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モノの流れが変わる!2020年のシルクロードと世界のハブ&スポーク

色んな国や都市がある中で、このたった十数年で未曾有の経済成長を遂げた、アラブ首長国連邦ドバイの経済モデルは、世界の人達に驚きと感動と共感を与えました。ドバイ・ショックという金融危機を乗り越え、いまフラッグキャリアであるエミレーツ航空は世界ナンバーワンの航空会社となりました。

世界から人が集まり、モノが集まり、企業が集まり、中東アフリカ地域のビジネスセンターとしての確固たる立ち位置を築きました。そしてそのドバイはいま、2020年に開催される、中東地域では初めてとなる、万国博覧会の開催を目前に控えています。

しかしこのドバイは十数年前まで、何もない砂漠の田舎町でした。ドバイを取り囲む周辺国は、サウジアラビア、クウェート、カタール、アブダビなど、石油や天然ガスが採れるものの、ドバイではほとんど化石燃料を採掘することはできません。そんなドバイがこの十数年で作り上げてきたものは、中東アフリカ地域の物流ハブです。1円の価値も生まなかった砂漠は、いま大きな経済効果を生み出す街となりました。

地域全体の人とモノの流れを変え、すべてをドバイに集め、すべてをドバイから第三国へ再輸出する。自転車で言うところの、「ハブ&スポーク」の「ハブ」として戦略を描きました。

ドバイが作り上げてきた「ハブ&スポーク」の「ハブになる」経済モデルは、そこから多くの物資が運ばれ、色々なビジネスが生まれ、ドバイだけではなく地域全体の生活を豊かにし、地域全体の経済成長に大きく貢献してきました。

また、ナイジェリアのラゴス、アゼルバイジャンのバクー、スリランカのコロンボ。そして東南アジアのハブである、シンガポール。これら全ての都市が、現在物流ハブ・ビジネスハブを構築し、その国だけではなく、地域全体の経済成長に大きく貢献してきました。

(ナイジェリア・ラゴスの「エコ・アトランティックシティ・マスタープラン」)


「ハブ&スポーク」のハブになることは、社会に対して経済成長や平和の安定など、大きな貢献をもたらす、持続継続性の高い新しい経済モデルと評価されています。そしてそれらは近年の、IT・物流・航空・金融などの急速な発達によって、ハブ&スポークの「ハブ」となってきた都市が有機的に繋がり始めています。

「トランスユーラシア&アフリカ大陸」の60億人メガ市場をカバーする、現代のシルクロード。これが世界のモノの流れを変えてしまうことが予測されます。さて、私たちの身近なところでどんな変化が起きると思いますか?

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