医学的に証明されたニキビの治し方(マスクニキビ追記)
なかなか治らないニキビ、、、
治ったと思ったらまた出てきて、ため息。そんなくり返しですよね。
「どうせ皮膚科に行っても治らない」
「先生はちゃんと肌を見てくれない」
「ステロイド処方されるだけでしょ」
と思ってネットやインスタグラマーがやっている肌断食、にきびパッチ、市販のニキビ薬などなど、、、嘘か本当かわからない方法でやっているアナタ!
私もそうでした。
そんな負のループから抜け出して、先生を信じられる様になったのはあるものがあったから!
それは、、、
にきびは医学用語で尋常性ざ瘡というれっきとした病気で、ガイドラインとは数々の研究を元にして作られた治療方針の基本軸になるもののことを言います。
この記事ではガイドラインの要約と個人的なレビューを書こうと思います。
もっと早く出会って皮膚科に通院していれば間違ったニキビケアをしないで済んだのかも、と後悔しているのでにきびができたらまずは皮膚科受診を強く勧めます。
日本は非常に恵まれていてニキビの治療は保険診療なので、巷で高級な化粧品を買うよりもずっと安く治せます。
多くの研究(しかも日本人の肌対象)を元にして作られたガイドラインを見れば、必要な薬や期間も分かるので信頼できる医者も見つかりやすいのでは。
噂では、ここに書いてすらいないステロイド外用薬や内服薬などを処方してくる医師もまだまだいるとか。
ネットで公開されているので、正しい知識を見つけて信頼できるかかりつけの皮膚科を見つけましょう!
ガイドラインを見ると急性炎症期の治療は12週での研究が多いです。治療期間が長いので「治る」と信じて根気よく続けることも大切なんだなと気付きました。
体験談はこちら
今回は、ガイドラインで急性炎症期の治療について成分と個人的に使った外用薬に対してはレビューを書きます。ただし、肌は個人差があるのでレビューはあくまでも参考程度にしてください。(研究結果などはガイドラインを参照してください。)
0.外用薬まとめ
1. アダパレン0.1%/ディフェリン
アダパレンはレチノイドという面皰改善作用と抗炎症作用をもつ物質に似ており皮膚刺激性が改善された物質です。
ただし、妊娠している方や妊娠を予定している方は催奇形性の可能性もあるため使えません。
ビタミンA様作用を持っているため皮剥けが起こる人も。
個人的には、外用薬の中ではマイルドで効果も皮向けも少なかったように思います。
2.過酸化ベンゾイル 2.5%配合
過酸化ベンゾイルは皮膚中で分解され「フリーラジカル」を生成することで抗菌作用や角層剝離作用(ピーリング)があります。
抗生剤ではないので耐性菌を作らずニキビを抑えるほか、角層剝離作用でニキビを作りにくくする作用もあります。
副作用として、角層剝離作用があるので使用後にヒリヒリしたり、皮膚が赤くなったり、皮膚に粉が吹いたりします。
個人的なレビューですが、使った後から非常にかゆくて赤くなってしまいました。
かゆみでにきびのところを触らずにはいられなかったため、私には合わない薬で先生と相談し中断しました。
この時は一気に塗りすぎてたことが判明したので、少量から再開すると赤みは出るものの痒みはなかったです🙆♀️
はじめて使う人は少量から使用し、ヒリヒリ感など副作用が許容範囲内か判断するのが良いでしょう。
肌体験記はこちら
3.デュアック= クリンダマイシン 1%/過酸化ベンゾイル 3% 配合ゲル
クリンダマイシンは抗生物質で、数ある外用抗菌薬の中でもニキビに効果があるとされています。
単独でも急性炎症期の使用は推奨されていますが、合剤の方が効果があったとの報告もあります。
なのでクリンダマイシン+過酸化ベンゾイル合剤のデュアックは結構効果があるのでは?と思いますね。
4.エピデュオ=アダパレン 0.1%/過酸化ベンゾイル 2.5%配合ゲル
アダパレンに加えて先程紹介した過酸化ベンゾイルが配合されたゲルです。
効果は抜群ですが、日本人には皮膚刺激症状が単剤よりも配合剤の方が強くでたとの報告もあるのでまずは単剤使用を推奨しています。
5.外用抗菌薬
2でも紹介した外用抗菌薬(クリンダマイ シン,ナジフロキサシン,オゼノキサシン)です。中でもクリンダマイシンは8-12週の試験で効果が高いとされています。
途中でやめてしまったり長期間使用すると耐性菌を作ってしまうので、8-12週経っても効果が見られないようであれば皮膚科医に相談しましょう。
塗り方は炎症があるところのみピンポイントで塗ること。
あと、アクアチムはローションかクリーム!軟膏は毛穴詰まり助長するからNG!
わたしはゼビアックスをもらいました。
付けたあと膜のようなものができ朝になるとペリペリと剥けるのがおもしろいです。皮膚刺激症状はないので、今のところ合ってるのかなーという印象。
6.内服抗菌薬
外用薬との併用で多くの研究で有効性が示され、ガイドラインでは炎症性皮疹に内服抗菌薬を強く推奨されています。ただ、耐性菌の出現を防ぐため3 カ月までとしています。(耐性菌ができちゃうと本当に必要な時に効かなくなっちゃうため)
詳しい薬名はガイドライン参照してください。自分が皮膚科からもらった時に見てみると面白いと思いますよ!
