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タイドラマ「アナログファミリー」 (Analog Squad ทีมรักนักหลอก)

主演:ピーター・ノパチャイ・チャイヤナーム、ナムフォン・クラナット、JJ クリサナプーム・ピブンソンクラーム、ウィパウィー・パットナシリ
2023年 全8話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=タイの各サイトよりお借りしました)

これは面白かった!
忙しい中、もう一本完走したドラマ。やっぱりラコーンは面白すぎるというのを実感。現在2周目絶賛視聴中!

偽装家族を連れて両親に会いに

舞台は1999年のタイ。
ピーター演じるポンドは、田舎に住む、20年会っていない父親が危篤と知らされ、最後に会いに行こうと決心。しかし、この20年の間、仕事もうまく行ってないし、妻とも離婚し、子供ともずっと会っていない。
しかし、両親には真相を知られたくないため、偽の家族をでっち上げて故郷へ向かう。

妻のマム役には元カノのリリー、娘のマグ役にはリリーの知り合いのビデオレンタル屋の女の子ブン、息子のモン役にはポケベル通信サービスで働いていて、偶然「息子役」の募集を知ったケグ、という3人を、3日間雇って連れて行った。

ところが、病院に到着すると、奇跡的に父親が回復。
退院できるまで回復して良かったが、さあ、偽装家族たちは困った!3日間の演技のはずだったのに、どうする???

人を安心させるための嘘は正しいのか?

偽装家族を演じ続けることを余儀なくされた3人、少しずつポンドの両親と仲良くなり、むしろ本当の家族のような愛情が育まれていく。皆で旅行に行ったり、ご飯を食べたりして楽しい田舎滞在を過ごすが、3人それぞれも、実は家族の問題や悩みを抱えていることが明らかにされていく。

そしてポンドの両親と仲良くなっていくうちに、楽しいのだが、やはり根底では嘘をついていることに良心の呵責を感じている。偽の家族という嘘は正しいのだろうか?これはもう「詐欺」なんじゃないか?

そんな嘘をつくことの意味、家族問題への問いかけが、もうすぐ2000年を迎え、Y2K問題を心配する都会のバンコクと、そんなのとは関係なさそうに時間がゆったり流れる、自然豊かなパンガーの田舎が、相互に舞台になって描かれていく。

二人の若手俳優が良かった!

ポンドと父親との確執から始まるストーリーでもあるが、娘と息子役を演じたブンとケグも家族の問題を抱えてた。

最初は娘役と息子役をぎこちなく演じる二人

どの家族の問題にも「嘘」が絡んでおり、二人がそれぞれの問題にどのように向き合っていくのかも見どころ。またその過程で、二人の関係も変わってきて、この部分はなかなか可愛くて、特に息子役のケグにはキュンキュン❤️

みんなアナログ人間?

上記のように舞台は1999年。2000年まであと1ヶ月ほどという時期の物語。その時代の象徴として出てくるのが「ポケベル」である。
このタイのポケベルであるが、日本のとちょっと仕様が異なる。私の理解では、電話番号を知らせるのではなく、メッセージの受信が主体のポケベルのよう。携帯電話がまだ普及していない、でも固定電話からは一歩進んだポケベルを登場させることにより、当時の”アナログ感”を出したかったのかもしれない。

しかし、最後まで見て感じたのは、ここでは”アナログ人間”が主人公ではないかということだった。
アナログ人間の定義を調べてみると、こちらにはこんな特徴が挙げられていた:

  • 直感的、感覚的

  • 協調、調和を重んじる

  • 人を喜ばせる、手伝うのが好き

  • 臨機応変、柔軟な対応が得意 etc.  

私がパッと思い浮かんだ「デジタルツールの操作が苦手」というのは、ほんの一つの短所であるらしい。
上に挙げた特徴を見ると、まさに本作の登場人物に当てはまる。
デジタル化が進む時代、「人間、アナログなままでもいいんじゃないか」とそんなメッセージも感じたドラマであった。

8話だが(タイでは「ミニシリーズ」になるらしい)、毎エピソード思いがけない展開に溢れており、コメディー感もあるので、あっという間に観れてしまう。
Netflixで最近あまり面白そうな作品がない中(え?前から言ってる?笑)、久々に個人的に大ヒット作であった。

こちらが予告編。

本作でとっても良かったケグ役の彼は、俳優としてのキャリアも長く、またJaylerrという名前で、ミュージシャンとしても活躍!彼の作品を他にも観たい!


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