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ぎょうざ屋

この店はどんなに混んでいたとしても(カウンター数席だけの狭い店なので大抵いつも混んでいるのだが)注文を受けてからひとつひとつ餃子を巻くのだ。
ちなみに餃子は「包む」じゃなくて「巻く」って言い方が割と好き。

濃いめのハイボールを飲みながら、焼き上がるのをじっと待つ。

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むかし、リケ女の小保方さんのSTAP細胞というのが世間を賑わしてた頃に、この研究がもし実用化されたならばいかに画期的で素晴らしい研究かという話を後輩としていて

「考えたんだけどさ、この研究を応用してて、お酢をかけるだけでどんどん数が増えて、好きなだけ餃子を食えるという、まさに無限イーガーコーテーとでも言うべき夢の世界がひろがるんじゃないかと!」

「マジで!先輩すごい!」


「はっ!待てよ、まさか餃○の○将の社長はこのことに気がついて機関に消されたのでは!」


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こんがりとキツネ色に焼き上がった餃子は一口サイズで小ぶりだが、ぎっしりと餡が詰まっていて実に旨い。一度食べるとやみつきになる。

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無限餃子、そんな天国のような・・・とうっとりしながら思い出すのは、ドラえもんのひみつ道具の一つであるバイバイン

数ある優れたエピソードの中でもかなり怖い話だった。
ネズミ算的に増えて収集がつかなくなった栗まんじゅうを、ドラえもんはあろうことか風呂敷に包んでロケットで宇宙の彼方へ捨ててしまい、あとは知らんどうにでもなれという、子供ごころにもそれはいくらなんでもひどいんじゃないかという衝撃的なラスト。

今でもたまに宇宙の片隅で、今この瞬間にも加速度的に増え続けているであろう栗まんじゅうを思うと、背筋が寒々とするような恐怖を感じつつ、もう一杯ハイボールおかわりしちゃうわけですよ。
もう既にかなり呑んできてるのにね。

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