私は、クラリスロマイシンをもらって調べて見たら推奨度C1でした笑
とりあえず飲んでみて効果を見てみます。
ガイドラインが公開されていることで、アレ?推奨度C1だったのかとわかるのもいいことですね。
7.自由診療
日本でもできる自由診療をまとめてみました!
安いのでまずは保険診療で、それでもダメなら自由診療が良いと思います。
また、2019年にFDAで承認されたタザロテンを含む現時点で日本でできなそうなものは省いています。
①アゼライン酸
アメリカの尋常性ざ瘡ガイドラインではわりと薦められていて炎症後色素沈着にも効果的とされています。
15-20%の論文が多いので、本気で治したい方は15%以上を選ぶといいと思います。
10%でも効果があるとされている研究もあるのですが、数が少ないので微妙です。
②トレチノイン
ビタミンA誘導体の一種であるトレチノイン。
アメリカの尋常性ざ瘡ガイドラインでも勧められていて、皮脂分泌作用や角質剥離作用でニキビになりにくくするものです。
こちらも内服抗生剤と一緒に薦められています。
③ケミカルピーリング
ニキビの原因は毛穴のつまりなので、ピーリングで角質剥離もしてつまりをとりましょう、ということです。
美容業界の間でも有名なケミカルピーリング。推奨度は選択肢の1つとして推奨であるC1(グリコール酸、サリチル酸マクロゴー ル)、現時点では推奨しないC2(サリチル酸エタノール)となっています。
予防にもなります!
効果を実感するのには回数も通わないとなので、時間と値段を考えてそれでもやってみたい人は良いと思います!
④内服
スピロノラクトンの内服(女性のみ)、イソトレチノインの内服(重症者のみ)があります。
・スピロノラクトン
女性も少なからず男性ホルモンが出ていて、量が多かったり感受性が高いとニキビがでることがあります。
本来は利尿剤ですが、男性ホルモンを抑える作用があるため女性を対象に処方するクリニックも。
・イソトレチノイン
重症ニキビに対してアメリカでは処方されます。
ただ副作用で催奇形性や鬱症状がでるのでは?と言われているので、何も効かなかった時の最終奥義!として使う方が良いかと思います。
⑤レーザー
効果は弱いですが、毛が生えている毛穴の方が詰まりを改善するため脱毛をする。
熱による殺菌を狙って、IPLなどとなります。
8.生活習慣
・ストレス
イタリアやフランスで行われた研究ではざ瘡群の方が有意に強いストレスを受けていたという報告があります。
個人の意見としては、ざ瘡の患者さんがストレスを感じている環境にいるのかざ瘡によってストレスを感じているのか相互関係が困難だと思います。
ニキビができる原因としてストレスホルモンが考えられています。
ストレスホルモンによって男性ホルモンである副腎アンドロゲンの分泌が促進されて皮脂分泌を更新んさせているのではないかとされています。
・睡眠
夜更かしでざ瘡が悪化するという研究がある。睡眠不足によってストレスホルモンから男性ホルモンが出るまでの機序の抑制がかからなくなるのでは、と言われています。
・食事
実はネットではチョコレート・ナッツでニキビが悪化すると言われていますが、実際には差がなかったという報告もあります。
ただしチョコレートに関しては様々な研究が発表されていて今後変わる可能性があります。
★糖質・炭水化物
チョコやナッツが悪いと言うよりかは糖質・炭水化物がざ瘡悪化させていると推測されています。糖質の解糖エネルギーを利用して生合成されるトリグリセリドが皮脂の主要成分であるため、糖質摂取が皮脂合成増加させるのでは、と考えられています。
いくつかの研究では低糖質の方がざ瘡が改善したとされていますが、エビデンスレベルは低いです。
★低脂肪乳・無脂肪乳
低脂肪乳や無脂肪乳がざ瘡と関係がある可能性があります。
乳脂肪を多く含まれる牛乳よりも低脂肪乳や無脂肪乳を飲んだ人の方がざ瘡が生じ関連が強いのではないかと考えられます。牛乳に入っている乳脂肪以外の成分が何かしら関係しているのでは?と考えられています。
番外編 マスクニキビ=Maskne対処法
最近、質問でも多いマスクニキビについて。
アメリカ皮膚科学会の資料を参考に作っています。マスク特有のことのみ選抜しています。
①洗顔
マスクについている雑菌が顔に残っているので洗顔。
正しい洗顔法の記事はこちら
②保湿
乾燥肌の人がマスクで肌荒れしやすいとのこと。
セラミドやヒアルロン酸など保湿成分をいつもよりも多く与えることも大切。
③ピーリング作用のあるものは控える
ピーリング作用があると肌が敏感になりやすいのでマスクからの刺激で荒れやすくなります。
④マスクの生地を選ぶ
肌に当たる部分は、綿など柔らかいものを選択。
ナイロン・ポリエステル・レーヨンなど合成繊維は控える。
⑤4時間ごとに15分マスクをとるmask breakを取る
⑥マスクを洗うor捨てる
以上、ニキビの治療についてでした。
医学は日進月歩なので、日々アンテナをはって正しい情報を得ていきたいですね。
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参考文献
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/acne_guideline2017.pdf
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