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3年生の「わり算」も「手」を使って理解を確実に!

「ヒント帳98」で、確かな算数の力を育むためには、「手」を使わせること、すなわち具体的な操作活動を取り入れる工夫が必要であることを指摘した。

「子供は、『手』に脳がある!」のである。
そして、言葉、特に数字は極めて抽象的で理解することが容易ではないからである。

だから私は、3年生の「わり算」の指導でも、「手」を使って「わる」活動をさせることによって、その概念を理解させようとした。

今回の「ヒント帳」では、その前段階として、「わり算」をどんな「言葉」に置き換えたかをお伝えする。


わり算の考え方には、よく知られているように、等分除と包含除がある。

等分除とは、「12個のアメを3人で同じ数ずつ分けて<1(人)あたり量>である4個を求める」分け方である。

包含除とは、「12個のアメを一人に3個ずつ配り、<いくつ分(何人分)>にあたる4人を求める」分け方である。

この分け方=考え方の違いを理解することは、子供にとってかなり難しい。

そこで、子供にとって分かりやすい<呼び名>を付ける。

まず、大前提として、「同じ数ずつ」分ける操作が「わり算」であることを押さえた上で、

等分除は、誰もが、もし上記の問題なら「3人全員が」アメをもらうことができるので、「にこにこわり算」と名付ける。
みんながもらえて「にこにこ」となるからだ。

包含除は、誰もが「もらえる」わけではない。上記の問題なら「4人しか」アメをもらうことができない。
5人目以降は、がっかりする。
だから、「がっかりわり算」と名付ける。


また、わり算は、「わりきれるわり算」と「わりきれないわり算」に分類できる。

このうち、「わりきれないわり算」については、「あまり」を処理するタイプの問題がある。

例えば、次のような文章問題だ。

ケーキが14個あります。1つの箱に3個のケーキを入れていきます。全部のケーキを入れるには、箱は何箱あればいいですか。

「14÷3=4あまり2」なので、あまりの2個のケーキを入れる箱が1箱必要になり、「4+1=5」で、答えは「5箱」になる。

これがまた、子供には難しい。

文章問題の意味が理解できないため、推論が進まなくなる。

文章問題に書かれている数字をいずれかの演算に当てはめれば「正解」が出ると誤学習している子供にとっては、「4+1」という式は全く思いも付かない。

そこで、このタイプの「わけ方」を「もったいないわり算」と名付け、「あまりをそのままにしておくともったいないから使う(箱に入れる)」と、理解させることで、文章問題の表している場面をつかみやすくさせるのである。

以上、「にこにこわり算」、「がっかりわり算」、「もったいないわり算」という三種類のわり算に対応した名付けを紹介した。

こうした取組は、ほとんどの先生方が現場でやっていらっしゃることと思う。

そいて、もちろんこれだけでは子供たちの<わり算理解>は不十分である。

そこで、私は、「手」を使わせる。

次回の「ヒント帳」で紹介したい。

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