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韓国ドラマ「いつかの君に」(「時をかける愛」リメイク)

主演:チョン・ヨビン、アン・ヒョソプ、カン・フン
2023年 全12話(1話約60分)
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★☆
(写真=10asiaより)

韓国でのリメイクが発表された時から楽しみにしていた本作、キャストが発表された時も、彼らならいいなと思って、配信を待っていた。

本作は大好きな台湾ドラマの一つ、『時をかける愛』(以下「オリジナル」)のリメイク。

あらすじ等はすでに色々なところで出ているので、そちらを読んでいただきたい。

ここではいつもの如く、オリジナルとリメイクの比較を交えながら、思ったことを書いていきたい。基本的にネタバレはしていないが、やはり比較で内容に少し触れているので、まだ両作未視聴であまり知りたくない方は、ぜひ視聴してから読みにいらしてください!

リメイクダメダメポイント

すでにつぶやきでも書いているのだが、第1話目から「あれ〜?」感があった本作。とりあえず、3話までほぼ一気に見たものの、その後失速。でも気を取り直して観始めたが、どうしても色々な点がもやもやしたので、5話まで視聴した時点で、オリジナルの第1話を再視聴(現在、アマプラなどで配信中。ただ、日本版は話数が異なり、日本の2話分がオリジナルの1話分)。
そして、やっといくつかのもやもやが解消された。

(1)構成が雑

この感想は、アジアドラマファンのディスカッショングループで両作視聴した人たちからすでに続々と上がっていた。オリジナルを観ていない人でも、多くの人が3話あたり、そう、ちょうど私が失速したあたりで挫折している。
なぜなのか?と思うと、そう、過去と現在の行き来の過程が思いっきり雑なのだ。これは、半ばからストーリーがわかってくれば、あまり気にならなくなってくるだろう。しかし、オリジナルではきちんと夢、過去、現在のシーンの切り分けがとても上手くできている。
ただ、時空的に行き来するのは、この作品の特徴でもあるので、こういう設定が気に入らない方もいるかもしれない。

本作で過去に行くきっかけとなる曲はこちら。


(2)何でもかんでも理論的に、合理的にしすぎ

本作の方が短いため、色々な部分が端折られているのは当然。もちろんそれはいいのだが、いくつかの場面では、オリジナルがより絵やシーンなどで表現されている部分が、本作では合理的な会話で説明されている。

過去のことについて探すきっかけとなる写真であるが、この写真の登場の仕方も、オリジナルの方が断然説得力がある。本作ではここでミステリー感を出したかったのかもしれないが、ちょっと唐突感があった。

このように、他にも細々とあるのだが、色々な部分が合理的に説明されてしまうため、オリジナルにふんわりと漂っていたミステリーの雰囲気、ノスタルジックな空気が消されてしまっているような気がしたのは、私だけだろうか?

過去のことを調べるきっかけとなる写真(Picture=CTTO)


(3)OST、これは個人の好みかな

これは一般的にはダメダメポイントではないだろう。ただ、個人的にはオリジナルのOSTがあまりにもよかったし、まあ、K-POPと台湾ポップをどちらか選べと言われたら、台湾派だしね。
もちろん、本作もオリジナルの音楽の効果をわかって作られているので、それなりにいい曲は集められている。
また、きちんと過去作のリメイクと現在の曲というのもシーンによって分けられているらしい。これは私がK-POPに詳しくないので、よくわからなかったのは仕方がないだろう。

私はよく知らないが、OSTの中でも人気の一曲。ドラマのBTSを集めているスペシャルMVバージョン。


(4)ロウンのカメオ出演について

「ねえ、ロウン見た?」
と韓流オタク友から言われ、「え?」。
その時点で10話まで視聴していたが、正直気が付いていなかった。まあ、彼のドラマを見たことがないので、気が付かないのも当然かも知れないが、イケメンが出てくればそれなりに気がつくはずである(上記のように、私はK-POPは詳しくないので、主演ドラマでも見ないと見分けがつかないのだ)。
そして、彼女の話やネットの情報から該当箇所がわかった。これは本作の話題になったポイントの一つでもあろう。

しかし!そこはいしゃーしゃ的問題シーンの一つである!!

この部分も実は、本作の該当箇所を見終わった後で、もやもやしたのでオリジナルも見直していた。ネタバレはしたくないから詳細は書かないが、LGBTに関連する部分といえば、視聴した方にはわかるだろう。

オリジナルのこのシーンは、ドラマの中でも秀逸なだけでなく、特殊なシーンでもあった。とても短いが、会話はなく、五月天の歌をバックに字幕テロップが流れるだけ、というつくりなのである。
その中でのシュー君(許光漢)の表情がやるせなく、印象に残るものであった。

本作視聴中は、「あーっ、もうこれ、ダメダメ!」となっていたが、よくよく考えてみると、この部分はオリジナルの真似をしたところで、それもそれでダメ出しされる(少なくとも私に、笑)。ならばいっそのこと、設定を変えるのもありだろう。なのである意味、ロウンを使って異なるテイストにしたのは案外正解なのかも知れない。

でもやっぱり観る価値はあり!

とまあ、ごちゃごちゃと色々書いたが、なんだかんだ言って、やはりストーリーがいいので、観る価値はあるドラマである。
特に、オリジナルを視聴していない方にはもやもやする部分はないと思うし(え、もやもやしたの私だけ?笑)、少し短めの構成になっているため、観やすいと思う。

それにキャストがいい。
インギュ役のカン・フンは初めて見たが、アン・ヒョソプもチョン・ヨビンも高校生役も、大人の役も、違和感なく演じていて、良かった。
ミンジュの叔父役のパクヒョックォンもまさにうってつけの役であった。

というわけで、日本では評価も高いし、私の上記の文句など気にせずに、“入れ替わり”ストーリーがお好きな方、韓流ファンの方には観ていただきたい。

そして、台湾ドラマ、台湾音楽に興味のある方で、まだご覧になっていなければ、ぜひともオリジナルをオススメ❣️


こちらがOSTの一曲で、後半に頻繁に流れていたような気がする『Never Ending Story』のドラマ版ショートバージョン。


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