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〜伊勢の光と響きに導かれて〜

秋晴れの清々しい光と風の交差する2021年10月下旬、伊勢市主催クリエーターズワーケーションの参加クリエイターとして、2週間ほど伊勢市に滞在する機会をいただきました。

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初めての伊勢、そしていつもと違った環境の中での創作活動のチャンス。
この絶好の機会に、様々な伊勢を味わってみたいという思いから、内宮、外宮、河崎、二見浦と場所を移動しながらの滞在となりました。

私は音楽家で、自分の主たる表現方法は音楽を作り、ピアノや歌で奏でる事。
今回の滞在では、「伊勢で感じたインスピレーションをそのままタイムリーに音楽にして表現したい」という思いから、事前に担当の方に「滞在中、どこかピアノを弾けて仕事に集中できるスペースを使わせていただく事は出来ないだろうか?」
とのリクエストを出させて頂きました。
そしてそれが今回の滞在で大変お世話になり、大切なご縁となった『かぐらホール』との出会いとなりました。

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滞在初日。まずは伊勢の神様にご挨拶と今回の滞在が素晴らしいものになればという願いを込めて、さっそく伊勢神宮の外宮と内宮にお参りに行きました。

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初めて内宮の前に降り立った時、どこか時空の歪むような感覚と強烈な気を感じ、フラフラしながら中に入っていったあの感覚は今でも忘れられません。
力強い太陽の光、キラキラ光る木漏れ日と、まるで合唱しているかのような風の音、そして突如目の前に飛び出てきて、じっと見つめ合ったタヌキ君。

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そのどの瞬間も、どこか祝福と歓迎をしてくれているように感じて嬉しくなり、初日にして伊勢の空気が自分には合うな、居心地が良いなと感じることができました。

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そして滞在中使用させていただいた美しき『かぐらホール』
https://kagurahall.com

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外宮前という特別なロケーション、お隣は素敵なフレンチレストランのBon
Vivant。
中庭がありヨーロッパの町の一角を感じさせるような素敵な建物の奥に位置するそのホールは、暖かな光の差し込む大きな窓が特徴的で、小さな教会のような神聖さも感じられるとても素敵なホール。

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そこに凛と置かれた一台のグランドピアノ。
滞在中、思う存分使って良いとおっしゃってくださったオーナーの上島さんの優しさには心より感謝しています。
この素晴らしい環境に感動し、より一層充実した滞在にしたいという気合も入った初日となりました。

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最初に滞在した宿は外宮から歩いて数分ほどのレンタル着物屋さん和装庵さんに隣接する宿を使わせていただきました。
冷蔵庫やシンクもあり、居心地の良い空間。オーナーさんも優しく、着物のレンタルもあり、外宮近くでゆったりと落ち着いた場所にステイしたい、という方にはおすすめの宿です。
https://wasouan.com
ここから日課となったホール通い。
かぐらホールの窓から差し込む朝日を浴びながらさっそくピアノを弾いた。美しい響きの空間を独り占めできる贅沢と幸せを噛み締めながら、
「ここにずっといたい、、、この時間がずっと続けば良いのになぁ、、、」
と日々感じる贅沢な時間。

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もちろん観光や伊勢グルメも堪能した。
レンタル自転車で神宮さんへの参拝巡り、おかげ横町での食べ歩き。
友人が訪ねて来た夜は、ハシゴしながら贅沢に伊勢海老や伊勢牛、アワビにイクラ丼、日本酒など伊勢の幸とグルメを一気に食べ尽くした。
どれもとっても美味しくてお腹も大満足!


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神宮さんへの参拝は日々の日課となり、早起きをして日の出参拝も何度か体験した。
薄暗い中から徐々に神々しい太陽が登り明るくなっていく空を見上げながら
伊勢へのお導きに感謝した。

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東京から持ち込んだ作曲仕事と、伊勢で得たインスピレーションを基にした作曲と、かぐらホールでの日々の創作活動はとても充実していた。
ある日は、お隣のレストランBon Vivantのランチへ伺いました。
(BonVivantさんには滞在制作期間中大変お世話になり、心より感謝いたします。)
https://www.bonvivant1983.com

