雑記 「真っ赤な他人」と「赤の嘘」

「真っ赤な嘘」という言葉はアメリカの新聞小説で詐欺師が使い始めた言葉だ。「嘘を吐くとき、頭の中が赤くなる。考えをフル回転させなきゃいけないから」。この詐欺師はウソを言えば言うほど、自分の頭の中とウソを吐いている相手が赤色に見えるようになっていき、おしまいには……、少々ショッキングな結末となった。

新聞に載せるには少し野蛮な結末だったということで、ちょっとした話題になったらしいですね。・・・・・・まあ、嘘なんですけど。

「赤い」は「完全な」という意味で使われているらしいですね。これは本当ですよ!! あれ、もしかして疑ってますか?

嘘は他人が居るからこそ使う。

嘘を言わないとお付き合いが形成できない機会は社会に溢れていて、大人も子供も、他人を騙したり自分を守ったりするために嘘を取り扱っている。

宿題やってないのに「やった」って言うし、大丈夫じゃないのに「大丈夫」って言うし、しょうもないけど「イイね」って言う。

他人向け嘘はもちろんそうだが、自分に吐く嘘も社会と自分を上手くつなぎ留めるために仕方なく使っている物だ。生き抜くための知恵なのだ。

僕だって嘘を言わず、本当のことだけを話して生きていたいと思うんだけれども、どうやら嘘の力は強力で頼らないと不利なので、嫌々ながらも日々、嘘を使っているのが実情だ。

嘘を使う時に気を付けるのは、どうやって相手(自分)に信じてもらうかである。嘘を吐くという事は、相手に信じてもらいたい内容があるのだ

「僕は宿題をやった」。それを信じてもらえるのならば、僕は嘘なんて言わない。神に誓うよ。嘘を言うことが目的ではなくて、相手に信じてもらうことが目的だから。

しかし、「実は宿題をやっていないのではないか?」という君の疑いを払拭するためには、僕は「宿題をやった」と、嘘を吐かなければいけない。

僕と、君と、世界が上手くやっていけるかは、嘘に掛かっていると言っても過言ではない。

・神さまは居る(観測されていない)
・お金は大事(紙切れか電子データ)
・君は良い奴だ(僕は君について詳しくない)
・ネコは全てを救う(奴らはまだ本気を出していない)
・宿題はやった(やってない)

君に信じて欲しい事を書き出してみたが、まだまだ言い足りない。

例えば、この世のどこかには、人が立ち入るのも困難な切り立った山の頂上にドラゴンがいて、それを倒すために旅をしている勇敢な英雄たちが要る。――こんな法螺話も「本当にそうなんだ!」って思って欲しい。

僕の嘘で誰かがワクワクしたり、ドキドキしたりしたなら、どんなに素晴らしいだろう。僕が文章を書き始めた理由の一つだろうね。

僕がお話を書こうと思った時、お話を読んでもらいたいんじゃなくて、「お話を信じてもらいたいなあ」と漠然と思った話でした。では。

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