - 紀元前256年)にあった古代中国の王朝で紀元前771年の洛邑(洛陽)遷都までを「西周」、遷都から秦に滅ぼされるまでを「東周」と呼び、西周・東周の両方を合わせると中国史上最も長く続いた王朝である。そして周代の遺骨からハプログループQ (Y染色体)が約59%も検出された。そして今の漢民族に多いのはハプログループO2 (Y染色体)である。ハプログループO2は前の記事に出てきたハプログループOの子系統である。そしてハプログループQは南北アメリカ大陸の先住民やシベリアのエニセイ川流域で高頻度で現代の漢民族には0.6%で、とても少ない。しかし昔は中国の多数を占めていたのである。これが不思議でしょうがない。周代には現代の漢民族の多数を占めるハプログループO2の頻度は27パーセントでとても多いということでもない。そして古代中国語の担い手はハプログループQだったのである。そして不思議なことにデネ・コーカサス大語族と言う仮説ががあるのです。
写真 wiki「デネ・コーカサス大語族」より引用
上の図はデネ・コーカサス大語族が話されている地域である。中国やミャンマー、アメリカ大陸の一部、シベリアの一部、コーカサス地方、スペインとフランスの国境あたりが入っています。「こんなの根拠あるのか?」と疑うかもしれませんが根拠はあるそうです。ハプログループQとハプログループRの分岐は大して古くなく日本史で言えば旧石器時代の終わり頃なのである。そしてデネ・コーカサス大語族に入るのは中国やミャンマーで使われているシナ・チベット語族やロシア南部で使われている北コーカサス語族、フランスとスペインの国境あたりの孤立言語で有名なバスク語、古代メソポタミアで使用されたシュメール語、パキスタン北部のカラコルム山脈及びヒンドゥークシュ山脈の一部で使用されるブルジャスキー語、北米および中央シベリアのデネ・エニセイ語族である。Y染色体ハプログループ関連させると古代のシナ・チベット語族はハプログループQで北コーカサス語族の地域ではハプログループRが検出されています。バスク人からも80%以上の高頻度に見られ、ブルジャスキー語を話すブルジョー人からもハプログループRが検出されている。デネ・エニセイ語族からもハプログループQが高頻度で検出されているのでこれは科学的根拠はあるのではないかと思っている。
日本人のY染色体ハプログループは何人にと共通しているのだろうか
日本人に多いのはD1a2a系統やO1b2系統、O2系統で全部合わせると約8割以上を占めています。D1a2a系統はハプログループDの子系統で旧石器時代の日本列島で誕生して一番古くからあった系統であり日本独特で日本以外で韓国に4.0%で日本による統治があったミクロネシアで5.9%、全く日本に縁の無さそうなティモール島に0.2%である。そしてO1b2系統はハプログループOの子系統のO1でその子系統のO1bの子系統です。O1b系統は長江流域で発生したというのが有力な説でO1bにはO1b1とO1b2の二つがあります。そしてO1bが多いのは
O1b1
ニコバル人 100% ニコバル諸島
ションペン人 100% 大ニコバル島
写真 wiki「ションペン人」より引用
クイ族 87.2% ラオス南部及びカンボジア北東部
リー族 61.8% 海南島
写真 wiki「Hlai people」より引用
バリ人 58.6% バリ島
写真 wiki「バリ島」より引用
プイ族 54.3% 中国(雲南省、貴州省、四川省) ベトナム(ハザン省、ラオカイ省)
写真 wiki「プイ族」より引用
ムンダ系民族 53.1% インド東部
写真 wiki「ムンダ族」より引用
ハニ族 50% 雲南省、ベトナム、ミャンマー、タイ、ラオス
写真 wiki「ハニ族」より引用
カシ族 41.3% インド メーガーラヤ州、アッサム州 バングラデシュ
写真 wiki「Khasi people」より引用
広東省の漢民族 30% 広東省
成都市の漢族 14.7% 四川省成都市
チャン族 12.1% 四川省
写真 wiki「チャン族」より引用
シェ族 8.8% 福建省、浙江省、江西省、広東省、安徽省
写真 wiki「She people」より引用
広東省清遠市連南瑤族自治県のヤオ族 8.6% 広東省清遠市連南瑤族自治県
O1b2
日本人 26% -36% 日本
写真 wiki「日本人」より引用
朝鮮民族 19% -37% 韓国、北朝鮮
ニヴフ 28.6%(推定) ロシア(ハバロフスク地方、サハリン州)、日本
写真 wiki「ニヴフ」より引用
琉球民族 22% -31% 沖縄県、鹿児島県(奄美)
写真 wiki「琉球民族」より引用
満州族 4%-34% 遼寧省、河北省、吉林省、黒竜江省、内モンゴル自治区、新疆ウイグル自治区、甘粛省、山東省
写真 wiki「満州民族」より引用
インドネシア 19.4%-19.5% インドネシア
写真 wiki「インドネシア」より引用
ベトナム 14.0%-17.0% ベトナム
写真 wiki「キン族」より引用
ナナイ 8%-12% ロシア・ハバロフスク地方、中国・黒竜江省
写真 wiki「ナナイ」より引用
ウデベ 10パーセント ロシア・沿海州
写真 wiki「ウデヘ」より引用
雲南漢民族 9.7% 雲南省
写真 wiki「聶耳」より引用
タイ 4.0%-5.4% タイ
写真 wiki「タイ」より引用
東南アジアと東アジアです。そしてO2系統が多いのは
O2系統
インド東北部 86.7 % インド東北部
ヤオ族(広東省・連南ヤオ族自治県) 82.9% 広東省・連南ヤオ族自治県
