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韓国映画「王の男」

主演:カム・ウソン、イ・ジュンギ、チョン・ジニョン、カン・ソンヨン
2005年 119分
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★☆
(写真=[c]2005 Cinema Service Co., Ltd. All Rights Reserved [c]キネマ旬報社)

先日書いたイ・ジュンギ主演の中国映画の記事で、コメント欄でnoterさん達よりオススメしていただいた本作、韓流オタク友も未視聴ということだったので、一緒に観賞会。
時代劇は好きではないのだが、本作がBL要素を含んでいるようだったし、イ・ジュンギも見たかったので、早速観てみた。

宮廷に仕える旅芸人

朝鮮時代燕山朝。女性よりも美しい芸人仲間のコンギル(イ・ジュンギ演)を率いて漢陽(今のソウル)に上京して来たジャンセン(カム・ウソン演)は、王(チョン・ジニョン演)とその愛人であるノクス(カン・ソンヨン演)の関係を風刺した劇で街の名物となる。しかし、王を茶化したその芝居を宮廷が知り、屈辱罪で芸人一行は捕まってしまう。もう死ぬしかないと観念したジャンセンは、意を決して勝負に出る。この芝居を王の前で上映し、王を“笑わせる”と・・。しかし、芸人達は王を目の前にして、極度の緊張の為、思うように劇は進行しない。もはやこれまでかと思ったが・・・。
あらすじ:Wow!Koreaより

失敗して命をとられるかと思いきや、コンギルが機転を利かせたおかげで、なんと王が笑ってくれた!しかも、旅芸人たちを宮廷に住まわせるよう命令までするのであった。

王の享楽のために仕える旅芸人たちだったが、そのうちコンギルが王に気に入られるようになってしまう。ジャンセンが心配し、宮廷を出ようとみんなに提案するが、最後に内侍から頼まれた劇を上演することにした。

李氏朝鮮時代の暴君、燕山君がモデル

ただイ・ジュンギが出ているという理由だけで、なんの予備知識もなく(あらすじももちろん読まず)観た本作だったが、実に自分が韓国の歴史に無知であったかを実感(汗)。いや、日本史でさえ怪しいのであるが、視聴後に色々と調べてみたら本作の王が15世紀に実在した暴君の燕山君えんざんくん(noteのルビ機能を使ってみた!)をモデルにしているとのことであった。

最初はいい王様だったらしいが、次第に気に入らない側近などを殺したり、国中の女性たちを集めてハーレムでどんちゃん騒ぎなどして、ついには重臣たちのクーデターで失脚させられる。
本作では、旅芸人の部分は創作だと思うが(本作自体は元々原作の戯曲があるらしい)、内侍や愛妾ノクスも実在だったようだし、全体的な時代背景としては史実が取り入れられているようであった。

これってBLなのか?

ジュンギ演じるコンギルは、旅芸人でありながら、お客に呼ばれれば男娼としても働かされていたという設定。それが嫌で、ジャンセンと漢陽に出てきたのであるが、やはりその美しさゆえに王様にも気に入られてしまう。
しかし、少しネタバレになってしまうが、王は最初は必ずしもコンギルの美しさに惹かれたわけではなかった。彼が見せてくれる人形劇や影絵に惹かれていったのである。

この暴君の本作での設定が、ちょっと“バカ殿”というか、オツムの弱い幼稚な王様となっていて、だから人形劇に感動したり、愛妾のこともどちらかというと”ママ”みたいに慕っているような描かれ方がしている。
普段は隠されている、そんなちょっと子供みたいな純粋な部分にコンギルも惹かれていったと理解したが、どうだろう?
しかし、ジャンセンも本当はコンギルに相棒以上の感情を持っていたのか?

そして最後に宮廷でみんなが演じる劇は京劇
韓流オタク友と思わず「あー、やっぱり京劇かーっ!」と叫んでしまった。
こてこてのBLとは呼べないが、コンギル、王、ジョンサンの三角関係と、京劇というBL要素は一応あるということで、非常に微妙な雰囲気の作品であることは確かである。
ちなみに、旅芸人たちの下ネタの見せ物、私は王同様、結構ゲラゲラ笑ってしまった。

韓流オタク友は観終わってから「『麗〜花萌ゆる8人の皇子たち〜』のジュンギの方が良かった〜」とぼやいていたが、うーん、そちらは私は観るか微妙なので、個人的にはこの美しいジュンギで大満足であった。
韓国俳優はまだまだ知らない人が多いが、旅芸人の役のユ・へジンはわかったぞ!

15年以上前の映画だからか、公式の予告編などが見つからなかったので、こちらをリンク。ファンメイドのイ・ジュンギのシーンをまとめたMVである♪美しい💕


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