見出し画像

食の循環を創出するプロジェクト「三重の恵み」

『コロナショックで外食疎遠に。需要が消失…行き場を失う食材たち』

2020年4月7日、新型コロナウイルスの影響で全国各地で緊急事態宣言が発表されました。自店も営業を自粛する中、僕は居ても立っても居られなくなりました。
ー「今の自分に何かできることはないだろうか。」


まずは現状を知ろう、そう思った僕は、すぐに取引先の生産者数十軒に連絡を取り、特にひっ迫した状況だと感じた食材の生産者と一緒に、手探り状態で動き始めました。
特に緊急性が高そうな食材は伊勢まだい、そして三重県のブランド地鶏である熊野地鶏、桑名はまぐり、みえジビエ、そして川の女神と呼ばれるあまごなど。どれも行き場を失っていました。この食材たちを使って、今すぐに何かできることはないかと連日、生産者や料理人、知人と意見を交換しました。

画像1

「行き場を失った食材」にはいくつか共通点がありました。
・その食材の販売先が「飲食店」や「市場」をメインとしていた
・地元消費よりも、東京や大阪などの大都市に販路を持っていた
コロナにより全国規模で人の移動が制限され、星の数ほどある東京の飲食施設が一気に営業自粛を余儀なくされたため、膨大な食材、特に家庭の食卓にはあまり並ばないような高級食材が「行き場を失った」状態になりました。

画像5

これまでの経済の仕組みでは、高級食材はお金の動いている場所で消費されていて、地元で消費されるものではなくなっていました。そのため、顔の見えない遠くの誰かの消費に頼ってしまっている状況にあります。
コロナが作った不安定な世の中で浮き彫りになってきたのは、このような今までの経済の在り方の弱点でした。

僕は、僕と同じように「コロナ禍に出来ることがあるのではないか」と燻っていた仲間と共に、プロジェクトを立ち上げることにしました。
コロナで行き場を失った食材の商品開発を行いながら、身近な生活圏で食や医療、教育などが循環できるシステムを創造するプロジェクトです。

画像2

新しい地産地消の提案

まずは、南伊勢町の伊勢まだいを使った鯛茶漬けを開発しました。使う食材も加工してくれる工場ももちろん身近な生活圏(三重県内)で作り上げました。そしてプロジェクトに共感してくださった三重県内のお店で販売していただけることになりました。この商品の目的は、「伊勢まだいの行き場の確保」と「地元の人が伊勢まだいの魅力に触れる」ことだからです。

地産地消をアップデートして、地域循環共生圏、経済圏が小さな単位で簡潔させることで、今回のような「行き場を失う食材」を減らすことも出来るようになるでしょう。
地元の人が地元で生活できる事は当たり前のようで簡単ではありません。
しかし実現出来たら日本が抱えている様々な問題を解決できるでしょう。地域が持つ魅力や価値が高まっていくかもしれません。

三重県は美味しい食材の宝庫で、まだまだ知られていません。
三重県にはこだわりをもった生産者さんがたくさんいる、そんな食材と料理人で化学反応を起こしたいのです。

画像3


料理人の僕ができる事は、美味しい料理を作る事。
プロジェクトに賛同してくれた生産者と、このプロジェクトをより多くの人に知ってもらい興味を持ってもらうためのデザインをしてくれる仲間と一緒に立ち上げたのが「三重の恵み」です。
僕の地元三重県の食材を生産・加工・販売し、販売利益で炊き出し、地元のフードバンクへの寄付、食育の授業講演などをどんどんやっていきたいと思っています。
真の意味で循環する社会の実現に向けて、まだまだはじまったばかりです。

画像4

僕らの目指す新しいライフスタイルの提案「その一口が世界を変える」。

僕は「三重の恵み」を通して、懐かしくて新しくて元気な地元の未来を想像できます。アップデートされた地産地消の形を、まず自分の地元で成功させて、全国にその考え方を広めていくことが大切です。

自分の地元が、魅力あふれる豊かな地元だと誇れる地元になったら、最高じゃないですか?

田中佑樹


フォローよろしくお願いします▼▼▼
田中佑樹個人のTwitterアカウント @isesueyoshi
お店のInstagramアカウント@isesueyoshi
メールもお待ちしております!▼▼▼
info.sueyoshi@gmail.com

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?