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成約率向上!インサイドセールスの商談に向けた事前準備について

アイセールス株式会社でインサイドセールスチームのリーダーをしている樋口(@kentaro_isales)です。

「日本一のインサイドセールスチームを作ること」が目標です。


顧客との関係構築を通じて、有効商談を創出することがインサイドセールスの役割です。

1人の営業パーソンがリスト作成からアポ取りの電話営業、商談、受注顧客へのフォローまでを行う一気通貫の営業フローに対して、商談を設定するインサイドセールスと商談を行い成約に結びつけるフィールドセールスに分業をするとで商談数と質を向上させることができるなど、様々なメリットがあります。


インサイドセールスとフィールドセールスを分業している企業では、インサイドセールスは有効商談の設定に集中をするため、基本的には商談は行いません。

では、商談を設定が完了したらインサイドセールスとしての仕事は終了なのでしょうか?


答えは「No」です。

インサイドセールスは商談設定が主な役割ですが、自分が設定した商談が成約になるようにサポートすることも大きな仕事です。

ですので、よくある話ではありますが、インサイドセールスが自分の設定した商談のその後の進捗状況を把握していないなどは当然あってはならない話です。


では、インサイドセールスとして、自分が設定した商談が1%でも成約率が高くなるためには何をすればいいでしょうか?

1番はフィールドセールスへの最高のお膳立てをすることだと考えています。


商談を行うフィールドセールスがインサイドセールスからパスされた案件に対し、どれだけ迷いなしに商談に挑むことができる状況を作り出せるか。

すなわち、最高の事前準備ができるかが、インサイドセールスとしての最大の成約率UPに向けた取り組みです。


ということで、今回は成約率をUPさせる、インサイドセールスの事前準備について、弊社で実際に行っている事前準備を時系列に沿って解説していきます。


商談先の業界や課題に関して事前調査


アイセールスではインサイドセールスが商談を設定したら、インサイドセールスが商談先の企業についての事前準備を行います。

事前準備では業界分析・ヒアリング内容のまとめ・アジェンダ用意の3つを行います。

1つずつ解説していきます。


①業界分析

業界分析では3C分析を元に商談先企業について調査を行います。

どのような事業を行なっているのか?
顧客は誰なのか?
顧客はなぜ商談先企業の商品を購入するのか?
事業としての強みは?弱みは?
競合企業はどこなのか?
業界でのトレンドは何か?
業界は拡大傾向か?縮小傾向か?それは何故か?
事業成功要因は何か?
どのようなフローで売上が入るのか?

などなど様々な角度から商談先企業について分析を行い、様々な仮説を立てます。


▼3C分析については下記の記事を読むと理解できると思います▼


商談先企業の分析を行う際にはその企業のHPだけでなく、業界についてまとめたサイトを拝見したり、様々なツールを使います。

商談先企業が上場企業である場合は、中期経営計画書は確認必須のツールです。

中期経営計画書には業界の流れや今後の見通し、その企業がこれからどのような戦略を立てて成長をしていこうとしているのかを把握することができます。


「商談先企業が上場していない場合はどうやって情報収集をすればいいんだ!」という質問が飛び出しそうですが、そういった場合はその企業の競合で上場している企業のHPから中期経営計画書を確認するようにしています。

他社になるため、商談先企業の考えや方向性と完全に一致することはありませんが、業界の流れを掴めるだけでなく、競合企業の動向を把握することができ、商談時のトークに盛り込むことができるため、より角度の高い仮説をもとにした質問ができるためおすすめです。


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また、就職サイトなども活用します。

中でもおすすめなのがen LighthouseOpenworkなどの社員(現・元)が投稿している口コミサイトです。

これらの口コミサイトには内部の人が投稿しているため、ネット記事では分からないようなディープな情報が掲投稿されていることもあるので活用必須です。


②ヒアリング内容のまとめ

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商談を設定するまでの電話やメールで顧客からヒアリングした内容をまとめます。

アイセールスではBANT情報に加えてR(競合)を追加したBRANT情報と営業フロー・リソースを中心にヒアリングした内容をまとめていきます。


③アジェンダ用意

最後の3つ目がアジェンダの用意です。

フィールドセールスが行う商談をどのようアジェンダで進めてほしいかをインサイドセールスで準備します。

アジェンダ用意で特に意識していることは以下の3つです。


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商談時間は3〜4時間も長いわけではないので、顧客が気になっていること・知りたいことについて端的に話をしていく必要があります。

ですので、顧客が特に気になっていることについてフィールドセールスに共有することは当然大切ですが、それと同時に既に知っていることについても共有することは必須です。


営業をしていると、顧客側で商談を受けることは少ないですが、自分が知っていることを営業パーソンから長々と話されるとストレスを感じます。

ですので、顧客が知っていることについては予め共有し、顧客とよりスムーズなコミュニケーションを取れるようにすることはインサイドセールスとして大切な役割の1つです。


2つ目の注意すべきことについては3つ目のコミュニケーションタイプとも紐付きます。

私はフィールドセールスに案件のすり合わせを行う際に、顧客の人柄なども伝えるようにしています。


上記の記事にもあるように、その人に応じたコミュニケーションを行うことが営業として必須のスキルであり、成約率UPに向けた重要な取り組みの1つです。

情報源は少ないですが、インサイドセールスが電話をして、相手の声のトーンや話すペースから4つのタイプからどれかを推測して、「ドライビングっぽい」などを伝えると商談はよりスムーズに進みます。


商談設定後にFSと商談のすり合わせを行う


先述の事前調査を行った上で、弊社では10分〜15分のMTGを行うようにしています。(MTGツールは電話でもZoomでもOKです)

