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私に仕事を教えた100人 エンジニア編#1「アイツを呼ぶしかない」

1985年、私の会社員としての最初のキャリアは、厚木にあるソニーの半導体の事業所で始まった。入社した時点では、半導体エンジニアの卵にも及ばなかった。大学の専攻がコンピュータのソフトウエアで、そのソフトウエアでさえ学生レベルの知識。

これはヤバイ、大変なことになった。そして思った。

アイツを呼ぶしかない。

その「アイツ」を紹介する前にまず、ニュースでときどき耳にする「半導体」と言うキーワードについて少し説明したい。昨今では、東芝が稼ぎ頭の半導体部門を売却か、と言う話題が取り上げられた、あの「半導体」である。

まず、金属など電気を通す素材が、導体。木やプラスチックなど電気を通さない素材は、不導体。

そして、ある一定の条件のときだけ電気を通す素材のことを、半導体と呼ぶ。

そして、一般的に報道で使われる「半導体」というのは、メモリーやCPU、CMOSセンサーなどに代表される、無数の半導体素子がぎっしり詰まった「集積回路」という電子部品を指す。

経験値のないこの私が、その分野のいっぱしの設計者になる道は険しかった。

そこでふと「アイツ」の顔が浮かんだのである。

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