modern-times「フロム 水槽の街」
modern-times「Contemporary」
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(「フロム 水槽の街」は5曲目)
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【歌詞】
薄暗い街の片隅。瞼閉じる。
深海、沈んだ。彼女が行き着く街。
汚い光が差し込む場所に今も
行き先失う生き物、彷徨い、眠る。
分かち合った世界はいつしか
無くなる。閉塞感の中。
失った。何を失ったのか?
わからない。無力感に浸った。
瞳が渇いた。見た世界。汚れを知る。
歪な構造。見世物。欲に染まる。
彼女はまだ帰ることはない。
ほどける。感覚を失う。
今、自分が何処にいるかさえも
分からない。静かに眠りを待った。
今、私は知った。
遠い日の記憶が思い出された。
言いたいことがあったんだ。
「忘れないでほしいな」
いつか在った場所へ宛てた手紙。
分かち合った世界はいつしか
無くなる。閉塞感の中。
失った。何を失ったのか?
わからない。無力感に浸った。
手紙を書いた。
作詞 ワタナベタカヒロ
作曲 modern-times
演奏 Vo,gt ワタナベタカヒロ
Ba 冨川"tommy"功喬
Dr ガテン・キノシタ
【回顧録】
この曲を書いたのはだいたい2014年の秋〜冬にかけて。
この曲は、このアルバム「Contemporary」のジャケットを書いてくれた元・J装差別の猫山モミーさんの「手紙」という漫画と同じ元・J装差別のY・アラタ・タルパくんの「水槽の街」という詩から着想を得た曲。
しかも、たまたまだったのですが、2014年の12月にちょうど、彼らのやっていたJ装差別が活動休止をするという節目のイベントにも呼ばれていたので、メンバーには特に意味などは告げずにこの曲をねじ込みました。のちのちに猫山さんは「リハで聴いた時から好きになっていた。」と言っていたし、ヤスくんも自分の詩がこういう形で曲になったのを喜んでくれていた。MCで言ったら、メンバーも驚いていたので、こんな感じにサプライズみたいなことが出来て、嬉しかった覚えがあります。とりあえず、J装差別のお二人に気に入られて良かったなぁ。という気持ちですかね。
今回はエピソードはそこそこに結構早めにライナーノーツ的なもの!
今回も残念ながら音の配置図は見つからず…!ただ、今回の曲で特徴的なのはベース2本の音を重ねているということ。このアイディアに対して、T木さんは多分「2本録ったとしてもギターとは違って単純に同じ音が図太くなるだけだと思う」と言う感じなアドバイスをくれたような覚えがあります。「確かに…」という感じで困惑していた僕たちを見かねたT木さんが「例えば、ベースのチューニングを2本で少しずつズラすというのはどうだろう?」という提案を出してくれた。「それだ!」というのよりも「面白そう!」というのが先に来たと思う。この頃はとりあえず興味の向く方へどんどんといったれ!みたいな気持ちで突き進むような感じがありました。なので、この曲はそういえばベース一本は正しい音から10セント(単位これで合ってるのかな?)上のチューニング。で、もう一本は10セント下のチューニングで音を録音しました。ミックスした結果、エグいコーラスがかかったような効果が出て、痺れました。ここはこの曲の一つのポイントだと思います。レコーディングって面白い。
またこの曲のレコーディングは「自分たちで録音をしてみたい。」という気持ちから、いつもとは違い、スタジオを変えて行いました。写真(以下)にあったデータによると、2015年8月9日にレコーディングしたらしいです。
だだっ広いダンススタジオのようなところを昼〜夜くらいまで貸し切った覚えがあります。
このときに協力してくださったのが、キノシタさんの先輩のY田さん。ベーシストの方で、非常にユーモアあふれるナイスガイで最高に楽しい方だった。最近は会っていないが、今でもメンバー内で話題に上がるナイスガイ。
初めて自分たちで音を録音すると言うことでなかなかに苦戦をした。特にドラムのマイクの立て方など、様々な工夫やマイクを置くところなどを考えた。このときドラムはトップ2本にスネア、バスドラ、あとはキノシタさんの背後に一本とスタジオ中心に1本だったかな?Y田さん曰く「雰囲気を録るため」とのこと。
そのあと、ベースを録音。ベースは重ねるのが主だったので、いろんな部分を録り、パーツを揃えていく。というような感じで、録音をしました。
こちらはベース録音の様子。だだっ広いスタジオで寝転がりながらダラケて撮りました。奥でキノシタさんも寝転がっております。真剣にトミーくんは録音中。黒く塗りつぶしたのがY田さん。こちらも真剣。つまりはそれくらいには長かったし、とにかく広かったです。
で、ギター録音。この音が実はエフェクターの設定を間違えていて、思いっきりリバーブのレベルを上げていた状態で録音したのですが、その感じがとても不思議に上手くいったらしくスタジオ内で聴いた時はめちゃくちゃにいい音だった。ベースのトミーくんが今でも「あれは衝撃だった」というくらいにはすごかったらしい。一応、音源の音はそれです。
やっぱり実際にスタジオで聴いたような音ではないかもなぁ…というのが正直な感想かもしれないですね。音って場所にも依ることがあって、そのときは本当にただただダダっ広いスタジオで反響も微妙にいつもの小さなスタジオと比べれば違ったかもしれないし、しかもリバーブのレベルも大きかった。偶然が重なった結果だったのだけど、惜しいなぁ…という気持ち。もっとちゃんと意識していれば、ちゃんとこういう音も録れたのかなぁというような。
で、これがギター録音で使ったアンプ。パワフルで素晴らしかった。切れ味の良い鋭い音が出た覚えがあります。
と、このように初めてやったセルフレコーディング。やっぱり、ナイスガイY田さんのご協力なくしてはなかったと思いますので、今でも感謝。彼は本当に最高にナイスガイなのです。
とまぁ、こんなふうにセルフレコーディングの酸いも甘いも経験したようなそれでもっていろいろ試みをしてった感じがトミーくんはとても楽しかったのか、このあと、熱心にセルフレコーディングの勉強などをし始め、機材なども取り揃え、今ではトミーくんを中心にmodern-timesはセルフレコーディングで楽曲を作っております。
今回のアルバム全体のレコーディングに言えることなのですが、こうして、こういう経験が血肉となり、より一層音楽というものを楽しめるようになったという気が経験を通してわかりますね。
そういえば、書いていて、「はっ」と思い出したのですが、この「Contemporary」は意識としては二部構成で。言うなれば、レコードのような形の構成で1枚になっています。
つまり、レコードになぞらえて言えば、この「フロム 水槽の街」でレコードのA面が終了したという感じです。つまりはここまでが前半。
僕の個人的な意識としてはここまでは絶望のフェーズみたいな気持ちがあります。絶望〜絶望の終わりくらいかな?
エンジニアのT木さんからはあまりにも前半と後半で世界観が違うので、2枚に分けたらいいのではないか?という提案があったくらいでしたが、まぁ1枚にしてよかったな。と今ならば思います。コンセプチュアルな面がちょいちょい見え隠れするようなそんな感じにしたかったわけですね。はい。