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台湾BLドラマ「Innocent」(無邪)

主演:チャン・テチュン(張得中)、イー・ダーディアン(蟻大點)
2021年 全4話(1話20分)
いしゃーしゃ的オススメ度:★★☆☆☆
(写真=GagaOOLala公式サイトより)

だいぶ前に予告編が出て以来、うんともすんとも音沙汰がなかったこのドラマ。新冠疫情だか、資金不足だかでどうも撮影が進んでいなかったようだが、やっと出てきた。こちらも台湾のLGBTコンテンツ専門動画サービスのGagaOOLalaの、“2021年度Queer Up The Volume (同志音乐爱情故事)”というシリーズの一本。これは、台湾の文化省より公式にサポートを受けて制作される10人の監督による10本の作品シリーズで、既に記事にあげた「Papa & Daddy(酷蓋爸爸)」「Call it what you want」(タイドラマ)、「Best Sisters Forever(親親壞姊妹)」「LIGHT(小光)」も同シリーズである。

恋した彼は二重人格者

チャン・テチュン演じるウージェン(吳鉦)は、何かに追いかけられて怯えていた、イー・ダーディアン演じるユーシー(予時)を助ける。家に連れて帰って介抱してやるが、ユーシーが怖いからかしばらくウージェンの家にいたいというので、一緒に過ごすことに。少しずつお互いに惹かれ合い、ついには感情を抑えきれずになってしまった。二人でベッドに入ったところに、なんとシャオジェという女性が家に入ってくる!彼女はウージェンが知人に紹介された女性だった。

「他の女と浮気するなんて許せない!」
シャオジェはショックを受け、とウージェンを責めるが(いや、ウージェンと付き合っているわけじゃないんだけど)、そこへ割って入ってきたのはユーシー。
「彼が抱いてたのは女じゃない。僕だよ」
ずっとオドオドした感じだったのに、まるで別人のようになったユーシー。実は彼は5歳の時に受けた性的虐待がトラウマになり、解離性同一性障害(二重人格)になっていたのだった。彼の中に「ノア」という、ユーシーの身に危険を感じると出てくるもう一人の人格だった。
果たしてウージェンのことを好きなのはユーシー、それともノア?

プロットはいいんだけど

二重人格という障害に苦しめられている主人公というのは、なかなか興味深いのだが、残念ながらこの彼の精神的トラウマが取り除かれたのかどうかは、ちょっと有耶無耶なままで終わった感じであった。ウージェンと出会ったことにより、ユーシーの心が少しずつ癒されていったということなのだと思うが、なんかスッキリしない感が残る。

また、ウージェンと一緒にビリヤードバーを経営しているジュンジェと、臨床心理士シャンのサイドカップルのストーリーは要らなかった。これも唐突に出てきた感があったが、別に無理にくっつけなくてもよかったんじゃないかと思う。

第2話のウージェンのおじいちゃんと3人で過ごすエピソードは良かったし、まあまあまとまっているストーリーではあるが、同シリーズの他の作品に比べるとイマイチだったかな。だいぶ前に出た予告編が10分間で、「え、これからどうなるの???」と期待してただけにそう感じてしまったのかもしれない。

こちらが本作のテーマ曲、ジュリア・ペン(彭佳慧)が歌う「Twins(對面的我)」♪この曲が入ったアルバムもライブラリに追加して、初めてこの歌手の曲を聞いたが、どれもみんないい!


Queer Up The Volume (同志音乐爱情故事)の公式サイト(英語・中国語)はこちら↓ここから全ての作品、歌の紹介が見られる。