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琵琶湖テラスから針江生水の郷へ

異常気象が当たり前になってきてしまった昨今ですが、今年の異例とも言える梅雨明けに続き、6月では前例の無い40℃近い暑さの日が続きました。この一番暑かった時に滋賀まで日帰り旅行に行ってきました。

特別な飲み友達と

この日は一人旅の多い私としては珍しく、久しぶりに会う飲み友達2人と車で出かけました。一人は以前よく行っていたカフェバーの元マスターで3歳年上の男性。もう一人は28歳今は休職中のライブ等の音響をやってるPA女子、そして41歳のおじさんの私という不思議なメンバーです。

例の流行り病のおかげで、本当は飲みに行きたいけれど、なかなか行けず一度感染者が落ち着いていた時にバンガローを借りてバーベキューをした事がありましたが、そこからまた時間が過ぎていきました。そんな中で、PA女子が妊娠し、結婚すると言うので、まだ身体が動けて時間もあるうちに会おうという話になったのです。もちろんアルコール抜きで。

琵琶湖テラスへ

当日は猛暑が予想されたので、少しでも涼しい所へ行こうと琵琶湖テラスに行きました。琵琶湖テラスは琵琶湖バレイのスキー場のオフシーズンを利用した施設で、テラスの池と琵琶湖の水面が重なると琵琶湖と高山が繋がって見えるインフィニティ映えスポットみたいな感じです(普段自分が使わない言葉過ぎる)。

想像以上の猛暑

6月としては記録的な暑さで雲が無かった事もあって、痛いくらいの日差しでした。京都からは車で1時間足らずのアクセスの良さで、ロープウェイに乗ると一気に標高1100mに到着します。日差しは強いですが、やはり下界との温度差はかなりのものです。この日は晴れていたのですが、遠くの山々にはモヤがかかっていたので、視界は思ったより遠くを望めませんでした。しかし、普段京都の街中では見れない、比良山系から琵琶湖、遠く鈴鹿山系といった雄大な風景が一望できました。

打見山から近江八幡方面を望む

再会の時間

久しぶりに会った友人達でしたが、いつも通りの緩いテンションで近況を話しながら、お互い気楽にいられる不思議な安心感がありました。それなりに共通する部分もありますが、それぞれバラバラに見える3人。でも、以前通っていたお店ではウマが合って、朝まで飲み明かしたり、飲んだ次の日に日帰り温泉に出かけたりしていました。1人が出産するので、また関係性が変わってしまうのかも知れませんが、大人になってできた数少ない友人達です。

日差しは強いですが風が涼しくて気持ち良いリフト

ロープウェイの頂上からは、また一段高い蓬莱山までリフトがあり、リフトに揺られて京都方面も見渡せるCafe360°まで空中散歩ができました。山登りまではいなくても、お手軽にこんな高山まで行けるのは良いですね。少しロープウェイの値段はお高いですが、価値はあると思います。

針江生水しょうずの郷へ

琵琶湖テラスから下界へ降り、車に再び乗ると物凄い熱気です。本当に6月とは思えない暑さ。その後、湖西道路を北上し、簡単に食事を済ませて高島市にある湧水で有名な針江地区に向かいました。
里山や琵琶湖の自然を撮ることで知られた、写真家の今森光彦さんのNHKスペシャルのドキュメンタリーで見た川端かばたの風景を初めて見ることができました。

針江地区は、高島市の丁度琵琶湖の西側のくびれた扇状の平地にあって、訪れてる前は山に近いのかと思っていましたが、そうではなく平地にして比良山系の雪解け水や雨が染み込み濾過された伏流水が至る所に湧き出ている水の郷でした。針江地区の家々には家の一角に川端かばたと呼ばれる水屋を設けており、飲料水として用いるのは勿論、炊事や野菜を洗うなど生活の一部として未だに川端が残っています。地元の方は湧水のことを生水しょうずと呼ぶのだそうです。

川端の仕組み http://harie-syozu.jp/about より

川端の一部には鯉等淡水魚が飼われており、洗い物から出たゴミを食べてくれて、綺麗にしてから川に流れていくエコなシステムが注目を浴びるようになっています。

実際に訪れた針江地区は、事前予約ができれば地元のボランティアによるガイドツアーに参加できるそうですが、予約なしで訪れたため、観光地の様相はなく、ただ田舎の農村と言った風情でした。しかし、造られた観光用の風情ではなく、生のままの夏の水の風景がそこにあるのを感じました。

針江大川に沿って湧水ポイントが沢山ありました
写真からも分かるように照り返しが凄い
咲き始めの梅花藻の花も咲いてました

地区を流れる針江大川には発泡スチロールで作った舟に子ども達が乗って、川下りをしたり、魚を獲ったりして遊んでいました。子ども達が川には小さな鮎がいると教えてくれました。確かに小さな魚影が見えます。川に足を入れてみると普通の農業用水路なんかとは比べ物にならない冷たさ。長時間浸かっていられないほどですが、子ども達は元気に泳ぎ回っていました。こんな環境で遊ぶ子ども達が羨ましい。

川端 14℃ほどで足を入れていると一気に真っ白に

針江地区には川島酒造という酒造メーカーもありました。酒造の外には自由に飲んだり、汲んだりできる生水が沸いており、飲んでみるとスッキリして澄み渡る喉越しの軟水でした。暑さが尋常じゃなかった分、清らかで冷たい水を鮮烈に体験することができました。水も良いからお酒も美味しいでしょうね。

川島酒造さん
冷たくて美味しい生水

暮らしの中に、こんなに美しくて美味しい水があったらと憧れてしまう風景に出会えました。里山は人が管理しないと荒廃してしまう絶妙な自然とのバランスの上に成り立っています。私の生まれ故郷の岐阜県飛騨地方でも、ここ10年ほどで大分環境が変わったように思えます。針江地区で久しぶりにトノサマガエルの大きな個体を見て感動しましたが、昔は雨の日の農道では一面にトノサマガエルがいたものです。人による環境変化によってそういったものはすぐ姿を消したりします。針江地区の風景も変わって欲しくないと思うばかりです。

久しぶりに見たトノサマガエル

おわりに

久しぶりの友人達と、滋賀の行きたかったスポットに行く事ができた充実した日帰り旅行でした。次皆で会えるのは大分先になるかも知れませんが、新しい命が無事誕生して、また皆で集まれる日を期待したいと思っています。それと、やはりこの日の日差しは凄かった。日焼け止めを塗っても、両腕がヒリヒリして夜眠れないくらい日焼けしたのでした。



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