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ベンガジ襲撃事件の闇


ベンガジ襲撃事件とは

ベンガジ襲撃事件とは2012年9月11日リビア内戦でカダフィの死去後リビア東部にあるベンガジという都市でアメリカ領事館がテロリストグループにより襲撃され、当時首都トリポリから出張で来ていたアメリカのスチーブンス大使を含む4人が殺害されたという事件です。

 この襲撃事件は主流メディアの報道ではイスラム教の預言者モハメットを冒涜する映画に怒ったイスラム教徒の抗議行動が発端となって起きたことになっていますが、真相は全くそんなことではなく、アメリカの、つまりオバマとヒラリーによるどす黒い陰謀がその事件の背後にあったのでは、という疑惑がもたれています。
 
実際この事件をめぐっては通常考えられないおかしなことばかり起きており、事実を隠蔽する為に事件の背後にいた黒幕が様々な工作をしていた数多くの痕跡が見受けられます。

映画「無邪気なイスラム教徒」

まず、事件の発端とされた映画ですが「イノセンス・オブ・イスラム」(無邪気なイスラム教徒)というタイトルでエジプト系のアメリカ人でコプト教徒(エジプトにおけるキリスト教の一派)ナクラ・バスリ・ナクーラが監督となっています。
 
彼はアメリカで詐欺罪などの罪で逮捕されて刑務所で服役中に台本を書いたとされており、映画は2012年6月にハリウッドにある映画館で初公開されていますが、プライベートな上映の為貸しスペースで行われ観客は10名ほどだったようです。そのうちの一人は映画の作りがあまりにも稚拙なため、途中退席したといわれています。

ハリウッドの映画レポーターなどが「これはアマチュアの作った作品にしか見えない」と酷評しています。私はユーチューブ版を観たのですが、実にチープな作りでアマチュア作品と言われても仕方のない荒唐無稽な内容のお粗末すぎる作品です。
 
おまけにこの製作者はアドベンチャー映画だと言われ、事前に手渡されていた台本と違う内容での演技を強要されたとして出演者により告訴されるなど実に怪しげな背景のある映画となっています。
 
そしてこの映画が翌7月にユーチューブに投稿されるとアラブ社会で悪い意味で大反響を呼びエジプトやその他のアラブの国々でアメリカに対する抗議デモが起きたということになっていますが、SNS上のデータ調査会社は映画がネットで言及されたタイミングは事件の後、つまり2012年9月11日以降だという指摘もあるようです。
 
西側の主流メディアは例によって情報操作・印象操作を行っていたことが独立系ジャーナリストなどにより暴露されています。エジプトのアメリカ大使館前で行われたという民衆デモはアメリカに拘束されているイスラム指導者の釈放要求デモであったことが判明しており映画の話は一切言及されていません。
 
大体こんな幼稚な作りの動画でアラブ社会のイスラム教徒が激怒するといのも考えにくく、制作のタイミングもベンガジ事件の直前、あるいは直後(SNSデータ調査会社の指摘が正しければ)出演者が騙されて演技をさせせられたという胡散臭さなどから誰かが意図的に作ったのではと思わずにいられません。
 
イノセンス・オブ・イスラム

スチーブンス大使ベンガジ滞在の背景

スチーブンス大使は普段は首都トリポリ常駐なのに何故9月11日にベンガジにいたのかという理由は以下の通りです。
 
2012年7月米軍のヘリコプターがリビア上空を飛行中テロリストグループによりミサイル攻撃を受け機体の一部が被弾した際ミサイルの種類などの特定をしたところ、なんと米軍基地で厳重に管理されているはずの米国製携帯式防空ミサイルシステム、いわゆるスチンガーミサイルであることが判明。
 
これを問題視したNSA(国家安全保障局)とFBIなどが調査に乗り出し、国連もリビアの反政府勢力の手に渡った米国製武器が急速に地域一体にばらまかれている様子をその報告書に記述しています。
 
調査の結果は驚いたことにクリントン財団がヒラリーの旧友スチーブンス氏(その当時は大使ではない)を使い民間の武器商人を介してタリバン系のテロリストグループに売却していたことが判明。
 
この事実はヒラリーの側近のメールがハッカーにより盗み取られ情報が米国政府の闇の情報を暴いたことで一躍有名となったウィキリークスのジュリアン・アサンジの手に渡り、アサンジがそれらのメールを公開したことによっても明確になっています。
 
ヒラリーは議会の公聴会に招集されベンガジ事件の不審な点やこの武器売却のことで追及を受けていますが、ウィキリークスにつぃては「合法的に入手された情報ではないので証拠たりえない」として逃げ切っています。
 
また彼女は公聴会で「なぜ映画に対する抗議デモという嘘をついたのか」という追求にむきになって言い訳をしている姿がこちら(英語版しかありませんが)です。 重要なことは今後どういう対策を取ればこのようなことが2度と起きないかを考えることだ、と苦しい言い訳をしています。
 
ヒラリー公聴会

捜査の進展に焦ったオバマとヒラリーは議会の承認を経ないでスチーブンスをリビア大使に任命しトリポリへ派遣、証拠隠滅の為スチンガーミサイルを回収し、同時にこれらの武器をリビア崩壊後の次の目標であるシリアの反政府武装勢力へ送ろうとしていたとされています。彼はまたカダフィ大佐殺害の指揮をとっていた人物です。
 
大使がベンガジにいたのはそういったミッション遂行の為だったという訳です。リビアの反政府武装勢力はベンガジに集中していたことからベンガジでの武器回収の為にベンガジに行き、そこで事件に遭遇しています。

