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『大きな嘘の木の下で』レビュー

“田中修治本”2冊目。
前著『破天荒フェニックス』は小説形式だったのに対し、今回は、多くの人が“常識“と思っている通説に「本質はそうじゃないよね」と“ウソ“を暴く形式で「6の本質(的な考え方)」がまとめられているビジネス書。
章により熱量の偏りがあったが、特にCHAPTER4「成功論のウソ」は、田中さんが言葉を尽くして伝える「お前ら、目を覚ませ!!自分で自分を縛り付けるな!!!」という熱い言葉が心に突き刺さった。
これまで自分が「仕方ない」と諦めていたことが、「そんなの運命でも大人な考えでもなんでもない。自分に都合の良い言い訳しているだけだ」とズバリ言い当てられた。
「痛いところを突くな」というよりも、「確かにそうだ。自分に言い訳したいだけなんだ」と、無意識の足かせを解かれて自由になれた気分だった。
今回はそんな、田中さんの熱いメッセージが詰まった本書後半を中心に、まとめたいと思う。

1. この本を一言で

「限界」も「可能性」も、すべては自分次第。
才能も、環境も、境遇も、他人も、運命も、味方もしてくれなければ邪魔もしない。
すべては自分次第。行動せよ。

2. 3つのポイント

① 「できないことはない。行動しないと始まらない」でも、できない理由
「なりたい自分」や「夢」を目指して行動すれば、実現する可能性は0.1%でもある。でも、最初から諦めたら、実現できる可能性は0%。人生の可能性を自分で閉ざしてしまうことになる。
では、なぜ「自分ではできない」と思ってしまうのか。その要因と、それを乗り越えるための考え方が次である。

自意識過剰
誰もあなたのことなんか気にしていない。躊躇して行動できない時は、”自意識過剰になっているだけだな“と思うようにすること。
環境のせい。才能のせい。境遇のせい。
それは、自分が不安に打ち克つ精神力がないだけ。自分が傷つきたくないから言い訳をしているだけ。
成功者は、環境も才能も境遇も人それぞれ。共通しているのは、諦めずに「行動し続けた」ということだけ。
誰も、あなたが夢に向けて努力することを止めることなどできない。
まだ自信がない
自信なんて、いつまでたってもつかない。問題を先送りにするための言い訳。
だから、「●●を達成したら▲▲する」と、次のステップに行くために必要な要素を目標として、予定に組み込んでしまう。
選択に迷う
「選択」自体に意味はない。同じ「選択」をしても、天国にも地獄にもなる。自分が選んだ「選択」を成功にするために、本気で努力するのみ。

これまで成功してきた人だって、自分と同じ人間。特別な存在ではない。
ただ1つ、不安な夜にも打ち克ち、成功するまで行動し続けた人である。

② 自分の欲望を満たすために、周りのみんなを豊かにする
自分ばかりが利益を受けられるようにすると、「この人のために頑張って報われない」と思われ、結局自分の利益とは真逆の方向へ向かう。
一方で、「1人1人を豊かにする(利益を還元する)」=「この人が成功すれば自分も得をする」と思ってもらえたら、もう少し頭を捻って頑張ろう、と思ってもらえる。それは結局自分のためになる。

③ 人に期待しない
「人に期待する」とは、自分で努力することを放棄し、他力本願になること。他人に自分の運命を委ねると、「この人のせいで失敗した」と言い訳したくなる。人に期待すると、期待を裏切られた時に失望して、人に当たってしまう。「期待」するから様々な弊害が生まれる。
逆に、「期待」しなければ「失望」もしない。普通のことが「期待以上」に思えて、感謝できる。幸せになる。
人に「期待」せず、自分の目標は、100%自分の力で達成できるようにすること。人に押し付けないこと。

3. 面白かったこと

「人の上に立つ」ではなく「中心に近づく」
出世すること。それは、人に信頼されるようになること。人間関係として「上」に向かうのではなく、「中心」に向かうこと。「中心」に向かえば向かうほど、熱量も高いしハードである。
「中心に向かう」と考えれば、自分の地位にあぐらをかくこともできない。プレッシャーがかかり続ける。「人間」に上下関係があると勘違いしてはいけない。

「百考」は「一行」にしかず

・百聞は一見にしかず
・百見は一考にしかず
・百考は一行にしかず

行動することが最上位。
行動すれば、すぐに学べる。いくら考えても、行動しないと何も変わらない。

4. 最後に

多くの自己啓発本を読んでも、多くの成功者のインタビューを聞いても、結局は「行動」しないと始まらない、というシンプルな前提条件に行き着く。
だがこの「行動」という最初にして最大の関門にふるい落とされて、スタートラインにすら立てない人が多くいるのだろう。自分も漏れずに、その一人だった。

遥か遠くにあるように思える理想の自分に人生をかけてたどり着けるか、自分の夢が叶えられるかどうかは、100%自分次第。自分の意志と行動以外のナニモノも、それを邪魔することも救うこともない。一見、とてもストイックに思えるが、「自分次第でどこまでもいける」ということは、可能性の扉が一気に開かれるような気がして、「限界」の呪縛から解き放たれる、自由な心地がする。

もう言い訳することはできない。「百考は一行にしかず」で行動をしたいと思う。

ビジネス本を何冊か読み、シンプルで明快な1つの結論にたどり着いたところで、次回は、いわゆる自己啓発本から少し離れたジャンルの本を読みたいと思う。

『大きな嘘の木の下で』の中でも紹介され、前々から噂にも聞いて読んで見たいと思っていた本『失敗の本質』で、「失敗」をサイエンスしたいと思う。


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