アチャン族(雲南省梁河県)82.5% 雲南省梁河県
ガロ族 59.2% インド・メガラヤ州 バングラデシュ
写真 wiki「ガロ族」より引用
漢民族 55.4% 中国
写真 wiki「漢民族」より引用
トゥチャ族(湖南省) 53.5% 湖南省
朝鮮民族 45.5% 韓国 北朝鮮
ナナイ(中国) 44.4% 黒竜江省
満州民族 42.6% 遼寧省、河北省、吉林省、黒竜江省、内モンゴル自治区、新疆ウイグル自治区、甘粛省、山東省
チベット人 40.0% チベット自治区、青海省、四川省、甘粛省、雲南省 ネパール、インド、ブータン
写真 wiki「チベット民族」より引用
ベトナム人 40.0% ベトナム
フィリピン人 39% フィリピン
チャン族 36.4% 四川省
タイ人 35.3% タイ
ヤオ族(広西チワン族自治区・バマヤオ族自治県) 34.3% 広西チワン族自治区・バマヤオ族自治県
ローバ族 33.8% インド、チベット自治区
マレーシア 30% マレーシア
スマトラ島 29.8% インドネシア、スマトラ島
写真 wiki「スマトラ島」より引用
イ族(四川省・雲南省) 28.8% 四川省・雲南省
シベ族 26.8% 新疆ウイグル自治区 · 遼寧省 · 吉林省
写真 wiki「シベ族」より引用
ジャワ島 22.6% インドネシア、ジャワ島
写真 wiki「Javanese people」より引用
日本人 22.1% 日本
オロチョン族 19.4% 内モンゴル自治区、黒竜江省
ハニ族(中国) 17.6% 雲南省
ボルネオ島(インドネシア) 17.5% インドネシア、東カリマンタン州、西カリマンタン州、南カリマンタン州、中央カリマンタン州、北カリマンタン州
ウイグル人 11.4% 新疆ウイグル自治区、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス
写真 wiki「ウイグル」より引用
台湾原住民 11.0%
写真 wiki「台湾」より引用
モンゴル族 10.6% 内モンゴル自治区及び新疆ウイグル自治区、青海省、甘粛省、黒竜江省、吉林省、遼寧省
小スンダ列島 7.3% 小スンダ列島
写真 wiki「ササク人」より引用
バリ島 6.9% バリ島
アンダマン人 5.4% インド、アンダマン諸島
写真 wiki「アンダマン人」より引用
そしてハプログループOは東アジアや東南アジアの多数を占めることが分かったと思いますが、アイヌ人には見つからないそうですよ。アイヌ人には縄文人に由来するハプログループD1a2aが87.5%でオホーツク文化などに由来するハプログループC2が12.5%と報告されている。
写真 wiki「アイヌ」より引用
アイヌ人は縄文人の遺伝子を濃く残している。縄文人の特徴を強く残している人は彫りが深くて毛深く頭毛が波状で耳垢が湿って低身長で酒に強いのです。そしてその特徴を持っている人は縄文人の血が濃いのであります。そして日本人は中国人や韓国人と見分けが付かないのは弥生時代以降に大陸からわたってきた人々との混血したからである。
縄文人はとても独特である
縄文人に多いのはハプログループDである。そして現代のに東アジアや東南アジアの多数を占めるハプログループOは分岐してから7万年以上の隔たりがあります。ハプログループDはチベットやアンダマン諸島でも見つかっているが、分岐してから5万3000年以上も立っているので縄文人は何人にも近くないのである。縄文人は遺伝子では孤立的である。そして縄文人に多いハプログループD1a2a系統は日本の隣の韓国でも見つかっています。それは韓国からも縄文土器が見つかっているからです。ほかの地域から人が流入してハプログループDは少なくなるのですが、韓国人の4.0%はハプログループDなのです。
沖縄の人は日本人なのか
沖縄は九州以北の本土とは独自の文化、言葉があります。そして琉球民族ということがあり、日本人なのか琉球民族かどっちなのか?と思う方は多いと思います。そしてY染色体からは D1a2a系統が55.6%でO1bが22.2パーセントでO2系統が15.6%です。沖縄は縄文系の血が本土よりも多いことがわかります。縄文人の血が濃いですので沖縄は本土よりも日本人であると思ってしまいます。そして日本語と琉球語の差はフランス語とイタリア語のようなものです。イタリア語とフランス語は同じイタリック語派に属していますので、本土の日本人と沖縄の人は同じグループに入っていると思います。そしてそのグループの中にある琉球民族であると個人的には思っています。
混血をしていない民族はほぼ存在していない
純粋な日本人などの言葉を使うと思いますが、それは間違っていると思います。Y染色体ハプログループを見ると日本人にもいろいろありますよね、それが証拠です。Y染色体ハプログループが完全に同じ民族はほぼ無いと言っていいでしょう。あったとしても隔離された島々やアマゾンなどの熱帯雨林なのです。古くから日本にあったのはハプログループDですけど完全にそれしかない地域はないと思います。しかし遺伝子で見ると純粋な日本人の血を濃く残しているのはアイヌと沖縄になってしまいます。しかしそれでも純粋な縄文人はいないと思っています。
まとめ
Y染色体で見ていると世界が広がりますね。日本だけでなく中国や朝鮮、東南アジアの民族などが出ていきます。それを知ると民族間の戦争や民族や人種での差別がバカバカしくなっていきます。そして平和につながっていくと思います。
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