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お料理はどのお皿も彩り豊かで美しく、伊勢の特産物を使ったお料理も感動的な美味しさ。どれも手の込んだ一品で、シェフの思い、伊勢への愛を感じる、伊勢のここでしか食べられないフレンチコースを存分楽しませていただきました。自家製焼き菓子もどれも美味しく、お土産やプレゼントにとってもお勧めです。

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ある時は、河崎という古い建物や昔ながらの蔵が並ぶ風情豊かな町にある「たらちね」という古民家に宿泊させていただきました。
古民家といっても中はとてもキレイに使いやすく整備されていて、とても居心地の良い建物。夕暮れの美しい河沿いの道を歩きながら古民家に帰って眠る。
東京ではなかなかできない素敵な経験でした。

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伊勢滞在で特に印象に残っている情景の一つに「光」があります。
太陽の力強さには天照大神を感じ、水面に映り揺れる光には黄泉とのつながりや平行宇宙を感じ、とても神秘的な体験でした。

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滞在後半では、二見にも滞在させていただきました。
二見浦の海は雄大で美しく、夕暮れの景色と波の音には癒されました。

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伊勢では、風の音や波の音、川のせせらぎなど、自然の奏でる音楽からも大きなインスピレーションを得ることができました。
木々の生命力と温もりからは、地球の呼吸を感じられたり。
都会ではなかなか聞けない音に耳をじっくり傾けて浸る時間は、この上ない贅沢なひと時です。

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滞在ラストの数日間には写真家であり映画監督である石川梵さんをお招きして、伊勢での撮影を行いました。
(撮影にご同行ご協力いただいた事務局の三宅さんと石川さんと)

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石川梵さんの主な作品には、ドキュメンタリー映画の話題作「くじらびと」や「世界で一番美しい村」がありますが、かつて30年にわたり伊勢神宮を撮影し伊勢神宮の本や写真集も出版されている伊勢とのつながりも深い写真家・映画監督。
今回、伊勢での滞在を何か作品として形に残したいという思いからお声がけさせていただき映像撮影にご協力いただきました。

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多くの方々のご協力を得て、伊勢神宮内や別宮の瀧原宮、二見浦や養命の滝など、様々な場所で撮影をさせていただくことができました。

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(撮影:石川梵)
(石川梵さんとのコラボレーション映像作品は、現在制作中ですので公開されましたら随時こちらにも更新していけたらと思います。)

11月4日、ついにやってきた滞在最終日。
この2週間の成果と、今回の滞在でお世話になった皆様への、私なりの感謝の気持ちを表したく思い、かぐらホールにてミニコンサートを開催させていただきました。

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プログラムは、滞在中に作った出来立てホヤホヤの曲をメインに、これまでの自作曲なども交え構成しました。
伊勢で感じた光、風、響き、祈りなどを題材に滞在中作曲した曲を、伊勢の皆様に最初に聴いていただけた事は、とても嬉しかったです。
開催にあたりご尽力くださいました「かぐらホール」の皆様と、お越しいただいた伊勢の皆様には心より感謝いたします。

こちらはこのコンサートで初披露した中の一曲です。
伊勢神宮で感じた、「静かな祈り」をテーマに作曲しました。

また、こちらは二見浦の波からインスピレーションを得た響きです。

あっという間の約2週間の伊勢滞在は、多くの方々のお力添えのおかげで、夢のような時間となりました。
音楽家としてこの上ない環境での、滞在制作。この期間で生まれたインスピレーションと楽曲モチーフは、現在制作中の新作にも活かされています。
居心地の良さと温かさを感じると同時に、インスピレーション湧く神聖で神秘的な場所。
それが私にとって今回感じた伊勢です。
またこの地に帰り、次なる創作活動を行いたいという夢を抱いています。
そして今回お世話になった皆様に、心より感謝申し上げます。

中島 千絵(Nakajima Chie) 音楽家/作曲家/ピアニスト

http://chie-nakajima.com/

【滞在期間】2021年10月22日〜11月4日

※この記事は、「伊勢市クリエイターズ・ワーケーション」にご参加いただいたクリエイターご自身による伊勢滞在記です。
伊勢での滞在を終え、滞在記をお寄せいただき次第、順次https://note.com/ise_cw2020に記事として掲載していきます。(事務局)