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34 物語のはじまりを探して

リーディングライブのジャンルで企画を何本も打っている藤本さんという人がいる。

今日打ち合わせ終わりに映像制作のことで、その藤本さんに相談にのってもらった。藤本さんは昔から役者もやっていて、映画にも出ているし、今は脚本も書いている。

僕には「映画を作れるようになる」という目標があって、そのための段取りや機材を用意するのもそうなのだけど、作品内容を決めるのも肝心だ。

どんな脚本が良いか、現実的に出来るのはどの規模か、どんな役者さんが出てくれるのか。いろいろと教えてもらった。

その帰り道、これは藤本さんといるといつもそうなのだけど、ふと二人とも全然別のことを考えているような顔をすることがある。目線がじっと止まって、頭の中にほとんどの意識が集まる。

僕はどんな内容が良いかを考えていた。テーマだとか、表現方法だとか難しいことはさておき、まず物語のはじまりになるようなワンシーンを探してる。

物語のはじまりは、日常の軌道から少し外れたところにあるような気がする。ささくれみたいな、ほころびみたいな、結露みたいな、落とし物みたいな、売り切れみたいな、突然出てきた昔の写真みたいな。

きっと物作りをしている人はたまにそういう目をするものなんだと思う。藤本さんと会うと、二人同時にそんな風になるので面白い。


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