見出し画像

目標売上高・利益を設定する際の参考情報 ~「中小企業白書」のご紹介~

はじめに

 公認会計士・税理士の伊勢です。「経営者の右腕となって、数字で意思決定に貢献する」ことを経営理念とし、会計事務所を経営しています。

 目標売上高や利益を設定した上で会社経営を行うことが大切なのは自明ですが、これらをどのように設定したらいいか判断できずにいる方もいらっしゃるかと思います。

 この点、中小企業庁が「中小企業白書」等の文書を毎年公表しており、それらには全国の中小企業の状況を把握するのに有用な情報が記載されています。

 今回は「2019年版中小企業白書」に掲載されている中小企業の売上高・利益の関する情報をご紹介いたします。

↓弊所のHPです。よろしければご覧下さい。
https://ise-office.site/

中小企業の売上高

ポイントは次の3点です。
・調査対象企業のうち、売上高1億円以下の会社が過半数を占めている。
・売上高3~4,000万円の企業が最も多い。
・売上高の中央値は1億円弱。

無題

中小企業の営業利益

ポイントは次の2点です。
・営業利益が△400万円~400万円の会社が過半数を占めている。
・営業利益の中央値は約100万円。

無題

補足と私見

 上記の調査は、約98万社を対象として2014年(H26年)決算書データを基に行われたものです。業種や地域に偏りがないよう調査対象が選定されているため、全国全業種の会社の参考となるかと思います。

 今回ご紹介した指標であれば、例えば「売上高及び営業利益で上位50%以内を目指すべく、○○までに売上高1億円、営業利益400万円を目標金額とする。」ですとか、起業される方又はされて間もない方であれば「多くの会社が達成している年間売上高4,000万円を創業から5年で達成する。」といった形で目標設定の参考にすることができるかと思います。

 目標とする売上高や利益は、経営者の方が思い描く会社・事業の形や働き方、生活等の理想像を数字に当てはめて因数分解したり、固変分解をして損益分岐点を把握したりした上で決めるものですが、併せて現実的に達成可能かどうか、他社はどうかなどを確認するものとして、上でご紹介したような情報は有用かと思います。

最後に

 今回ご紹介したのは「中小企業白書」のごく一部に過ぎず、当該資料にはより詳細な情報が掲載されています。また、今回は「中小企業白書」に掲載されている全業種の売上高及び営業利益に関する情報をご紹介しましたが、「中小企業実態基本調査」では業種(産業)別の売上高及び営業利益の統計情報が公表されています。

 いずれの資料も自社の参考となる情報があるかと思いますし、全国の中小企業の現状を知ることもできますので、毎年「概要」だけでもご覧になることをおすすめします。

※参考 中小企業庁「中小企業白書」https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/

↓弊所のHPです。ぜひご覧下さい。
伊勢会計事務所
https://ise-office.site/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?