ベンガジ領事館の謎

領事館とされているものの実態は「派出所」レベルのものであったようで、領事館として最低限の設備やセキュリティ対策すら無かったとされており、勤務者から幾度となく警備体制の増強を国務省に依頼しているもののヒラリーはこれらの要求を全て却下しています。
 
スチーブンス大使もベンガジ到着後すぐにセキュリティが大問題であることをヒラリーに説明し複数の報告書を国務省へ提出していますが、ヒラリーに完全に無視されています。

後日議会の公聴会で「何故報告書を読まなかったのか」と問われ「多忙だったので読めなかった」と返答しています。何のために彼をベンガジに送ったのでしょうか。
 
ベンガジにはCIAの詰め所が領事館から僅か2KMのところにあったのですが、何故領事館内に置かずに離れた場所にあったのかは不明ですが、このような体制を決めたのもヒラリー自身です。
 
領事館警備もアルカイダ系のテロリスト集団が受け持っていたとされ、また領事館内の構造や非常時の逃走経路、館内の大使の隠れる場所及び隠れ家も襲撃したテロリスト達は分かっていたことを2日後にリビア政府が発表しています。内部に裏切り者がいたに違いないと。

襲撃事件発生後の状況

事件発生時米軍の特殊部隊はクロアチアで演習を行っており、現場に駆け付けようと思えば2-3時間で到着できた筈ですが、当時のデンプシー米統合参謀本部議長は議会証言で「ベンガジに行く必要なし」と命令されたと発言しています。
 
現場から2KMしか離れていないCIAの詰め所ではいつでも助けに行ける体制で待機していたところ上司から「待て」と命令され面食らっています。それでも上司の命令に逆らい仲間を救出しようと現場に向かった部隊の中には2人のネイビーシールズで戦闘経験豊富な隊員がいたのですが、結局2人とも命を落としています。
 
主流メディアでは襲撃者は武装した一般住民だとされていますが、一般住民がネイビーシールズとやり合って勝てるものでしょうか。あり得ませんね。2014年のウクライナ反政府デモと同様に一般民衆とされた人たちが実はプロの軍事訓練を受けていた部隊であり軍レベルの重装備の武器で攻撃したとしか考えられないのです。
 
ベンガジ領事館襲撃

建物外部の監視カメラには軍事的に高度に訓練された襲撃犯の様子が確認され周辺の道路封鎖を行っていたことなどからますます武装した一般大衆による事件ではないことが明らかになっています。
 
結局アメリカの援護部隊は襲撃後8時間も経って全てが終わった頃に到着していますが、政府や関係者は「とても間に合うとは思えなかった」とか「襲撃後90分経ったら戦闘が和らいだのでこれで襲撃が終わったと思った」また『第2波の攻撃が始まりおどろいた」などと全く説明になっていない言い訳をしています。

事件の真相は何だったのか

主流メディアの主張する「イスラム侮辱の映画に抗議した民衆が武装してベンガジ事件が起きた」という説明は上に述べた様々な理由から論外だとして、何が真相だったのかについては3つの異なったシナリオがあります。
 
一つ目はこの襲撃事件の背後にはイランがいて、ロシアとシリアも何らかの形でこの襲撃事件に関わっている、というもの。
 
シリアとイランはイスラム教のシーア派に属し昔から同盟の関係。ロシアは特にシリアを歴史的にサポートしている立場であり、シリアで反政府勢力により政権が倒れると困るのでアメリカのシリア破壊を察知したこれら3か国がシリア反政府勢力へ武器が流れないように攻撃をしたというもの。
 
これが真相だとすると何故オバマやヒラリーがスチーブンス大使救出の邪魔をして殺害されるままにわざと放置しておいたのかについての説明がつかなくなります。アメリカとイランは昔も今も仇敵の仲なのであり得ないシナリオでしょう。
 
2番目のシナリオはテロリストグループが武器の回収を嫌がってそれを阻止するために領事館を襲撃して中心人物であるスチーブンス大使を排除したというもの。特殊部隊をクロアチアから現場へ直行させなかったのはスチンガーミサイルの脅威があったからでは、という説です。
 
しかしながら領事館の警備をわざと手薄にしておいたことや、空ではなく陸上から秘密裡に領事館にアクセス出来るCIA詰所に待機中の保安要員を現場に直行させないように足止めしたことの説明が出来ず、この説もあまり説得力がありません。
 
最後のシナリオはヒラリーがスチーブンスに武器回収を行わせながら、数多くの彼女の秘密工作を知りすぎたため口封じにテロリストを使い彼を殺害したというものです。この説が一番信憑性は高いのですが、彼がいなくなれば武器回収が出来なくなるのでかえって不都合なのでは、という疑問も残ります。
 
ただ、武器回収はほぼ終わり、シリアへの搬入も順調に進んでいたのであればこの説は可なり説得力のあるものとなります。
 
スチーブンスはカダフィ暗殺の中心人物だけでなく、ベンガジにカダフィ暗殺直後リビアの第2の中央銀行みたいなものを設立しそこでカダフィ名義となっていた金や外貨などをヒラリー名義に書き換えるなどの作業をした中心人物とされ、ヒラリーにとって彼の口を塞ぎたい動機は十分にあったものと思われます。
 
以上がベンガジ襲撃事件の真相と思われる事件の経緯です。ベンガジ事件の真相は未だに100%解明されてはいませんが将来事件の詳細が明かされる日が来るかもしれませんね。
 
今回の投稿はここまでです。次回はつい最近ウクライナを巡って非常に危機的な世界情勢が展開し始めている事態について「NATOとロシアの全面対決」というテーマでの投稿を予定しています。

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