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ishiika78
2021年10月13日 12:20
このろくでもない現実について、なんと表現するべきだろうか。付喪神というものが存在することは知識として知っていた。だがそれが実在し、よりにもよって多重積務者の頭をいまぶち抜かんとする拳銃に宿るとは思わなかった。「やめてくれ」懇願する声が聞こえる。「あんたにも親があるだろう」 ああその通りだ。だが、親もいない拳銃なんかに親のことで諭されたくはなかった。「頼む、俺はもう人を殺したくないんだ」