このMTGではインサイドセールスが事前にまとめた内容をフィールドセールスに共有するだけでなく、フィールドセールスから気になった点などのフィードバックをもらいます。


フィードバックをする・もらう際に大切なことは、インサイドセールスが事前にヒアリングをできなかった内容は「なぜ聞けなかったか」を明確にすることです。

単純に聞き忘れたのか
時間がなくて聞けなかったのか
ヒアリングはしたが答えてもらえなかったのか

ヒアリングができなかった理由は複数あるはずです。


ヒアリングができなかった理由が聞き忘れや時間的な問題であれば、後日ヒアリングをすればいいですが、そうでない場合は「自社に対して不を感じているから商談時には顧客が気持ちよく話せるようにアイスブレイクをしっかりしなければいけない」など、対処法を考える必要があります。

こうして、事前にインサイドセールスとフィールドセールスとのすり合わせを行うことで、顧客に対する理解を深めるだけでなく、その顧客をどうすれば成約にまで繋げることができるかをインサイドセールスとフィールドセールスが一緒に考えることができ、ベクトルを合わせることができます。


事前ヒアリングの実施


弊社では商談当日までにヒアリングを再度行うようにしています。

ここではすり合わせでフィールドセールスからもらったフィードバックを中心にヒアリングを行い、商談前に可能な限り顧客の情報を引き出すことを、インサイドセールスとして意識しています。


この事前ヒアリングをする際の注意事項として「顧客の邪魔にならないこと」です。

私たちが商談を行う顧客は決済者であることが多く、日々の業務で忙しくしていることがほとんどです。

ですので、商談までに何度も連絡し、顧客から「しつこいな」などマイナスなイメージを持たれないように、電話だけでなく、質問事項をまとめてメールをするなど、顧客への配慮を考えてコミュニケーションを取るようにしていきましょう。


商談前最終すり合わせをFSと実施


事前ヒアリングで聞けた内容をもとに再度フィールドセールスへのすり合わせを実施します。

ここでは特に長話はせずに、ヒアリングできた内容の共有を行います。

インサイドセールスとしてはできる限りの準備を行い、「あとはフィールドセールスさん頼みましたよ!」と背中を押してあげるのがこの時間のイメージです。


リマインドを入れ、商談当日へのワクワク感を高める


インサイドセールスとしての最後の準備がリマインドです。

私は可能な限り前日に電話でリマインドをするようにしています。


理由としては、電話で相手の声のトーンから翌日の商談に対する温度感を測るためです。

明るく元気な声で話してもらえれば楽しみにしてもらえてるなと感じます。

逆に「あ〜↓」と少し微妙な感じの返事が来ると、もしかしたら他の予定と被ってしまっているのではないか?と思い、日程変更をこちらから打診した方がいいかもしれません。


何にせよ、こうして顧客との接触回数を増やすことで、自分(自社)に対して好感を持ってもらいやすいという効果もあります。

※何度も言いますが、顧客に応じて電話でなくメールでのリマインドをするなど、コミュニケーションツールは適切に使い分けましょう。


このリマインドコールで大切にしていることは「明日の商談が楽しみで仕方ない!」と顧客に明日の商談を最大限にワクワクしてもらうことです。

明日の商談で話す内容や担当するフィールドセールスの紹介を簡単に行い、明日の商談に向けてポジティブなイメージを持ってもらいます。

そして、最後には「明日のお打ち合わせ絶対いい時間になりますので、楽しみにしていてください!」と自信満々に伝えます。


おまけ:アイセールスのセールス道具


最後におまけです。

アイスブレイクは職人技の部分もあるため、誰でも簡単にできるわけではないため、アイセールスでは顧客との関係構築を行いやすいように武器をいくつか準備しています。


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①web名刺

私は顧客に商談の詳細メールを送る際にフィールドセールスのweb名刺を添付するようにしています。

弊社で作成しているweb名刺には自己紹介動画やこれまでの経歴や趣味などパーソナルな情報がたくさん詰まっています。

このweb名刺を見て、顧客から親近感を感じてもらい、結果、成約に繋がったということも少なくはないのでとても有効なツールです。


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②商談前動画

web名刺を送るだけでなく、1社1社個別に「明日はお願いします!楽しみです!」のメッセージを込めた動画を撮影しています。

地道な作業ではありますが、商談前に動画を見てくれて、社内で拡散してくれて話題になったり…ってこともあったりします。


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以上、弊社で行っているインサイドセールスの商談に向けた事前準備について解説しました。

最近、「これでもか!ってくらい事前準備をしよう」とチーム内では何度も話しています。

これだけ事前準備を行うと、当然、商談への気持ちが強くなり、「あの案件どうなってる?」とインサイドセールスからの問いかけが多くなり、商談を作ったら終わりといったことはなくなります。

さらに、商談を行うフィールドセールスもインサイドセールスがこれだけの労力をかけて商談に向けて準備をしていることは理解しているため、1件の商談に対しても今まで以上の準備と気合いで挑んでくれるようになります。


また、顧客から貴重な時間を頂戴しているということは、その時間を少なくとも顧客にとって有意義な時間にする義務が私たち営業にとってはあります。

30分や1時間という限られた時間ではありますが、インサイドセールスとフィールドセールスが協力して最高の準備を行うことは、何よりも顧客のためだと思います。


私たちからすると、毎月何十件も行っている商談ではありますが、顧客にとっては今後の事業を左右する超大切な1件の商談であることを肝に銘じて、これからも営業活動に励んでいきましょう。

この記事が参考になれば幸いです。






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