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物語づくりワークショップ

ワクワクする未来と、実現に向けたアイディアを考える
〈妄想ワークショップ・レシピ#11〉

物語づくりワークショップは、まちの理想的な未来を物語として具体的に想像し、そこからどんなアクションが必要かバックキャストで考えるレシピです。
漠然となりがちな未来のイメージについて、物語をつくることを通じて具体的にイメージして考えるワークです。

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【レシピ】

起承転結の物語を「起承"結"転」の順に考えます。
「起承」では主人公や、まちの現状、今後の起こりそうな問題について考えます。
次に「転」を飛ばして「結」に移り、主人公がイキイキしている未来の姿を描きます。
最後に「転」に戻り、理想の未来を実現するための取組みのアイディアを考えます。

1)起|主人公の現在を描く

いろいろな主人公が登場する複数の物語を描くため、グループに分かれてワークします。
主人公カードを用意し、各グループにゲーム感覚で選んでもらいます。
ワークではカードに書かれた主人公の特徴・個性をより具体的に肉付けしていきます。

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2)承|主人公が抱えている問題を描く

承では、主人公の数年後を描きます。
このとき、主人公は少し問題を抱えて、笑顔を無くしています。
それがどのような状態なのか、想像して考えます。

3)結|ハッピーエンドを描く

承で主人公は少し問題を抱えて、笑顔を無くしていました。
過程は飛ばして「結」を考えます。
主人公に笑顔が浮かんだ将来の姿(暮らしやまち)を描きます。

4)転|未来をつくるアクションを考える

「承」で笑顔を無くしていた主人公は、なぜ「結」で笑顔を取り戻せたのでしょうか?
「転」では、主人公を笑顔に変えた取組みを考えます。
取組みの内容、担い手が誰なのか、出来るだけ具体的に考えてみます。
「転」の内容を踏まえて「結」を見直し、最後に物語のタイトルをつけます。

5)物語の共有

各グループの物語の内容を共有します。
特に結の「未来のイメージ」、転の「実現のための取組みアイディア」を中心に共有します。

【ポイント振り返り】

妄想ワークショップ・レシピとしてご紹介しましたが、今回の内容は実は何度かやったことがあるワークです。
これまでに行った物語づくりワークショップではこんな物語が生まれました。

育じいのマンション建て替え作戦
<主人公:マンションに住む60代夫婦>
「家族や友人とスープの冷めない距離で住み、孫の成長を見守るのが楽しみ。」私の住むマンションが建替えられ、地域に愛着のある人による店舗、学生会館、屋上菜園を併設する地域に開かれた場となった。息子が海外から戻り1階でレストランを始め、娘夫婦も越してきた。
団地再生で街も心もはなやぐフラワータウンに
<主人公:団地に賃貸で住む30代の夫婦>
団地の建替えを機に、交流スペースや介護施設、ソーラー発電機能が完成。コミュニティビジネスにより雇用も増えた。私は友人とカフェを開設、子育てママやボランティア仲間のたまり場に。夫は在宅勤務をしながら、フラワープロジェクトや下校見守り活動を楽しんでいる。
Kさんをこのまちに呼び込め!
<主人公:36歳男性、地域外に在住、港区へ通勤>
このまちに住む妻の父が、ボランティアチケットを考案、妻の母の介護にチケットを利用し始めた。このまちへの転居にやや消極的だった私たち夫婦も、子育てや介護支援のあるこのまちに引っ越すことを決めた。
公園で生まれた新たな「出会い」「絆」「人生」
<主人公:一人暮らしの女性(60代)>
「結婚式は仲間たちと公園で。」母の介護を終え一人になった私は、地域の「まちなか集いの場づくり作戦」へ参加。多様な世代、性別、立場の人が友だちになり、そこで自分を見失った若い男性と出会った。互いの苦しさ・寂しさを理解できる良き友達関係は恋仲に発展、結婚へ。

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妄想ワークショップ・レシピについて
未来をつくるのは妄想力。そして、ワークショップは「妄想作成装置」。
「妄想ワークショップ・レシピ」では、ふと思いついたけど実現には至っていないもの、まだ思いつきに過ぎない柔らかい状態のものを、楽しく妄想し、紹介していきます。

Copyright(C) Ishi Planning & Design Co.


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